DI Onlineのロゴ画像

TOPICS
新薬12成分25品目が薬価収載 ほか
日経DI2013年9月号

2013/09/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年9月号 No.191

新薬12成分25品目が薬価収載
β1遮断薬のテープ剤やフェンタニルクエン酸塩の経口薬などが登場

 厚生労働省は8月27日、新薬12成分25品目を薬価収載した(表)。

 内用薬は6成分18品目。抗てんかん薬のイーケプラドライシロップ50%(一般名レベチラセタム)やフェンタニルクエン酸塩の経口薬などが収載された。イーケプラドライシロップ50%は、小児を対象に国内で第3相臨床試験が実施され、小児の用法・用量が明示的に含まれていることや、日本独自の剤形としてドライシロップ剤が開発されたことから、小児加算(10%)の対象となった。

 外用薬は、β1遮断薬の貼付薬ビソノテープ(一般名ビソプロロール)が収載された(この記事の最後、新薬DIピックアップ参照)。

表 8月27日に薬価収載された新医薬品(主な内用薬、外用薬のみ)

画像のタップで拡大表示

社会保障制度改革国民会議が報告書
負担の公平性求め、高齢者の自己負担増など具体策を提言

 2012年8月に成立した社会保障制度改革推進法に基づき、医療、介護、年金の各制度と少子化対策のあり方を議論してきた社会保障制度改革国民会議が8月5日、最終報告書をまとめた。

 報告書は、改革の全体像(総論)と社会保障4分野(年金、医療、介護、子育て)の改革方針からなる。医療改革については、今のシステムでは問題を克服するのは難しいとし、提供体制の構造的な改革を求めた。具体的には、急性期医療を中心に人的・物的資源を集中投入し、早期の家庭・社会復帰を実現する一方で、地域の病床や在宅医療・介護など、受け皿の充実の必要性を訴えた。

 医療保険財政基盤の安定化に関しては、今後、年金給付費の対国内総生産(GDP)比が低下するのに対し、医療給付費は増加すると予測されることから、能力に応じた負担や負担の公平性が強く求められるとした。具体策として、70~74歳の高齢者の医療費自己負担の1割から2割への引き上げ、15年度からの後期高齢者支援金負担に対する被用者保険の保険者間の総報酬割の導入、協会けんぽと健保組合、共済組合の保険料負担の平準化などを提示した。

 政府は報告書を基に改革手順を示した法案作りについて議論し、骨子を閣議決定して秋の臨時国会に提出する方針。


「規模の経済により調剤薬局が高利潤化している可能性」日医総研が指摘

 日本医師会総合政策研究機構は7月30日、「院外処方の評価に関する研究」と題したワーキングペーパーを公表した。

 同ワーキングペーパーは、医薬分業政策の歴史的経緯と院外処方を取り巻く環境を整理し、医療機関と調剤薬局における調剤に関する技術評価の相違と変遷を整理した。考察として、規模の経済により調剤薬局が高利潤化している可能性を指摘し、「調剤報酬が過去の状況を引きずりながら高く保たれているのであれば、それは低くされるべき」とした。

 また、地域で必要な薬局の確保については、「医療計画を通じて対策を立て対応することが望ましい」とした。


医薬品安全性情報は「MRから」が最多
PMDAが薬局における安全性情報の入手方法を調査

 薬剤師は、添付文書の「使用上の注意の改訂」などの医薬品安全性情報を、製薬企業の医薬情報担当者(MR)やダイレクトメールから得る割合が高いことが、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が8月7日に公表した報告書で明らかになった。調査対象は、全国の保険薬局の約半数の2万6915施設。調査期間は、13年1~2月。回答率は64.6%だった。

 調査では、応需処方箋枚数が多い大規模な薬局ほど、PMDAのホームページの閲覧頻度や医薬品安全性情報をメール配信するPMDAのサービス「PMDAメディナビ」への登録状況が高かった。

 一方、小規模の薬局ほど、安全性情報の入手・伝達に電子メールを使用しておらず、処方箋枚数が299枚以下の薬局では42.1%、300~999枚の薬局でも29.6%が電子メールを使用していなかった。

 日常的に活用している安全性情報の入手源は、「製薬企業の医薬情報担当者(MR)」(58.8%)が最も多く、次いで「製薬企業のダイレクトメール」(56.1%)、「医薬品卸販売担当者(MS)」(38.4%)だった。厚労省が発行する「医薬品・医療機器安全性情報」は27.5%、日本製薬団体連合会が発行するDSU(Drug Safety Update)は29.6%、「PMDAのホームページ」は14.0%だった。


