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病院と同一建物内の薬局設置認める逆転判決 ほか
日経DI2013年8月号

2013/08/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年8月号 No.190

病院と同一建物内の薬局設置認める逆転判決
東京高裁、国は上告せず判決確定

 病院が入った建物の一部に開設する薬局の保険指定を認めないのは健康保険法に違反するとして、開設元の薬局チェーンが国を訴えていた裁判で、東京高裁は2013年6月26日、薬局チェーン側の訴えを認め、国に対して保険薬局の指定を行うよう命じる判決を下した。国は上告せず、判決は確定している。

 この裁判は、福島県を中心に約70店舗の薬局を展開しているアポロメディカルホールディングス(東京都豊島区)が起こしたもの。同社は12年11月1日に東京地裁で敗訴し、控訴していた。

 問題の建物は、福島県郡山駅前にあるフロンティアタワー郡山という地上24階建ての複合施設。地下1階から11階まで寿泉堂綜合病院(一般305床)が入り、他のフロアは主に分譲マンションが占める。同社は02年からこの区画の一部土地を所有しており、06年に決定した郡山市による再開発計画に協力するとともに薬局の開設を計画した。しかし、薬局入り口が病院入り口の隣に並び、かつ公道との間にビル敷地を挟む設計になっており、東北厚生局は薬局が公道(またはそれに準ずるもの)に面していないとして薬局の保険指定を認めなかった。

 国は、薬局の保険指定の条件として、(1)経営的な独立性、(2)構造的な独立性─を、保険薬局および保険薬剤師療養担当規則(療担規則)2条の3第1項1号の規定により求めている。しかし高裁は判決で、構造的な独立性について「医薬分業の目的達成という見地からすると、より間接的な要件といえるから、当該事案において、経営上の独立性が十分に確保されている場合には、構造上の独立性に関する規定は緩やかに解するのが相当である」との解釈を示した。

 その上で、この薬局と病院に関しては「建物内で相互に通行し合える状況にはなく、それぞれの出入り口から出入りする構造となっている」ため構造上の独立性を備えていると判断。また、薬局出入り口と公道の間の敷地について、一部に公園が整備され、不特定多数の人が利用できるようになっていることなどから、「本件薬局は病院と敷地が同一ではあるものの、薬局の出入り口は公道に準ずる道路に面していると評価するのが相当である」として、国の判断の違法性を認めた。


DS業界団体が薬ネット販売GLを作成
「適合店」一覧を協会ウェブサイトで公開

 日本チェーンドラッグストア協会は7月16日、一般用医薬品(OTC薬)のネット販売に関する自主ガイドラインを同協会のウェブサイト(http://www.jacds.gr.jp)で公開した。名称は、「業界自主基準『医薬品ネット販売ガイドライン』」。暫定版であり、国の新たなルールが策定・施行された時点で破棄するとした。

 ガイドラインに示されたネット販売の基準は、27項目にわたる。具体的には、「(基準5)ネット販売により送付する医薬品は、基本的に、当該店舗に貯蔵し、または陳列している医薬品であること」「(基準7)販売サイトにおける一般用医薬品の表示は他の物品と区別し、かつ第1類医薬品、指定第2類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品の分類を表示すること」といった法令遵守のための基準や、「(基準10)販売および授与に関する情報交換は、サイト画面での処理および電子メールでも可能だが、双方向で意思疎通ができる電話による問い合わせができる体制を整備しておくこと」といった販売体制に関する基準など。そのほか安全性の確保や責任の明確化、購入者のサポート体制に関する基準なども盛り込まれた。

 ガイドラインに示した基準を全て満たす会員企業・店舗は、同協会の「適合店マーク」を販売ウェブサイトの画面上に貼付できることとした。適合店マークを貼付した企業・店舗名のリストは、随時、同協会のウェブサイト上に掲載される。


第1類医薬品の販売時に
「文書で説明」は6割
厚労省の覆面調査で

 一般用医薬品(OTC薬)の第1類医薬品の販売時に、文書を使って詳細な説明を行っていた薬局・薬店は60.7%であることが、7月26日に発表された厚生労働省の2012年度一般用医薬品販売制度定着状況調査で明らかになった。文書の手渡しのみは2.0%、口頭説明のみは32.4%、説明が全くなかったのは4.9%だった。11年度調査では、それぞれ55.2%、1.3%、38.6%、4.9%だった。薬剤師が情報を提供していたのは88.4%で、登録販売者が行っていた店舗も5.0%あった。

