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特集:
コストを掛けずに調剤時間を短縮
日経DI2013年11月号

2013/11/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年11月号 No.193

 業務の効率化といえば、処方箋自動入力システムや全自動錠剤払い出し機、自動軟膏混練機といった情報システムや機器を思い浮かべる人は多いだろう。だが、コストを掛けて最新の機器を導入しなくても、調剤室のレイアウトや薬剤師の動線を変えたり、鑑査や疑義照会のための換算表や早見表などをあらかじめ用意しておくことによって、処方箋受け付けから薬剤交付までの時間を短縮する方法もある。

 ただし、スピードが上がった一方で、調剤過誤が増えてしまっては元も子もない。アップル薬局(本社:熊本市中央区)企画事業・渉外部長の山本雄一郎氏は、「薬局の効率化とリスクマネジメントは、切り離して考えることはできない」と強調する。

 アップル調剤薬局大津店では従来、同成分の錠剤について、よく処方される規格は調剤棚に配置し、あまり処方されない規格は作業台の引き出しに収納していたが、ピッキングの効率化を考え、複数規格がある錠剤は全て棚に配置するように変更した。さらに、規格違いの薬剤を上下や左右ではなく、斜めにずらして配列することで、取り間違いも防止している。

私の薬局ではこうしています!
その2  調剤時間短縮の裏ワザ

回転棚で省スペース化も実現 /ドレミ薬局香椎店(福岡市東区)

JR香椎駅に併設されたショッピングモールにあるドレミ薬局香椎店。同じフロアにある診療所のほか、近隣住民や買い物客から広域で処方箋を受けているため、備蓄医薬品数は1000品目を超える。よく出る錠剤は壁際の棚に配置するが、それ以外は回転棚を使用。箱のまま50音順に並べている。「回転式のため一度に複数の薬剤師がピッキング作業を行える。コンパクトに収納できるメリットもある」と開設者の才所洋子氏は話している。

体重×配合成分別の予製で待ち時間を大幅短縮 /そうごう薬局周船寺店(福岡市西区)

内科と小児科の診療所の近隣にあるそうごう薬局周船寺店では、予製の種類を増やすことで、待ち時間の大幅な短縮に成功した。
近隣の小児科では、アスベリンドライシロップ2%(一般名チペピジンヒベンズ酸塩)、ムコダインDS50%(カルボシステイン)、ゼスラン小児用細粒0.6%(メキタジン)の3剤がセットでよく処方されるが、疾患によってアスベリンとムコダインの2剤や、小児用ムコソルバンDS1.5%(アンブロキソール塩酸塩)を加えた4剤が処方されることもある。同薬局では、これらの各パターンにつき、7段階の体重別に予製を行っている。ピッキングのミスを防ぐために、分包紙への薬剤名の表記の仕方やフォントサイズを変えている。なお、略称表記は薬局内のみで使用。予製剤のため調剤報酬の計量混合加算は、通常の5分の1に当たる9点を算定している。

多規格薬剤は「斜め配置」で効率化&調剤ミス防止 /アップル調剤薬局大津店(熊本県大津町)

アップル調剤薬局大津店では、複数の規格がある同成分の薬剤が斜めに並ぶよう、調剤棚の配列を工夫している。「上下、左右に並べる方法も試してみたが、ピッキングの効率が良く、かつ取り間違いが最も少なかったのは斜め配置だった」と、同薬局の山本雄一郎氏は話す。

薬歴の目印で一目で注意喚起 /アップル調剤薬局大津店

処方鑑査を行う際、薬歴を読み返す作業には時間が掛かってしまう。手書きの薬歴を用いるアップル調剤薬局大津店では、心臓、腎臓、肝臓の機能障害がある患者には、それぞれ「心」「腎」「肝」と大きく印字したシールを薬歴ファイルの表紙に貼っている。それにより、病態に応じた用量調節を要する薬剤が処方された場合、薬歴をじっくり読み込まなくてもすぐに分かり、漏れなく対応できる。

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