DI Onlineのロゴ画像

DIクイズ3(A)
DIクイズ3:(A)アマリール錠を指でつまめない高齢患者
日経DI2013年8月号

2013/08/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年8月号 No.190

出題と解答 山本 雄一郎
(アップル薬局[熊本市中央区])

A1

(3)グリメピリド錠0.5mg「三和」

 一般に、錠剤はサイズが大きいほど指でつまみやすくなる半面、飲み込みにくくなる。つまみやすさ(ハンドリング)と飲み込みやすさの両面で最も服用しやすい錠剤のサイズは、直径7~8mmといわれている。ただし、関節リウマチやパーキンソン病などの運動器疾患を持つ患者や、身体機能が低下した高齢者にとっては、このサイズでも扱いにくいことがある。

 今回のケースでは、85歳のMさんが、サイズの小さい1剤を指でうまくつまめないことが問題となっている。実際、Mさんに処方されている薬剤のサイズを調べてみると、アマリール0.5mg錠(一般名グリメピリド)の直径が一段と小さいことが分かる(表)。

表 Mさんに処方されている錠剤のサイズ

 錠剤のハンドリングに関わる服薬上の問題を解決するために、まず考慮するのは、口腔内崩壊錠(OD錠)への変更だろう。OD錠は水分が浸透しやすいように多孔性に作られており、同成分・同規格の普通錠に比べてサイズが大きいことが多い。一方で、口腔内で速やかに形状が消失するため、OD錠自体のサイズは服用の可否に影響を与えにくいと考えられる。実際、86人の高齢者(平均年齢78.7歳)を対象に、服用しやすいOD錠の大きさを検討した研究の結果、84人が直径15mmのOD錠を問題なく服用できたとの報告もある1)

 しかし、グリメピリド0.5mgのOD錠に関しては、先発品のアマリールOD錠0.5mg(商品名)は直径4.5mmと、普通錠と変わらない。また、他のOD錠の後発品についても直径(長径)5.0~6.2mmであり、ハンドリングに十分な大きさであるとはいえない。

 そこで、グリメピリド0.5mgの普通錠の後発品について検討してみると、三和化学研究所が製造・販売するグリメピリド錠0.5mg「三和」のみ、長径10.0×短径5.0×厚さ3.6mmの楕円形である。その他の普通錠の後発品は、いずれも直径4.5~6.0mmである。

 従って、嚥下機能に問題はないが、アマリールがつまみにくいというMさんに対しては、アマリール0.5mg錠からグリメピリド錠0.5mg「三和」への変更を提案するといいだろう。同品目は濃紅色であるため、識別しやすい利点もある。

 ただし、かぜや胃腸炎などのシックデイのときや、食事量が著しく減少した際は、糖尿病治療薬を自己判断で減量するのではなく、対処法についてあらかじめ主治医と相談しておくか、随時受診するよう指導すべきである。

 この変更において、後期高齢者であるMさんの自己負担額は28日分で7円しか減らないが、後発品の重要な選択基準の一つとして、薬のサイズがあることを覚えておくようにしたい。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 お父様が服用しているお薬のうち、血糖値を下げるアマリールというお薬は特に粒が小さいので、つまむのに苦労されているのだと思います。そのアマリールと成分が同じジェネリック医薬品の中に、サイズの大きいものがあります。楕円形で赤い色が付いていて、他のお薬との区別も付きやすいと思いますので、こちらのジェネリックをご用意いたします。お薬代の負担は、わずかですが少なくなりますので、ご安心ください。

 夏場は食欲が落ちる方もいらっしゃいますが、お父様はいかがでしょうか。食事を取らずに血糖値を下げるお薬を飲むと、血糖値が下がり過ぎる恐れがあります。もし、夏ばてや胃腸かぜなどで、食事の量がいつもより大幅に減るようでしたら、先生か私どもにご相談ください。

参考文献
1)倉田なおみ他 医療薬学 2010;36(6):397-405.

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