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OTCトレンドウォッチ
ジクロテクトPROシリーズ ほか
日経DI2013年7月号

2013/07/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年7月号 No.189

講師 三上 彰貴子
Mikami Akiko
株式会社A.M.C 代表取締役社長、薬剤師
製薬会社勤務後、コンサルティング会社勤務を経て2005年から現職。医療分野のコンサルティングを行う傍ら、一般用医薬品に関する寄稿や講師の活動も行う。

 本稿では、6月に発売されたジクロフェナクナトリウムの外用薬2製品と、足のむくみに対する経口薬を紹介する。

貼り損じのないテープ

 ジクロフェナクナトリウムは、2009年4月に第1類医薬品として承認されたが、13年4月に第2類医薬品に移行した。これに伴い、商品名を変えて発売されたのが、ジクロテクトPROシリーズ(大正製薬)と、ボルタレンEXシリーズ(ノバルティスファーマ)である。

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 ジクロテクトとボルタレンは、ともにテープ、ゲル、ローションの剤形がある。加えて、ジクロテクトにはスポーツの際などに使い勝手の良いスプレーもある。

 これらの剤形で、今回、大きく改良されたのが、テープである。従来から1日1回の貼付で効果が24時間持続するのを売りにしていたが、今回、粘着部に工夫が施された。

 一般に、貼付剤は裏面のプラスチックフィルムを剥がして貼るときに、テープ同士がくっついて、くしゃくしゃになってしまうことがあるが、新製品は貼り付かず、くしゃくしゃになっても元に戻して貼り直すことができる。

 いずれも膏体100g中にジクロフェナクナトリウム1gを含む。メントールも少量含むが、いわゆる湿布特有の臭いがほとんどなく、貼っていることに気づかれにくい。

 効能・効果は、関節痛、肩凝りに伴う肩の痛み、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘など)、筋肉痛、腰痛、打撲、捻挫である。

 医科向けと異なり、1回の用量が、テープ(7×10cm)は1~2枚、テープL(10×14cm)は1枚を超えて使用しないこととされている。

 また、販売時には他の外用消炎鎮痛薬を併用していないかを確認し、併用は避けるように指導する。エノキサシンなどのニューキノロン系の抗菌薬との併用により痙攣を起こす可能性がある。また、15歳未満の小児、妊婦、喘息(特にアスピリン喘息)の患者は、使用できない。

 副作用は、かぶれ、発疹などの皮膚症状が報告されている。重大な副作用として、医科向けのジクロフェナク製剤で12年9月に添付文書アナフィラキシーショックが追加された。これを受けてOTC薬でもアナフィラキシーショックが記載された。

 5~6日以上使用しても改善が見られない場合は、専門的な治療の必要性や、他の疾患の可能性もあるため、受診勧奨をする。

 なお、ジクロフェナクを配合した外用薬には、フェイタスZシリーズ(久光製薬)もあり、8月にも第2類として発売される見通しだ。

足のむくみに第1類の新製品

 一方、足のむくみに対する新製品として、第1類医薬品のアンチスタックス(エスエス製薬)が発売された。赤ブドウ葉から抽出された天然成分を有効成分とし、医療用の承認を経ずに、一般用医薬品(OTC薬)として直接承認されたダイレクトOTCである。

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 赤色のカプセルで、1日1回、2カプセルを朝に服用する。

 効能・効果は、「軽度の静脈還流障害による次の諸症状の改善:足(ふくらはぎ、足首など)のむくみ、むくみに伴う足のだるさ・重さ・疲れ・つっぱり感・痛み」である。

 下肢のむくみは、静脈還流障害により下肢静脈内圧が上昇し、血管外への血漿成分の流出により症状が表れる。これに対し赤ブドウ葉乾燥純エキスは、抗血小板作用による血流改善や抗炎症作用による血管透過性抑制により、むくみの症状を改善する。

 販売時には、足以外の全身性のむくみの有無、足の痛みや出血、色素沈着、高血圧や糖尿病などの基礎疾患を確認し、これらに該当する人は服用できない。また、リンパ液の流れが悪くなる可能性がある乳癌や子宮癌の術後(リンパ節切除)や放射線治療を受けたことがある人も服用できない。そのほか、本成分には抗血小板作用があるため、解熱鎮痛薬や抗血小板薬などの出血傾向の可能性がある薬剤を服用していないことも確認する。

 足の自覚症状がひどい場合や、静脈瘤や皮膚色素沈着、かかとに皮膚潰瘍などが見られる場合は、服用せずに受診するよう伝える。

 服用後、すぐに効果が見られるわけではなく、3週間程度は続けることが望ましいとされる。臨床試験では、3週間の服用で30.9%、12週間の服用で82.7%の中等度以上の改善が見られている。

 副作用は、胃腸障害や蕁麻疹などの皮膚症状などが数%報告されており、症状は服用開始初期に発現していた。

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