 調査期間は13年1~2月。消費者を装った調査員が全国6538軒の薬局・薬店を訪問し、販売状況などを調べた。


店頭HbA1c測定で3割に受診勧奨
自己穿刺による測定、希望者2500人の調査結果

 薬局店頭で来店者のHbA1cを測定すると、糖尿病が強く疑われる人および糖尿病予備軍の疑いがある人が、合わせて3割近く発見できるという調査結果を、筑波大学と20カ所の薬局が共同で実施している「糖尿病診断アクセス革命」プロジェクトが7月16日に公表した。薬局店頭での検査および疾患スクリーニングの有用性を示すものといえそうだ。

 このプロジェクトは糖尿病の早期発見と受診勧奨につなげる社会実験で、実験の内容は、指先の自己穿刺で採取する微量(1μL)の血液からHbA1cを測定できる機器を薬局店頭に設置し、糖尿病治療中以外の希望者に同意を得て検査を実施するというもの。検査値が高値を示した場合には連携する医療機関への受診勧奨を行う。参加薬局は東京都足立区および徳島県の薬局それぞれ10カ所。

 2010年10月~13年6月にかけて検査を受けたのは2514人で、そのうち糖尿病が強く疑われた人(HbA1c 6.5%以上)は約12%、糖尿病予備軍と疑われた人(同6.0~6.4%)が約16%となった(いずれもNGSP値)。これらの人たちに対しては、それぞれの薬局で医療機関への受診勧奨が行われた。また、全体の43%は定期的な健康診断を受けておらず、健診など未受診患者の疾患スクリーニングなどに役立つ可能性が示された。


配合剤後発品の商品名統一へ
日本ジェネリック医薬品学会が主導で

 日本ジェネリック医薬品学会は7月7日、今後相次いで発売される「配合剤後発品」の商品名乱立を避けるため、配合剤ごとに後発品の統一商品名を決定する「ジェネリック配合剤商標プロジェクト」を発足したことを発表した。

 同一成分を含有する後発品配合剤が別個の商品名を付けると現場での取り違えリスクなどが高まる恐れがある。学会が主導で統一名を決め、製薬会社に利用を呼びかけることで、こうした懸念を解消する方針。なお、後発品の商品名は現在、医療安全の観点から厚生労働省の主導により「一般名+剤形+成分量+屋号」という形式への切り替えが進められている。


「かかりつけ薬局」で残薬が1万円減
患者自己負担額は1300円削減との試算

 薬局での残薬・重複薬チェックによって薬剤料を5400円、患者自己負担額を1300円ほど削減でき、またかかりつけ薬局があると残薬総額が1万円以上減らせることが、明治薬科大学教授の赤沢学氏らの研究グループと茨城県薬剤師会土浦支部・石岡支部の共同研究で示された。赤沢氏が7月4日に発表した。

 調査は、12年4~9月にかけて茨城県の17薬局の協力により、110人の患者(男性58人、女性52人、年齢64.5±16.7歳)を対象に聞き取りで行われ、102人の患者から回答が得られた。残薬総量の平均値は139.2±204.0錠(液剤や外用剤も含む)、中央値は71錠だった。薬価を乗じて求めた1人当たりの残薬金額の中央値は2353円、最大値は乳癌患者の11万6000円だった。

 薬剤師の残薬・重複投与のチェックによって、薬剤費はチェック前に中央値1万9980円だったのが、チェック後には1万4580円と、5400円削減されていた。自己負担額も、チェック前は中央値3720円だったが、チェック後には2400円となり、1320円少なくなっていた。

 このほか、かかりつけ薬局がある患者の残薬の総額は2324円であったのに対し、ない患者では1万4212円と、かかりつけ薬局がある場合、残薬の総額が1万円以上少ないとの結果になった。


