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薬局なんでも相談室1
相談室1:にきびの患者に冬場のスキンケアを相談されたら
日経DI2013年12月号

2013/12/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年12月号 No.194

 ご質問にお答えする前に、にきびができるメカニズムについておさらいしましょう。

 にきびは、毛穴の角化が進んで、毛穴が詰まり、白ニキビ(面皰)ができ、その部分にいわゆるニキビ菌(Propionibacterium acnesなど)が増殖して、炎症が惹起され化膿してくる疾患です。

 毛穴が詰まる原因には、角化の亢進のほかにも、乾燥、皮脂の過剰な分泌などがあります。

 にきびの患者さんの皮膚では、皮膚を通して体外に蒸発する水分量(経表皮水分喪失量:TEWL)が増加しているために、細胞間脂質のセラミドが低下しているという報告があります。従って、にきびの患者さんは、乾燥に対するスキンケアが重要であるといえます。

 特に洗顔後は、皮膚から水分が蒸発しやすい状態にあるので、水分を補給する保湿を目的に化粧水、美容液、乳液を使うことが大切です。

 では、どのような製品がよいのかですが、ノンコメドジェニックと明記されているものを薦めてください。

 ノンコメドジェニックとは、面皰を誘発しにくいという意味で、専門のテスト(皮脂腺が比較的多い背中を使い、サンプルを複数回繰り返し塗布して、最終的に組織学的な検査で、コメド[毛穴に皮脂や角質がたまった状態]が形成されているかどうかを確認する)をクリアした場合に、表示できます。

 このほかに、にきびの患者さんは、(1)皮膚に刺激がない、(2)洗浄料で容易に除去できる─という観点で化粧品を選ぶとよいでしょう。

ディフェリンの前に保湿を

 さて、今回の患者さんは ディフェリンを処方されているとのことです。ご存じのように、ディフェリンはにきび治療の外用薬として、日本皮膚科学会のガイドラインでは第一選択であり、大変重要な薬です。

 しかしながら、薬の性質上、乾燥や皮膚不快感(ヒリヒリ感など)、落屑、紅斑、掻痒が生じやすくなります。そのため、本剤を塗布する前に、保湿を行うことが必要とされています。

 そこで、患者さんにはディフェリンを使用する前に、ノンコメドジェニックの化粧水や乳液を皮膚にしっかり塗布するように伝えてください。これでも、皮膚に違和感や刺激感が生じる場合には、私は保湿剤のヒルドイド(ヘパリン類似物質)などを処方して、一緒に使ってもらっています。ほとんどの患者さんは、これでディフェリン使用時にみられる上記の症状を防げます。なお症状は、使用開始から2週間までに発現することがほとんどで、その後は皮膚が慣れて症状は出にくくなります。

 にきび治療で大事なことは、にきびの症状が治まった後も、維持療法として保湿とディフェリンの外用を続けることです。通常は、1年間ほどの継続をお勧めしています。ディフェリンは症状に合わせて、毎日ではなく、1~2日おきの継続使用を指示することもあります。薬局においても、保湿の重要性を説明してきちんとケアするように、ぜひ伝えてください。

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