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薬局なんでも相談室1
相談室1:化粧品で白斑になったとの相談を受けたら
日経DI2013年9月号

2013/09/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年9月号 No.191

 7月4日、医薬部外有効成分ロドデノールを配合した化粧品を、カネボウ化粧品が自主回収するとの発表がありました。ロドデノールとは4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノールの別称です。その詳細なメカニズムは不明ですが、チロシンが結合するべきチロシナーゼの活性中心にロドデノールが結合し、メラニン合成反応の進行を抑えると考えられています。また、2種類のチロシナーゼ関連蛋白の働きも抑制し、メラニン合成を阻害するといわれています。

 ロドデノールを含有する化粧品を使い始めてから数カ月ないしは数年たって、使用した部位に様々な症状が現れたとの報告がメーカーに寄せられました。顔や首、手、腕など頻繁に化粧品が触れる部分に症状が現れやすいことが分かっています。

 典型的な例では、化粧品を使用した部位の皮膚の色が薄くなり、症状が進行すると、白斑になります。半数の方に痒みや赤み(いわゆるかぶれ)が伴いますが、かぶれが起きないまま白斑になる方もいます。

 また、かぶれだけで白斑にならないケースや、かぶれの後に皮膚が黒くなった方もいます。症状の重症度は、化粧水に乳液、美容液といった具合に、同時期に使用していた化粧品の数と相関があるといわれています。前述のように、ロドデノールはチロシンを拮抗阻害しますので、ロドデノールの相対的な濃度によって作用が現れると考えられます。

 一方、日本皮膚科学会はロドデノールによる皮膚疾患の病態について、(1)アレルギー性接触皮膚炎、(2)光アレルギー性接触皮膚炎、(3)これらによる炎症後の脱色素斑、(4)これらによる白斑黒皮症、(5)ロドデノールの作用による脱色素斑─の5つの機序が考えられるとまとめています。難治性といわれている尋常性白斑への移行について、現段階では否定も肯定もできないとしています。

治療に難渋するケースも

 さて、ご相談のように今回のトラブルについて相談を受けた場合は、まず化粧品の使用を中止して、速やかに皮膚科専門医を受診するよう勧めてください。その際、「使用を中止すれば治ります」と断言してはいけません。前述のように症状が多岐にわたるため、治療に難渋するケースも少なくないと考えられるからです。

 また、使用した化粧品の銘柄と使用期間、症状が発現した時期や様子、これまでにかかった病気や服薬状況について分かる範囲で受診するまでに書き留めていただくようお願いしてください。

 もしかしたら、前述の症状を治すために一般用医薬品(OTC薬)を買いにくる方もいらっしゃるかもしれません。繰り返しますが、今回の白斑が起こるメカニズムはまだ不明な点が多く、病態も多岐にわたります。自己判断による薬の使用はかえって悪化させる可能性がある旨、注意を促してください。

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