ディオバン問題で
厚労相直轄の検討委設置へ
再発防止策など検討

 降圧薬バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験データが人為的に操作されていたことが判明した問題を受けて、田村憲久厚生労働大臣は7月23日、8月中の早い段階で検討委員会を設置することを発表した。委員会は10人強で構成され、販売元のノバルティスや臨床試験に関わった京都府立医科大学などの協力を得ながら、数回の議論を経て報告を取りまとめる方針。ただし、データの操作に関与したとされる同社元社員が調査に応じておらず、厚労省に強制的な調査権限がないため、問題の原因究明には限界があるとみられ、再発防止を視野に入れた議論が中心になる見込み。


エピペンの使用基準が決定
ショックを疑う症状が1つでもあれば使用

 日本小児アレルギー学会のアナフィラキシーワーキンググループは7月24日、「一般向けエピペンの適応」を発表した。エピペン(一般名アドレナリン)が処方されている患者でアナフィラキシーショックが疑われる場合、表1に列挙された症状が1つでもあれば、エピペンを使用すべきとしている。

 学会は、患者や保護者への説明や、保育所・幼稚園・学校などのアナフィラキシー対応のガイドラインやマニュアルは、全てこれに準拠することを求めている。また、医師はエピペン処方時に、この基準をきちんと患者・家族に説明することが必要で、薬局でもこの基準に沿った服薬指導が要求されることになる。

表1 エピペン使用の判断基準となる症状の一覧(1つでも該当すれば使用)

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認知症BPSDへの抗精神病薬
かかりつけ医向け使用GLを
厚労省が公表

 厚労省は7月12日、「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」を同省のウェブサイトで公表した。認知症非専門のかかりつけ医(プライマリケア医)を対象に、認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)に対する薬物療法の進め方を実践的に示したもの。

 ガイドラインではBPSDへの対応の原則として、第一選択を非薬物的介入としている。BPSDに対する抗精神病薬の使用は保険適応外であり、基本的に使用しない姿勢が必要とした。BPSDに対する安易な抗精神病薬の処方が非専門医によってなされており、薬剤師による疑義照会や処方提案の必要性が高まっている。


新薬DIピックアップ
ネオキシテ─プ《2013年6月27日発売》
OAB治療薬で初のテープ剤、副作用軽減効果に期待

 6月27日、経皮吸収型製剤の過活動膀胱(OAB)治療薬であるネオキシテ─プ73.5mg(一般名オキシブチニン塩酸塩)が発売された。OAB治療薬のテープ剤としては日本で初めての製剤で、適応は「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁」。用法・用量は「1日1回1枚を下腹部、腰部又は大腿部にいずれかに貼付し、24時間毎に貼り替える」となっている。

 OABの治療は薬物治療が中心で、中でもムスカリン受容体拮抗薬が、OABにおける尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁に対する第一選択薬とされる。ムスカリン受容体拮抗薬であるオキシブチニンは1988年5月にポラキスの商品名で錠剤として発売され、OABへの有用性が認められている。オキシブチニンはムスカリンM3およびM4受容体を阻害し、膀胱平滑筋の不随意収縮を抑制することで排尿筋の過活動を改善する。一方で、薬剤使用により抗ムスカリン作用に起因する副作用(口内乾燥、便秘、霧視など)も多いことが、OAB患者の服用コンプライアンスの低下を招くといった問題もあった。

 この点、ネオキシテープは経口薬と異なり、急激な血中濃度の上昇が抑制され、抗ムスカリン性の副作用発現が軽減できることが認められている。また、抗ムスカリン性の副作用の原因とされるオキシブチニンの代謝物(N-desethyloxybutynin:DEO)についても、経皮吸収型製剤では初回通過効果を回避することから産生が抑制され、副作用が低減すると期待されている。

 承認までの臨床試験結果では副作用(臨床検査値異常を含む)が63.6%認められた。主な副作用は、適用部位皮膚炎(46.6%)、口内乾燥(8.4%)、適用部位紅斑(4.5%)などであった。重大な副作用としては、血小板減少、麻痺性イレウス、尿閉などが報告されている。また、貼付による皮膚刺激を軽減するために、貼付箇所を毎回変更するよう注意喚起されている点にも留意すべきだろう。

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