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特集:薬局の将来、薬剤師の未来
未来に向かって
日経DI2013年6月号

2013/06/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年6月号 No.188

 今年、『日経ドラッグインフォメーション』は創刊15周年を迎えた。創刊当時、医薬分業率はちょうど3割を超えたところだったが、今や7割近くに達している。約2兆円だった薬局調剤医療費は、2010年度には6兆円を突破し、薬局に従事する薬剤師の数も、当時の約8万人から2010年には約15万人にまで増加した。薬局業界を1つの産業と捉えるなら、低成長を続けている日本でこれだけの成功を収めた産業は珍しいだろう。

 だが、この成長は医薬分業の推進という政策によって作り出された面は否定できない。厚生労働省が調剤報酬に経済的インセンティブのある点数を設定したことが薬局の新設を促し、薬剤師の雇用を生み出した。薬局経営においては、処方箋をより多く応需し、より効率的に調剤することが収益拡大に結び付くため、経営者や従業員の意識はどうしても調剤のみに向かわざるを得ない状態だ。

 しかし、改めて考え直すべきだろう。それが本当に患者・顧客に望まれていることなのか、“調剤のみ”が薬局・薬剤師の役割なのか、と。

 その点では本誌の編集のあり方も考え直さなければならないかもしれない。『日経DI』は創刊以来、保険薬局の薬剤師向けに、医薬品の情報、調剤実務や服薬指導の実践情報、経営情報などを提供してきた。その根幹は変わらないものの、その情報提供において、調剤に重点を置き過ぎていなかったかは大いに反省すべき点である。

 そこで今回、本誌では編集内容を見直し、読者に臨床対応力を強化していただくこと、より幅広い情報を得ていただくことを旨とする誌面刷新を行った。もちろん、今回の刷新だけで十分な情報提供ができるものではない。今後も継続して誌面の見直しを計っていくので、編集内容に対する要望があれば、随時、知らせていただきたい。

 少子高齢社会の進展に伴って、社会保障の財源が逼迫する中で、医療費抑制の政策は今後も強く進められるだろう。一方で、情報通信技術の発展や患者ニーズの多様化は、薬局を含めた医療提供施設のあり方も大きく変化させていくと思われる。その中で、薬局・薬剤師は何をすべきか。

 その答えは、勤務する地域や店舗、置かれた状況によって異なり、決して一つではない。読者にはぜひとも、それぞれの地域や顧客の状況に応じて、薬局・薬剤師のあり方を自ら考え、実践していただきたい。『日経DI』はそんな読者に寄り添った誌面作りを模索していきたい。

 あなたの目の前に、広大な活躍の場が広がっているのだから。

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