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薬剤師10大トピックス
トピックス8:調剤過誤で有罪判決
日経DI2013年11月号

2013/11/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年11月号 No.193

 医薬分業による医療行為の役割分担が進む中で、薬剤師には調剤事故による「結果責任」が厳しく問われるようになった。患者が死亡する重大な事故事例を踏まえ、事故発生後の対応も含めた管理体制の整備が求められている。


 日経DIは、創刊当初から調剤事故の実態や防止対策を取り上げてきた。本誌2001年2月号「新・薬賠責は何がどう違う?」では、日本薬剤師会が会員から初めて収集し、広く公表した調剤事故の事例を紹介した。それによると、調剤事故は薬の取り間違い、規格の誤り、力価の計算間違いなど、薬剤師の確認不十分が原因となるものが多数を占めた。また、アレビアチン(一般名フェニトイン)やテオドール(テオフィリン)、テグレトール(カルバマゼピン)といった特定の薬剤での調剤事故が多く報告された。

患者死亡の責任重く

 本誌が詳しく伝えた3つの調剤事故について見てみよう。

 05年にはいわゆる“一人薬剤師”の薬局で、リズミック(メチル硫酸アメジニウム)と劇薬のグリミクロン(グリクラシド)を取り違え、患者が重体に。後に死亡した。事故を起こした薬剤師は業務上過失傷害罪で有罪になった(本誌07年10月号「調剤事故で薬局が廃業へ」)。薬の取り違えだけでなく、劇薬の管理がきちんと行われていなかったことが罪に問われた。

 09年には交付するワーファリン(ワルファリンカリウム)の規格を誤り、それを服用した患者が死亡。調剤と鑑査を担当した2人の薬剤師が業務上過失致死罪で送検された(本誌09年6月号「調剤事故で薬局に強制捜査」)。どの薬局でも取り扱っているワーファリンの調剤事故による患者死亡だったため、業界を驚かせた。

 最も記憶に新しいのはウブレチド(ジスチグミン臭化物)2970錠を23人に誤って交付し、うち1人が死亡した調剤事故(本誌11年9月号「ウブレチド2970錠誤投与のなぜ」)だ。自動分包機の設定ミスに気づかず、マグミット(酸化マグネシウム)が処方された患者にウブレチドを交付。服用した1人が死亡した。誤投与発見の遅れに加え、発見後も回収などの措置を講じなかった管理薬剤師は業務上過失致死罪で有罪に。開設者の薬剤師も管理責任を問われ、業務上過失傷害容疑で書類送検された(後に不起訴)。

2007年10月号・2009年6月号

調剤事故の多くは、示談金や損害賠償金の支払いで解決されることが多いが、患者が死亡した場合は、薬剤師個人が刑罰に科せられるケースが出てきている。

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