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日薬120周年記念学術大会が大阪で開催 ほか
日経DI2013年10月号

2013/10/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年10月号 No.192

日薬120周年記念学術大会が大阪で開催
全国から1万5000人が参加、10学会との共催シンポジウムも盛況

 9月22、23日、第46回日本薬剤師会学術大会が大阪市で開催された。実行委員長は、大阪府薬剤師会会長の藤垣哲彦氏が務めた。

 今年は日薬創立120周年の節目に当たる。日薬会長の児玉孝氏は22日の開会式で、「明治26年に本会が創立されて以来、現在までの120年間は、激動の時代だった。だが、医薬分業の推進をはじめ薬剤師の職能確立が進んだ結果、薬剤師は薬剤師らしい仕事ができるようになった」と振り返った。その上で児玉氏は、「薬剤師の新たな使命~120年の歴史を踏まえて~」という今大会のテーマに触れ、「少子高齢化が進む中、地域における健康づくりを進めていくことが薬剤師に期待されている。原点に立ち返り、現代の薬剤師が未来の薬剤師のために、新たな使命を持って前進すべきだ」と力を込めた。

 開会式には、田村憲久厚生労働大臣も出席。田村氏は祝辞の中で、「薬局・薬剤師には地域の医療の拠点としての役割が期待されている。今後も質の高い、安全で安心な医療の提供に協力していただきたい」と呼び掛けた。

23日には、日薬大会初の試みとして、10学会(日本薬学会、日本アプライド・セラピューティクス学会、日本社会薬学会、日本腎臓病薬物療法学会、日本医療薬学会、日本医薬品情報学会、日本緩和医療薬学会、日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会、日本TDM学会、日本くすりと糖尿病学会)との共催シンポジウムも開かれた。

 今大会には、1万5135人が参加。昨年浜松市で開催された第45回大会(7437人)の2倍に上った。


第1類医薬品の販売記録を義務化へ
OTC薬ネット販売の解禁に向け、販売ルールが見直し

 厚生労働省は9月20日に開催した「一般用医薬品の販売ルール策定作業グループ」の第4回会合において、一般用医薬品(OTC薬)の第1類を販売する全ての薬局・薬店に対し、販売記録の作成・保存を義務付ける方針を示した。店頭やインターネットなどの形態にかかわらず、第1類医薬品を販売した場合は、商品名と販売日時、情報提供を行った薬剤師の氏名を記録する。

 加えて、「薬剤師の説明を聞いて理解した」という購入者の承諾についても、何らかの形で記録に残すことを義務付ける。ただし、個人情報保護や実効性などの観点から、購入者の氏名や連絡先の記録は、努力義務にとどめる見通し。

 同日の会合では、ネット販売を含むOTC薬の新たな販売ルールが大筋でまとまった。ネット販売を行う薬局・薬店に対しては、原則として実店舗を週30時間以上、深夜以外の時間帯に週15時間以上、開店するよう求める。また、ネット販売では注文受け付けから受診勧奨の有無の判断、梱包・発送までの流れが外から見えにくいため、テレビ電話を設置するなど、行政が薬事監視を行えるような仕組みを設けることも義務付ける。

 厚労省は内閣法制局と協議の上、新たなルールを盛り込んだ薬事法改正案を、10月召集の臨時国会に提出する考え。


リアップX5は第1類継続
掻痒感や発疹のほか
血圧上昇にも注意

 厚生労働省が9月12日に開催した第4回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会において、リアップX5が引き続き第1類医薬品に指定されることが決まった。

 リアップX5はミノキシジルを5%含有する製剤で、2009年に製造販売承認を取得。4年間の再審査期間に、適用部位の掻痒感や発疹のほか、血圧上昇や心不全などの循環器系の有害事象が報告された。ミノキシジル1%製剤も06年の再審査の結果、第1類の指定が継続されている。委員からは、高用量製剤であるリアップX5については、薬剤師による情報提供の徹底を求める意見も上がった。


無菌調剤の届け出薬局が
2年で倍増
在宅患者の応需体制も拡大

 9月4日に開催された中央社会保険医療協議会総会で、調剤報酬における施設基準の届け出薬局数が報告された。2012年7月時点で、無菌製剤処理加算の届け出薬局は435軒に上り、10年7月の216軒に比べ約2倍に増加。在宅患者訪問薬剤管理指導料に関わる届け出を行っている薬局も4万2745軒と、年1000軒を上回るペースで増加していた。

 また、12年改定で備蓄医薬品数の要件が引き上げられた基準調剤加算については、同加算1(700品目以上)を算定する薬局が改定後に約320軒減ったのに対し、同加算2(1000品目以上)の薬局が約840軒増えていたことも分かった。


薬局の健康情報拠点化に2.9億円
厚労省概算要求、OTC薬新販売ルールの運用にも2億円計上

 厚生労働省はこのほど、2014年度予算の概算要求を公表した。薬局を地域における健康情報の拠点とするモデル事業に2.9億円を計上したほか、一般用医薬品(OTC薬)の新たな販売ルールの普及や運用のために2億円を計上した。

