DI Onlineのロゴ画像

DIクイズ2(A)
DIクイズ2:(A)MRI検査前に剥がすパッチ剤はどっち?
日経DI2013年9月号

2013/09/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年9月号 No.191

出題と解答 笹川 大介
(はらだ薬局[鹿児島県薩摩川内市])

A1

(2)ニュープロパッチ(一般名ロチゴチン)

 パーキンソン病は、中脳の黒質に局在するドパミン神経が次第に変性・脱落することで、神経伝達物質のドパミンが脳の線条体という部分に運ばれなくなり、線条体においてドパミンが欠乏して起こる疾患である。

 症状として、静止時振戦、筋固縮、無動、姿勢反射障害などの運動症状や、うつ傾向に代表される精神症状のほか、便秘や低血圧などの自律神経症状が生じる。運動症状は、運動調節に重要な役割を担っている線条体の一部である被殻において、ドパミンが欠乏した結果起きると考えられている。

 薬物治療では、Lドパ製剤とドパミン受容体刺激薬(ドパミンアゴニスト)が主として用いられる。パーキンソン病治療薬はここ数年で様々な薬が上市されている。2013年2月に発売されたニュープロパッチ(一般名ロチゴチン)は、パーキンソン病治療薬として初めての貼付薬である。非麦角系構造を有するドパミンアゴニストであり、1日1回の貼付で24時間安定した血中濃度を維持できる。

 パーキンソン病の治療においては、同病による神経変性で嚥下障害を来した患者は薬の内服が難しいこと、また薬の内服によりドパミン受容体が間歇的に刺激されることで不随意運動が発現し得ることから、貼付薬で、なおかつ血中濃度を一定に保つことができる薬が望まれていた。同薬は貼付薬のため薬の使用状況が視覚的に確認できる、副作用が発現した場合に剥がすことができるなどのメリットもある。

 副作用として、貼付部位反応や悪心、傾眠などが報告されている。前兆のない突発的傾眠にも注意が必要である。

 さて、パーキンソン病は画像検査では異常が確認できないことが多いため、パーキンソン病の診断においてMRIは必須ではない。脳の黒質細胞は微小で、MRIで見ても細胞の破壊が確認できないからである。

 しかしながら、パーキンソン病の診断にMRI検査が行われることは少なくない。これは、パーキンソン病と同様の症状を呈する脳血管性のパーキンソニズムや線条体黒質変性症、進行性核上性麻痺など、MRIで診断が可能な病気との鑑別を行うためである。

 MRIは磁気の力を利用する。そのため、金属製の医療用具を体内に留置している患者は、検査を受けられないケースがある。具体例には、心臓ペースメーカー、骨折部位固定用のボルト、チタン製以外の脳動脈瘤クリップなどである。

 金属を含有する貼付薬も、検査前に剥がさなければならない。貼付したままMRI検査を受けると貼付部位にやけどを引き起こす恐れがある。

 ニュープロパッチには、貼付した表側に当たる支持体にアルミニウムが含まれるため、検査前に剥がす必要がある。狭心症治療薬のニトロダームTTS(ニトログリセリン経皮吸収型製剤)や、禁煙治療薬のニコチネルTTS(経皮吸収ニコチン製剤)も支持体にアルミニウムが含まれるため、同様の注意が必要である。

 一方、リバスタッチパッチ(一般名リバスチグミン)に関しては金属性物質を含まないため貼付したままMRI検査を受けることが可能である。そのほか、イクセロンパッチ(リバスチグミン)やホクナリンテープ(ツロブテロール)、フランドルテープ(硝酸イソソルビド)なども問題がないとされている。従って、Gさんの息子には、検査前にニュープロパッチを剥がすよう説明する必要がある。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 今日からお使いいただくニュープロパッチは、お薬のシールの表面に金属が含まれるので、お薬を貼ったままMRI検査を受けると、貼った部分がやけどする恐れがあります。ですので、検査前に剥がすようにしてください。

 以前からご使用になっているリバスタッチパッチは、金属を含まないので、貼ったままで検査を受けていただいて大丈夫です。

 ニュープロパッチは、リバスタッチパッチと同じように、1日1回貼り替えて使用するお薬です。副作用として胃がムカムカしたり、眠くなったりすることがあるので、何かありましたら先生もしくは私ども薬剤師にご相談くださいね。

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