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DIクイズ4(A)
DIクイズ4:(A) 「イミグランの液剤」を希望されたら
日経DI2013年12月号

2013/12/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年12月号 No.194

出題と解答 : 後藤 洋仁
(横浜市立大学附属病院薬剤部)

A1

(1)錠剤から内用液への変更であるため、疑義照会が必要である。
(4)後発医薬品の方が先発品より薬価は高いが、後発医薬品調剤体制加算は算定できる。
(6)先発品の錠剤と後発品の内用液で最高血中濃度到達時間(Tmax)は同等である。

 片頭痛は慢性頭痛の一種で、片側性、拍動性の頭痛発作を繰り返す疾患である。女性の罹患率は男性の約4倍で、発作的に強い頭痛が起き、動作により増悪するため、仕事や日常生活に支障を来しやすい。発生メカニズムには、血小板から放出される血管収縮因子のセロトニンが関与していると考えられている。

 片頭痛の急性期の治療には、セロトニン5HT1B/1D受容体の選択的作動薬であるトリプタン系薬が主として用いられる。トリプタン系薬にはGさんが服用しているスマトリプタンコハク酸塩(イミグラン他)以外に、ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)、エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)、リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト)、ナラトリプタン塩酸塩(アマージ)の計5種類がある。

 これらのトリプタン系薬における片頭痛への効果は同等とされているが、患者によって各薬剤の有効性は異なることが知られている。ゾルミトリプタンとリザトリプタンには口腔内崩壊錠があるが、「仕事中にぱっと飲みたい」と希望するGさんがそれらを使用していないことから、Gさんにはスマトリプタンの有効性が特に高いことが推察される。

 スマトリプタンの後発医薬品は、2012年12月に12社から13品目が発売された。うち12品目は錠剤(50mg錠)で、残る1品目が、Gさんが希望した液剤の「スマトリプタン内用液50mg『タカタ』」である。この内用液は1回使い切りの個別包装となっており、服用性と携帯性に優れる。頭痛発作時に、水なしで速やかに服用ができる剤形は患者にとってメリットが大きい。

 ただし、スマトリプタンの錠剤から内用液への変更に際しては、幾つかの注意点がある。

 まず、この変更調剤においては剤形が変わるため、たとえ後発品への変更が不可になっていない処方箋であっても、処方医への疑義照会が必須となる。

 また、イミグラン錠50の薬価が1錠926.90円であるのに対し、スマトリプタン内用液50mg「タカタ」は1包1602.60円で、先発品よりも高額である。通常、先発品と薬価が同額または高い後発品は「診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品」のリストからは除外することとなっているが、本内用液は同リストに掲載されているため、加算を算定できる。ただし、患者に対しては、後発品への切り替えではあるが支払額が増えることを事前に説明し、同意を得ておく必要がある。

 液剤の味が服用感に大きく影響することにも留意しておきたい。スマトリプタンは苦味が強いため、本内用液は苦味の軽減のためにレモンとメントールの矯味を付けている。こうした矯味のため服用が困難になるケースもある上、製剤自体が高額であることを考えると、本例においては分割調剤を提案することが適切であろう。

 なお、一般に液剤は錠剤よりも吸収が速やかで、最高血中濃度到達時間(Tmax)は短くなる。しかし、本内用液は後発品であり、先発品の錠剤と生物学的同等性が一致するように設計されたため、Tmaxは同等である。「液剤なので早く効果が表れる」といった特性はないことを認識しておきたい。また、(1)1回の服用で効果が不十分だった場合は2時間以上空けて追加投与できる、(2)1日の総投与量は200mg以内とする、(3)眠気を催すことがあるので、自動車の運転などの機械操作には従事させない─などの、用法・用量や使用上の注意点についても、本内用液は先発品と同じである。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 主治医の先生がおっしゃったように、イミグランのジェネリックには水薬があり、こちらの薬局でも取り扱っています。イミグランは苦味が強いので、レモンとメントールの味が付いています。爽やかな味になっていますが、味には好みがあるので、もし味が苦手で飲めないとお薬が無駄になってしまうかもしれません。

 実は、水薬は錠剤よりも値段が高くて、3割負担の場合1回分で200円ほど高くなります。今回は14回分が処方されていますが、まずはお試しで、3回分だけ水薬にして、問題なく飲めそうか確認してみてはいかがでしょうか。

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