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いまさら聞けない栄養の話
自分の体格に合ったエネルギー摂取量を知る
日経DI2013年7月号

2013/07/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年7月号 No.189

太田 篤胤 Atsutane Ohta
城西国際大学薬学部教授
東京農工大学卒業。テルモ、明治製菓を経て、2004年から現職。「オリゴ糖のミネラル吸収促進作用」の研究で、トクホを商品化した経歴を持つ。趣味はフルマラソン。

 新しいダイエット法が次々に出現するのは、痩せたい人がそれだけ多いことの表れだろう。古くはリンゴダイエットのように、特定の食品だけを食べるダイエット法が現れては消えている。

 太る理由は簡単で、摂取し過ぎたエネルギーが脂肪となって体に蓄積するからに他ならない。ダイエット法の多くは何を食べるかに着目しているが、実はそれほど重要ではないのである。

 その根拠となる研究を紹介しよう。米国人424人を対象に、三大栄養素である糖質、脂質、蛋白質の割合が大きく異なる食事を与えて、体重や体脂肪の変化を観察した。その結果、摂取エネルギーを制限すれば減量でき、食事の種類による違いはなかった(参考文献1)。

 結局のところダイエットとは、式(1)に示すエネルギー出納をマイナスにすることに尽きる。

式(1):
エネルギー出納=摂取エネルギー量(kcal)ー 消費エネルギー量(kcal)

 だが、これを実践するのはそれなりに難しいのも事実。まずは体重を目安に、自分がダイエットを必要とする状態かどうかをチェックしよう。式(2)で示す体格指数(Body Mass Index;BMI)の計算式は、知っている人が多いはずだ。

式(2):
体格指数(BMI)=体重(kg)÷{身長(m)}2

 改善すべき肥満とは、体脂肪率が高い状態なので、単純に体重だけでは判断できないが、BMIが25以上だと肥満が疑われる。理想的なBMIは22とされており、式(3)のように、BMI=22から体重を逆算した値が理想体重といえる。例えば、身長が160cm(1.6m)の人であれば、22×(1.6)2≒56.3kgを目標にすればよいだろう。

式(3):
理想体重(kg)=22×{身長 (m) }2

 理想体重が分かったら、次は摂取してよいエネルギー量がどのくらいかの見当を付ける。ダイエットをしようと意気込んで、食品の成分表示を見てエネルギー量の高い食品を避けているにもかかわらず、実際にどのくらいの量を食べてもよいのかのイメージを持っておらず、何となく「このくらいならいいだろう」と食べている人が意外に多い。

 体を積極的に動かさない生活をしている場合、適正な摂取エネルギー量は式(4)で計算できる。

式(4):
適正な摂取エネルギー量(kcal/日)=30(kcal)×理想体重(kg)

 年齢や性別を考慮した、より厳密な計算方法もあるが、実用上はこれで十分だろう。理想体重が50kgの場合なら、1500kcal/日という計算になる。意外かもしれないが、マクドナルドのハンバーガー(1個275kcal)でも、それしか食べなければ1日5個は食べられる計算だ。運動などで体を動かせば、その分、余計に食べられるわけだ。

参考文献
1) Am J Clin Nutr. 2012;95:614-25.

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