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薬局なんでも相談室2
相談室2:臨時休業した場合の給与
日経DI2013年9月号

2013/09/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年9月号 No.191

 雇用契約とは、労務の提供に対して賃金を支払うものですので、労務の提供がなければ雇用側は賃金を支払う必要がないという「ノーワーク・ノーペイ」が原則です。しかし、この原則をあらゆる場面に適用すると、会社の都合で労働時間が制限された場合、従業員は賃金を得ることができない事態に陥ります。

 就業規則で天災などの非常時における労働時間、賃金について定められていれば、その内容に従うことが前提ですが、これらが定められていない場合、賃金を受け取れないのでしょうか。

 労働基準法第26条では、会社の都合によって従業員を休ませた場合、平均賃金の60%以上の手当を支払わなければならないと定めています。法律上、会社の都合のことを「使用者の責に帰すべき事由」と呼ぶのですが、(1)発生原因が外部要因であり、(2)会社が最大限の注意を尽くしても避けられない(不可避)─といった2点を満たしている場合は、休業はやむを得ないとして、使用者の責に帰すべき事由に該当しないとしています。

 台風のような自然災害で、この2点を満たしている場合は「使用者の責に帰すべき事由」によるものではないとされています。また、営業が可能でも、交通手段が断絶し、物流網が途絶えたり、来客が見込めないなどの場合は、必ずしも「使用者の責に帰すべき事由」には当たらないとされるようです。実際はケースごとの事情を総合的に勘案して判断することになります。

 ご相談には、暴風雨によって帰宅困難になる従業員を心配したための臨時休業とありますので、「台風が接近していても営業は可能であった。だが、会社の都合で営業時間を短縮した」と推察します。この場合は「使用者の責に帰すべき事由」に該当すると考えられますので、原則として休業した分の給与(正確には平均賃金の60%以上の手当)を受け取ることができると思います。

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