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患者指導ワンポイントレッスン
Lesson14 マスクの正しい選び方・使い方
日経DI2013年11月号

2013/11/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年11月号 No.192

監修 藤田 直哉氏
(日本衛生材料工業連合会専務理事)

 日本で一般的に使用されるマスクは、医療現場で使われるものも含め、薬事法に該当しない衛生用品(雑貨品)に分類されており、国などが定める規格・基準が存在しないのが現状である。

 2009年4月に新型インフルエンザが流行した際、一時的に店頭からマスクが消え、既存事業者のみならず新規事業者を巻き込んで大増産(生産・輸入)する騒ぎとなった。このとき粗悪品が出回ったり、製品の機能、品質表示に不適切な表現がなされたりしたことが問題視された。そこで現在は、業界団体である全国マスク工業会が「マスクの表示・広告基準」を定めている。

用途に応じた製品選びを

 近年、主流になっている不織布マスクでは、用途別に異なる性能のフィルターを採用している製品が増えている。一般に、「かぜ対策」用途のマスクに使われるフィルターは目が細かく、高いバリアー機能を発揮する。これに比べ、「花粉対策」用途はフィルターの目が粗い。これは、インフルエンザウイルスなどのウイルス粒子は0.1~0.3ミクロンであるのに対し、花粉は20~30ミクロンと粒子が大きいからである。

 また、特殊なフィルターを使った製品も登場している。例えばマイナス電荷イオンを含むフィルターは、プラス電荷のウイルスを吸着する。このほか静電気を帯電しやすい繊維でできたフィルターは、花粉粒子などを吸着しやすい。

 注意したいのは、「ウイルス除去率99%」といったフィルター捕集効率数値の表示だ。この数値は、フィルターを通過する空気に含まれるウイルスや粒子などに対する捕集効率を示すもの。フィルターはマスクの一部に使われているにすぎず、この数値がマスク本体の性能ではないことを、購入者に伝えてほしい。また、フィルターの目が細かいと息苦しく感じるなど、着け心地がマスクによって異なるので、用途に応じて適切な製品を選んでほしい。

マスクのサイズの測り方

 どんなに高性能なフィルターが使用されていても、マスクと顔の隙間が大きければフィルター性能は発揮されない。マスクを顔に密着させるには、サイズ選びと着け方が重要だ。

 家庭で1サイズのマスクを買い置きして、家族全員で使っているという話を耳にするが、やはり個々の顔の大きさに合ったサイズを用意するのが望ましい。指導箋(PE20ページ)に「マスクのサイズの測り方」を掲載したので参考にしてほしい。

 また、顔とマスクに隙間ができやすいのは鼻、頬、顎だ。鼻の部分にワイヤが使われている製品は、鼻の形に合わせて曲げて使用する。プリーツ式は顎までしっかり伸ばして使用する。

 昔からあるガーゼのマスクは洗濯して繰り返し使用できるが、不織布は洗うとほどけるため使い捨てにし、何日も使い続けるのは避ける。

 使用したマスクには、ウイルスや花粉などが付着している。捨てるときは、マスクに触れないように耳ひもを持ってそっと外し、蓋のついたごみ箱に入れる、またはビニール袋に入れて封をするなどの、付着物が拡散しないような配慮が必要だ。

 薬局の店頭においては、雑貨品であるマスクに、「インフルエンザを予防」「花粉症を予防」といったように、疾病の予防や治癒効果などを表示することは薬事法に抵触するので注意してほしい。「花粉対策」「“かぜの季節”にはマスクを」など、疾病予防をうたわない表現にすべきである。

 マスクに関する正しい情報、適切な使い方を薬局から発信してほしい。

マスクの正しい選び方、使い方

 マスクを選ぶポイントは、「用途」「顔への密着性」「着け心地」です。 幾つか使ってみて、自分に合うものを選びましょう。

目的に合った機能を選びましょう。

 マスクの「かぜ対策」「花粉対策」などの機能は、内側のフィルターの性能の違いによるものです。20~30ミクロンの花粉に対し、ウイルスの大きさは0.1~0.3ミクロン。ウイルスに対応した「かぜ対策」のフィルターは目が細かく、より高いバリアー機能を発揮します。一方、「花粉対策」は通気性に優れ、着け心地が良くなります。


顔の大きさに合ったサイズを選びましょう。

 顔の大きさに合わないマスクでは、隙間からウイルスや花粉などが侵入しやすくなり、フィルターの効果が十分に発揮されません。また小さ過ぎると耳が痛くなったりします。下の「マスクサイズの測り方」を参考に、自分にぴったりのマスクを選びましょう。


マスクの捨て方にも注意を。

 使ったマスクには、ウイルスや花粉などが付着しています。捨てるときは、マスクに触れないように耳ひもを持ってそっと外し、蓋のついたごみ箱に入れる、またはビニール袋に入れて封をするなどして、速やかに捨てましょう。捨てた後は手を洗いましょう。


監修:藤田 直哉氏(日本衛生材料工業連合会専務理事) イラスト:山田 歩

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