ヤーズ配合錠についてバイエル薬品が注意喚起、関連が疑われる死亡症例

 バイエル薬品は8月7日、月経困難症治療薬のヤーズ配合錠(一般名ドロスピレノン・エチニルエストラジオール)について、関連が疑われる血栓塞栓症による国内初の死亡症例が報告されたことから、同薬を適正使用するよう改めて注意喚起を行った。死亡例は20代の女性。月経困難症、ざ瘡、不規則月経があり、病院で同薬が処方され、13日後に死亡した。

 製造販売元のバイエル薬品は、(1)下肢の疼痛や浮腫、(2)突然の息切れ、胸痛、(3)激しい頭痛、急性視力障害─などを認めた場合は、同薬の使用を直ちに中止し、医師に相談するよう患者に指導することを、医療従事者に求めた。


OTC薬ネット販売、厚労省がルール作りの議論開始、薬事法改正案提出視野に

 8月15日、厚労省の「一般用医薬品の販売ルール策定作業グループ」の第1回の会合が開催された。会合は、安倍政権の成長戦略「日本再興戦略」に一般用医薬品(OTC薬)のインターネット販売の解禁が盛り込まれたことを受けたもの。今年2月から11回にわたって開かれた「一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会」が6月に公表した「これまでの議論のとりまとめ」の合意事項に基づき、OTC薬販売の具体的なルールの策定を目指す。

 9月中にも報告書をまとめ、秋の臨時国会に薬事法改正案を提出する方向で議論を進める見通し。


ディオバン問題で検討会発足、臨床研究の信頼性や透明性を確保する方策を議論

 降圧薬バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験データが人為的に操作されていた問題で、「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」の第1回委員会が8月9日に開催された。

 第1回委員会は、主に関係大学からの報告による現状把握を行った。今後は(1)臨床研究の信頼性、質の確保のための方策、(2)大学などの研究機関と製薬企業の間の透明性を確保するための方策、(3)ノバルティス社が誤ったデータに基づいてバルサルタンに関する広告などの販売促進活動を行ったこと、それにより得た売上額についてどう考えるべきか─などについて議論を進めていく。


鍵としてFeliCaカードを使う電子お薬手帳の試験を開始、今秋から川崎市全域で

 ソニーは8月19日、非接触ICカード技術「FeliCa」を利用した電子お薬手帳の試験サービスを、今秋から川崎市全域で行うことを明らかにした。お薬手帳の情報から患者氏名など個人を特定できる情報を切り離した調剤情報を同社が管理するクラウド上のサーバーに保存し、患者に発行したFeliCaカードを鍵として使用すると、薬局内のタブレット端末で個人の情報と調剤情報が閲覧できる。患者はスマートフォンに専用アプリをダウンロードすれば、調剤履歴を閲覧できる。

 同システムは11年11月から川崎市宮前区の20薬局と4医療機関に提供、実証試験を行っていた。


新薬DIピックアップ
ビソノテープ4mg、8mg《2013年8月27日薬価収載》
世界初のβ1遮断薬のテープ剤

 2013年8月27日、降圧薬ビソプロロールのテープ剤(商品名ビソノテープ4mg、8mg)が薬価収載された。適応は「本態性高血圧症(軽症~中等症)」。用法・用量は、「通常、成人にはビソプロロールとして8mgを1日1回、胸部、上腕部または背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼り替える。年齢、症状により1日1回4mgより開始し、1日最大投与量は8mg」である。

 ビソプロロールは、内因性交感神経刺激作用(ISA)を有さない選択的β1遮断薬であり、既にフマル酸塩として経口製剤(商品名メインテート他)が国内外で広く使われている。『高血圧治療ガイドライン2009』(日本高血圧学会)では、Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、β遮断薬といった降圧薬を、患者の病態や合併症に応じて使い分けることが推奨されている。β遮断薬については、交感神経活性の亢進を認める若年者の高血圧症、労作性狭心症、心筋梗塞後、頻脈合併例などに積極的な適応がある。

 今回承認されたビソノテープは、世界初となるβ1遮断薬の経皮吸収型製剤であり、嚥下困難などにより経口投与が不可能な患者にも使用できるほか、経口製剤からの切り替えにより服薬コンプライアンスの向上も期待できる。国内の臨床試験では、本態性高血圧症(I度・II度;投与直前の坐位拡張期血圧が95~109mmHg)の患者において、安定した血中薬物濃度が持続され、24時間の血圧コントロールが可能となることが報告されている。

 承認時までの副作用発現率は29.5%(233/789例)だった。主な副作用は、適用部位掻痒感(7.1%)、適用部位皮膚炎(3.7%)、適用部位紅斑(2.2%)などであり、重大な副作用としては、心不全、完全房室ブロック、高度徐脈、洞不全症候群に注意が必要である。患者には、皮膚症状などの副作用を軽減する観点から、貼付部位を毎回変更するよう指導する必要がある。

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