 今年6月に閣議決定された日本再興戦略の戦略市場創造プランには、「予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくり」として、「薬局を地域に密着した健康情報の拠点として、OTC薬の適正な使用に関する助言や健康に関する相談・情報提供を行うなど、セルフメディケーション推進のために薬局・薬剤師の活用を促進する」ことが盛り込まれている。

 これを受けて厚労省は14年度予算の概算要求に、薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点化モデル事業のための予算を組み込んだ。47都道府県に協議会を設置し、薬剤師、医師、看護師、介護士などが連携して、地域の実情に合わせたセルフメディケーションや在宅医療の推進事業を実施することを想定している。

 また、OTC薬のネット販売解禁を見据え、新たな販売ルールを適正に運用するための予算として2億円を計上した。この予算には、多量・頻回購入の防止や違法サイトへの監視の強化のほか、OTC薬販売時の情報提供のあり方に関する厚生労働科学研究の費用も含まれる。


薬局でのヒヤリハットは
ヒューマンエラーが最多
PMDAが1400事例を分析

 薬局でのヒヤリ・ハットはヒューマンエラーに起因するものが最多であることが、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の調査で明らかになった。厚生労働省が9月4日に開催した医薬品・医療機器等対策部会で公表された。

 調査では、日本医療機能評価機構のウェブサイト上で実施されている「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」において2012年7~12月に収集された事例を分析。「規格・剤形間違い」「薬剤取り違え」「その他」に関する1429件のうち、「ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例」が980件に上った。


消費税引き上げ分は
調剤基本料に上乗せ
薬価の税額を明細書に記載

 9月25日に開催された中央社会保険医療協議会総会において、消費税率が8%に引き上げられた場合は、調剤報酬改定時に調剤基本料へ上乗せされることが決まった。また、消費税負担が大きいと考えられる個別項目についても、同様に上乗せされる見通し。ただし、これまでの中医協の議論では、医療機関での高額な検査機器を用いた検査料などを想定しており、薬局での調剤報酬の個別点数に上乗せされる可能性は低いとみられる。

 また、薬価に消費税分が上乗せされていることが患者に分かるように、明細書や薬剤情報提供文書に何らかの形で表示することも決まった。


2012年度の調剤医療費は
前年度比1.2%増の6.6兆円
過去5年間で最小の伸び率

 2012年度の調剤医療費の総額は6兆5902億円で、前年度比1.2%増にとどまったことが厚生労働省の調査で分かった。調剤医療費の対前年度比の推移を見ると、08年度は18.7%、09年度は17.1%、10年度は3.9%、11年度は7.9%の伸び率であり、12年度はここ5年間で最も小さな伸び率となった。

 調剤医療費の内訳は、技術料が1兆7020億円(前年度比3.6%増)、薬剤料は4兆8771億円(同0.4%増)、特定保険医療材料料が112億円(同1.0%増)。薬剤料のうち、後発医薬品が4958億円(同18.0%増)で10.2%を占めた。


新薬DIピックアップ
リキスミア皮下注300μg《2013年9月17日発売》
基礎インスリンと併用できるGLP1受容体作動薬

 9月17日、2型糖尿病治療薬のリキシセナチド(商品名リキスミア皮下注300μg)が発売された。

 適応は、「2型糖尿病で、食事・運動療法に加えて次のいずれかの薬剤を使用しても十分な効果が得られない場合に限る。(1)SU薬(ビグアナイド系薬との併用を含む)、(2)持効型インスリンまたは中間型インスリン製剤(SU薬との併用を含む)」。通常成人には1日1回、朝食前1時間以内に20μgを皮下注射する。ただし、胃腸障害の発現を軽減するため、10μgから開始し、1週間以上投与した後15μg、さらに1週間以上投与した後20μgと、段階的に増量する。

 リキシセナチドは、リラグルチド(ビクトーザ)、エキセナチド(バイエッタ、ビデュリオン)、に次ぐ3成分目のグルカゴン様ペプチド1(GLP1)受容体作動薬である。GLP1は、小腸下部のL細胞から分泌される消化管ホルモンであり、膵β細胞でインスリン分泌を促進し、膵α細胞でグルカゴン分泌を抑制する作用を持つ。また中枢では、摂食抑制ホルモンとして作用することが確認されている。

 リキシセナチドは、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)による分解・切断に抵抗性を示すexendin-4に類似した構造を有し、作用の持続化を図っている。また、現時点では国内で唯一、基礎インスリンとの併用が認められたGLP1受容体作動薬であり、朝食前1時間以内であれば基礎インスリンと同じタイミングで投与することが可能である。基礎インスリンと併用した臨床試験では、プラセボ群に比べ、HbA1cおよび食後血糖を有意に低下させることが確認されている。

 国内外の第3相臨床試験における副作用発現率は45.8%(1225/2672例)で、日本人に関しては70.0%(175/250例)だった。日本人の主な副作用は、悪心(35.2%)、低血糖症(16.4%)、食欲不振(12.4%)、嘔吐(10.8%)であり、重大な副作用には低血糖、急性膵炎、アナフィラキシー反応、血管浮腫などがある。

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