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薬局なんでも相談室2
相談室2:結核患者の部屋を消毒するには
日経DI2014年1月号

2014/01/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年1月号 No.195

 公衆衛生の向上に寄与するのは薬剤師の務めです。

 以前、私も消毒に関する相談を受けたことがあります。薬剤師による在宅業務の普及に伴い、今回のような相談を受けることが増える可能性もあります。

 特に結核は年間2万1000人以上の新規患者が報告されており、うち55.6%が70歳以上です。施設入居者の場合、施設が保健所に報告し、消毒や接触者検診などを行う必要があります。

 さて、結核菌の消毒で特に注意すべきなのは、空気感染するからといって、消毒薬の空中散布は行わないことです。というのも、その効果は実証されていないからです。

 結核患者の部屋を消毒するには、まず、患者が退室した直後は、窓を開放して1時間ほど換気し、使い捨ての手袋などを着用して、通常の退室時清掃を行います。患者が使った器具も、喀痰など結核菌を含むような汚染がなければ、通常の洗浄・清拭・消毒をします。

 例えば、部屋の床やベッド、ソファ、ドア、浴槽、トイレの便座、洗面台、水道の蛇口は、消毒用エタノールの噴霧や清拭を行います。

 一方、喀痰などが付着しやすい器具は、煮沸消毒や消毒用エタノール、0.2%アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩液、0.1%次亜塩素酸ナトリウム液などで消毒します。

 ベンザルコニウム塩化物やクロルヘキシジングルコン酸塩は結核菌には無効なので、使用しません。

 消毒方法ですが、体温計は消毒用エタノールに30分以上浸して、その後水洗いして乾燥させます。

 薬杯や吸い飲みは煮沸消毒を10分以上し、通常の洗浄をします。

 また、内視鏡など粘膜や損傷皮膚に接触する器具は、2~3.5%グルタラール(前洗浄後20分以上)や0.55%フタラール(12分間浸ける)、0.3%過酢酸(温度によって消毒時間は異なる)を使用してください。

参考文献
1)結核院内感染予防対策ガイドライン(東京医科歯科大学歯学部附属病院、2009年)

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