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薬剤師10大トピックス
トピックス9:在宅対応薬局が増加
日経DI2013年11月号

2013/11/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年11月号 No.193

 薬局の在宅医療・ケアに対する取り組みが本格化したのは、介護保険制度がスタートした2000年4月。地道な実績の積み重ねが実を結び、医師や看護師、ケアマネジャーなど患者の療養に関わる他の職種にも「在宅チームに薬剤師がいるメリット」が認識されつつある。


 薬剤師が患者宅を訪れ、服薬管理を行うことへの保険給付が開始されたのは1994年。92年の第2次医療法改正で、「居宅」が医療提供の場として位置付けられたことを受け、94年10月の調剤報酬改定で「寝たきり老人訪問薬剤管理指導料」が新設された。

 だが、当時の医薬分業率は20%に満たず、在宅医療を熱心に行う医師も限られていたため、在宅医療を実施する薬局はごく少数だったようだ。

 在宅医療に対する薬剤師の関心を高めたのは、97年12月に制定された介護保険法。当初は薬剤師としてではなくケアマネジャーの資格を取って在宅に参画しようと考える薬剤師が多かった。だが、青森県薬剤師会常務理事(当時)の木村隆次氏は「介護保険の下で薬剤師が行う業務の90%は『居宅療養管理指導』のうちの一つである訪問薬剤管理指導になるだろう」と見ていた(本誌98年11月号「介護保険下の薬剤師の仕事はこれだ」)。

1998年11月号

2000年4月からスタートする介護保険制度への関心の高まりを受け、日経DIでは3回にわたり介護保険関連のシリーズ記事を掲載。「介護保険下の薬剤師の仕事はこれだ」では、訪問薬剤管理指導が主力業務となると伝えた。

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「バイタル」で一歩先へ

 それから15年が経過した現在、木村氏の予測が見事に当たっていたことは誰の目にも明らかだ。

 日本薬剤師会の調べでは、管理指導費の算定回数(居宅療養管理指導費と在宅患者訪問薬剤管理指導料の合算)は、03年が約131万回だったのに対し09年は約247万回と1.8倍に増えている。在宅に取り組む薬局の増加を示唆する傍証となろう。

 在宅の現場で、患者の血圧や呼吸音などのバイタルサインを積極的にとる薬剤師も増え始めた。本誌12年9月号「薬剤師を変えるバイタルサイン」では、腸音の聴取や脈拍の測定などを通じて副作用の発現や患者の病状変化を見つけ、処方変更などにつなげた事例を紹介した。まだ一部の薬剤師による取り組みではあるが、医師など他の職種との“共通言語”として連携を深める効果は高く、在宅に取り組む薬剤師に必須の技能となりそうだ。

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