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薬局なんでも相談室2
相談室2:残業代が支払われる基準は
日経DI2014年2月号

2014/02/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年2月号 No.196

 残業時間を考えるに当たって、まず労働時間を定義してみましょう。実は労働基準法では、労働時間の定義は明記されていません。しかし、過去の判例1)、2)から、「労働者が使用者の指揮監督の下にある時間」が労働時間であるとされています。

 では、ご相談のように、薬局を開けて患者が来るのを待っている時間は、労働時間と言えるのでしょうか。結論から言えば労働時間とみなされます。このような時間を手待(てまち)時間といいますが、薬剤師からすれば職場に身を置いて自由に行動することができないため、使用者の指揮監督の下にある、労働時間となるわけです。

 従って、手待時間が労働時間外(一般的には1日8時間を超える時間)であれば、使用者はその時間に対して残業代を支払わなければなりません。

 ただし、現場では、「門前の診療所が診察しているようなので開局時間を過ぎても薬局を開けていたが、結局患者は来なかった」といったケースはあり、今回のような“暗黙の了解”による運用がされているケースも少なくないとみられます。このような場合は、手待時間にもできる業務を行うことで手が空かないようにし、勤務実態に応じて残業代を支払う、といった対応が望ましいでしょう。

 日中にやり残した薬歴の記載や予製などを、時間外に自主的に残って行うケースも多々あるかと思います。この場合、「残業代は払わない」というルールを作り、黙認する薬局もあるようですが、本来は労働に対して賃金は支払われるべきです。

 日ごろから残業する習慣があれば、残業のルールを明示してもらい、労働時間内に仕事が終わるよう運用する、終業時刻を過ぎたら早く退勤するなどのルール作りを上司や経営者に提案してはいかがでしょうか。それが、残業代に関するトラブルを減らすポイントになるかと思います。

参考文献
1)三菱重工業長崎造船所事件
  平成12・3・9 最高裁第一小法廷判決
2)大星ビル管理事件
  平成14・2・28 最高裁第一小法廷判決

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