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OTCトレンドウォッチ
口唇ヘルペス向けの新剤形 ほか
日経DI2014年1月号

2014/01/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年1月号 No.195

 本稿では、過去3カ月間に発売された、抗ウイルス外用薬と総合感冒薬、消炎鎮痛薬、点眼薬を紹介する。

口唇ヘルペス向けの新剤形

 アラセナSクリーム(佐藤製薬)は、2013年12月に発売されたビダラビンを3%配合する口唇ヘルペスの再発治療薬である。

 同ブランドには以前から軟膏のアラセナSがあるが、継続販売しており、剤形の選択肢が増えたことになる。

 本製品は、伸びがよくべたつかないクリームで、軟膏を塗布した際のてかりが気になるという患者に薦めるとよい。塗布した上から軽い化粧をしても目立たない。

 医療用のアラセナ-Aクリーム3%と同じ製品であるが、医療用では2g、5g、10gがあるのに対し、一般用医薬品(OTC薬)は2gのみである。

 効能は、「口唇ヘルペスの再発(過去に医師の診断・治療を受けた人に限る)」なので、「唇の上がピリピリして痒い」など、口唇ヘルペスを疑わせるような訴えがあっても受診したことがなければ、まずは受診を促す。

 再発治療薬であるため、以前、口唇ヘルペスと診断された時に感じた赤みや水膨れ、痛みの症状と同じであるかどうかを患者に確認するとよい。

 用法・用量は、1日1~4回患部に適量を塗布する。

 6歳未満の乳幼児、患部が広範囲、発熱や広範囲の発疹など全身症状がみられる人には、使用できない。

 長期連用は避け、5日間使用しても症状の改善が見られない場合は、重症または他の疾患の可能性があるため受診するように指導する。

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マオウ入りで解熱させる

 13年11月に発売された総合感冒薬のルルアタックFX(第一三共ヘルスケア)は、麻黄エキスが含まれており、発汗による解熱作用を売りにしている。

 その他の生薬として、発汗作用による解熱や鎮痛作用のあるケイヒ末、抗炎症作用のカンゾウエキス、滋養強壮成分のニンジン軟エキスが含まれる。

 また、解熱鎮痛成分はアセトアミノフェン、抗ヒスタミン成分としてクレマスチンフマル酸塩、鎮咳成分のデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、鎮咳去痰成分のグアイフェネシン、発熱などに伴う頭痛への効果を期待した無水カフェイン、ビタミンB1の誘導体のベンフォチアミンが配合されている。

 1日3回食後なるべく30分以内に服用する。7歳以上から服用可能であり、包装単位が18錠、27錠、36錠入りと3タイプがあるので、ファミリー向けの常備薬としてもお薦めできる。

 販売時には、抗ヒスタミン成分が入っているため服用後に眠気が出ることがあることと、服用前後の飲酒は避けること、長期連用をせず3~4日服用して改善しなければ受診するよう伝える。

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喉の痛みに注目した顆粒

 喉の腫れや痛みが特徴の扁桃炎、咽頭炎、口内炎に水なしで服用できるのが、13年10月に発売されたハレナース(小林製薬)である。

 抗炎症作用のあるトラネキサム酸とカンゾウエキスが配合されている。また、粘膜の形成・機能に関係するピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、体力消耗時の補給としてL‐アスコルビン酸ナトリウムも配合されている。

 用法は1日3回で、食事に関係なく服用可能。7歳以上から服用できる。

 メントールを含み、清涼感のある飲み心地である。水で流し込んだ方が、口の中がすっきりする。細かい顆粒なので、喉の痛みで固形物が食べられなくても服用できる。

 また、カンゾウの健胃作用から、喉の症状が落ち着いたら食欲が回復する効果も期待できる。

 なお、総合感冒薬の中にはトラネキサム酸が、また漢方にはカンゾウが使われているケースが多いため、重複投与にならないように併用薬を聴取する。

 5~6日服用しても回復しない場合は受診を勧め、長期連用は避ける。

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ゴマ油で目の乾燥防ぐ

 目を酷使したり、エアコンの使用で目が乾きやすくなることもある。眼球表面は、角膜の表面に目の涙を表面に留めるムチン層が形成され、酸素や栄養を含む水層、一番外側には涙の蒸発を防ぐ油層の3層で形成されており、これらによって目の潤いが保たれている。13年12月に発売された新ロートドライエイドEX(ロート製薬)は、この3層のバランスを考慮して作られている。

 角膜保護成分としてコンドロイチン硫酸エステルナトリウムがOTC薬の製造基準の最大濃度である0.5%配合されている。その他の有効成分は粘稠剤のヒドロキシエチルセルロース、塩化カリウム、塩化ナトリウムである。

 添加物は、ヒアルロン酸ナトリウム、溶解補助剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが配合されている。防腐剤であるパラベンやベンザルコニウムは含まない。

 本製品には、製剤の安定剤としてゴマ油が添加されているが、その香りはせず、液は無色透明だ。ただし、柑橘類のベルガモットやペパーミントオイルが含まれているので、かすかに香る。

 点眼容器は顔を少し傾けるだけで、スムーズに点眼できる設計となっている。

 点眼後に視野がぼやけることがあるため注意を促したい。

 なお、同ブランドにはコンタクト装着者向けのロートドライエイドコンタクトもある。

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三上 彰貴子
Akiko Mikami
株式会社A.M.C 代表取締役社長、薬剤師
製薬会社勤務後、コンサルティング会社勤務を経て2005年から現職。医療分野のコンサルティングを行う傍ら、一般用医薬品に関する寄稿や講師の活動も行う。

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