DI Onlineのロゴ画像

後発品をどう選ぶ
〔エルメッド エーザイ〕エーザイグループとしての強みを生かし“患者満足”を高める製剤の開発に取り組む
日経DI2013年11月号

2013/11/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年11月号 No.193

本誌調査で、エルメッド エーザイは「品質への信頼」「供給の安定性」で特に薬剤師の支持を集め、全体の3位だった。高評価を得たことに対する感想や、今後の戦略などについて、同社社長の金澤昭兵氏に聞いた。


─エルメッド エーザイは本誌の調査で昨年と同様の3位でした。大手製薬企業の中ではいち早く本格的に後発品の開発・販売に進出し、評価も定着してきたように見えますが、どういう点が評価されていると考えていますか。

金澤 当社は、エーザイの100%子会社として、約17年前に他の先発品メーカーに先駆けて後発品ビジネスに参入しました。会社名はElderly Medicine(高齢者向けの薬剤)の頭文字を取ってElmed Eisai(エルメッド エーザイ)と名付け、高齢者が服用しやすい薬というコンセプトで、“バリアフリー製剤”の開発に取り組んできました。調剤しづらい、服薬しにくい、服薬を介助しにくいなどの様々なバリアをできるだけなくした付加価値製剤の開発・販売に取り組んでいる姿勢を高く評価していただいていると考えています。

 現在、エーザイではエーザイ・ジャパン体制を敷いています。これは、国内の医療用医薬品・診断薬・後発品の各事業を束ね、患者さんへの総合的な貢献を立案・推進するものです。エーザイとのコ・プロモーションを行っており、当社MRとエーザイMRとで情報提供できていることや、新薬系メーカーの後発品、いわゆる「ブランドジェネリック」としての信頼を得ていることも、薬剤師の先生方の高い評価につながったと考えています。

─支持する理由を見ると、過半数の人が「供給が安定しているから」「品質が信頼できるから」を挙げています。安定供給と品質に関して、どのような取り組みをしていますか。

金澤 安定供給については、まず物流拠点を北海道、神奈川、岡山の3拠点に設置し、有事においても患者さんに必要な医薬品を確実かつタイムリーにお届けすることができるような体制を整えています。全ての製品は常に3カ月以上供給可能な在庫量を確保しています。後発品には先発品との特許に関する問題が付きものですが、安定供給を第一に考える当社では、先発品の特許に関する調査を発売前に徹底的に行い、安定供給リスクが高いものは発売せず、安定供給できると確信した製品のみ発売しています。今後は、原薬確保の安定化にも着手し、インドのエーザイバイザッグ工場で後発品原薬などを生産することも検討しています。

 品質についても、エーザイと同じ品質方針を設けており、原薬の選定から製造まで一貫して“エーザイ方針”にのっとって生産しています。同時に、先発品より優れた製剤を目標とし、独自の処方設計による安定性の高い製剤を開発しています。こうした取り組みの結果、当社では回収・欠品は創業以来1度もなく、エルメッド エーザイの“勲章”の一つと自負しています。

─調査でお薦めの後発品を挙げてもらったところ、プランルカスト錠225「EK」、レバミピド錠100mg「EMEC」、エチゾラム錠1mg「EMEC」に支持が集まりました。その理由を聞くと、プランルカスト錠では「先発品は1回2カプセルのところが1回1錠で済む」、レバミピド錠では「錠剤に印字がある」、エチゾラム錠では「口腔崩壊性がよい」などの声が挙がっていました。

金澤 先発品にない特徴を高く評価していただいたことは、当社にとって一番の幸せです。薬が飲みづらいことで服薬アドヒアランスが低下し、結果的に期待される薬の効果が発揮できなくては、全く意味がありません。新薬の事業では新たな薬効を持った薬を少しでも早く患者さんにお届けすることが使命です。しかし、後発品を発売する時には新薬が発売されて10~15年経過しており、製剤技術も進歩していますから、新たな技術で先発品にはなかった製剤面の工夫を施し、より患者さんのニーズに合った製品を開発することを心掛けています。

─後発品を開発する際の基本戦略は?

金澤 エーザイのフランチャイズ領域を中心としたラインアップとしていますが、エーザイの製品にない薬効群なども取り扱い、後発品と新薬の両方で患者さん並びに医療機関のニーズに対応できる製品を取りそろえるようにしています。最近では、エーザイがオンコロジー領域に注力しており、当社もこの領域の開発を進めていますし、ニーズの高い生活習慣病領域の製品開発にも取り組んでいます。

 先ほどお話ししたように、先発品より優れた製剤の開発を基本方針としています。主な付加価値製剤としては、カプセルを錠剤にしたり、錠剤を湿製錠やOD錠にするといった製剤工夫、苦味をマスキングした味の改良、肌にやさしい貼付剤などを開発しています。新薬で培ったノウハウを後発品の開発に生かすことができ、この点は当社の大きな強みとなっています。最近では、錠剤に印字を施したり、見やすいPTPシートや取り扱いやすいパッケージなど、薬剤師の先生方の調剤過誤を防ぐための工夫も行っています。

─情報提供ではどのような取り組みをしていますか。

金澤 当社MRとエーザイMRの両者が協力して情報提供を行っており、副作用発現時や製品クレームといった緊急対応も連携して行っています。また、WEBなどを通じて情報を発信しています。WEBサイトでは、ご高齢の患者さんに多い摂食・嚥下障害に関するメカニズムやQ&A、当社が注力している指導箋や啓発冊子をご紹介し、お役立ていただいています。また、講演会については、エーザイ・ジャパン保険薬局政策部主導にて保険薬局薬剤師の先生方を対象とした「保険薬局マネジメントセミナー」を全国で開催しています。ただ、当社としては情報提供という部分ではさらに努力していく必要があると考えており、今後エーザイグループとして商品問い合わせ情報システムの統合化なども検討していく予定です。

─今後の経営戦略についてお聞かせください。

金澤 MRの確保は重要な課題ですが、増員するだけでなく、その質を追求することが必要だと考え、営業サポート組織を刷新し、販促提案力を強化しました。また今後も、安定供給、品質向上に努めることはもちろんのこと、製品ラインの充実、そしてエーザイグループとしての機能を最大限に生かしてまいります。優れた製品と適正な情報をお届けすることはもちろん、社員一人ひとりが患者さんの視点に立ち、後発品であっても常に新しい提案を加えることで当社のバリューを高めることができると考えています。

図 エーザイ・ジャパン体制(エルメッド エーザイによる)

画像のタップで拡大表示

写真:山下 裕之

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