DI Onlineのロゴ画像

TOPICS
新薬15成分19品目が薬価収載 ほか
日経DI2013年6月号

2013/06/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年6月号 No.188

新薬15成分19品目が薬価収載
DPP4阻害薬オングリザ、機能性ディスペプシア治療薬アコファイドなどが登場

 厚生労働省は5月24日、新薬15成分、19品目を薬価収載した(表1)。

 内用薬は7成分9品目。糖尿病治療薬のオングリザ錠(一般名サキサグリプチン水和物)のほか、抗リウマチ薬のゼルヤンツ錠(トファシチニブクエン酸塩)、機能性ディスペプシア治療薬のアコファイド(アコチアミド塩酸塩水和物、14ページ「新薬DIピックアップ」参照)などが収載された。オングリザは、国内7番目となるDPP4阻害薬。ゼルヤンツは細胞内に存在するチロシンキナーゼの一種ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害する新機序の経口抗リウマチ薬だ。

 外用薬は、過活動膀胱治療薬のネオキシテープ(オキシブチニン塩酸塩)が収載された。

 注射薬は、血液代用剤のボルベン輸液(ヒドロキシエチルデンプン)、骨粗鬆症治療薬のプラリア皮下注60mgシリンジ(デノスマブ)、抗リウマチ薬のアクテムラ皮下注(トシリズマブ)のシリンジとオートインジェクターなどが収載された。

表1 5月24日に薬価収載された新医薬品(内用薬、外用薬のみ)

画像のタップで拡大表示


イグラチモドとワルファリンの相互作用でブルーレター
重篤な出血の報告。添付文書が改訂され、併用は「禁忌」に

 厚労省は5月17日、抗リウマチ薬のイグラチモド(商品名ケアラム錠25mg、コルベット錠25mg)について、ワルファリンカリウムとの相互作用が疑われる重篤な出血が報告されたとして、製造販売元のエーザイと富山化学工業に対し、使用上の注意の改訂と安全性速報(ブルーレター)の配布を指示した。これを受けて、同日にケアラム錠とコルベット錠およびワルファリンカリウムの添付文書が改訂され、イグラチモドとワルファリンカリウムの併用は「禁忌」になった。

 イグラチモドは、発売から約8カ月(2012年9月12日~13年5月17日)で、同薬とワルファリンカリウムの相互作用が疑われる出血または血液凝固能検査値の異常変動(PT-INR増加)が9例確認され、うち3例は死亡例を含む重篤例だったことから、今回の措置に至った。

 死亡例は、関節リウマチ(RA)でワルファリンカリウムを服用していた70代女性。イグラチモドの投与開始41日目に呼吸困難を感じ、翌日、自己判断で同薬を中止したが症状が改善せず、中止1日後に入院。肺胞出血と診断され、治療が行われたが、中止13日後に死亡した。

 重篤例の2例目は、RAと診断され、ワルファリンカリウム3mg/日を服用中だった60代女性。イグラチモドの投与開始11日目に舌のピリピリ感と咽頭痛が出たため、服用を中止した。中止1日後に歯茎より出血、中止3日後に両大腿部皮下出血を認め、中止10日後に右前腕や両大腿前面、右下腿、左殿部皮下出血などを認めた。

 3例目は、RAの80代男性。整形外科でイグラチモド投与開始。29日目に注射部位の出血が止まらなくなり、ワルファリンカリウムを処方した別の診療所を受診。止血困難で、PT-INR が8.0 に上昇。左目の結膜出血が確認された。

 エーザイと富山化学工業は、(1)現在、イグラチモドにワルファリンカリウムを併用している患者では、イグラチモドの服用中止を検討すること、(2)ワルファリンカリウムの治療を必要とする患者には、イグラチモドを投与しないこと─を注意喚起している。


トラネキサム酸「使用上の注意」改訂
「重大な副作用」に「痙攣」を追記

 厚労省は4月23日、止血剤のトラネキサム酸(商品名トランサミン錠、トランサミン注他)について、人工透析や人工心肺を用いた心臓大血管手術の周術期の患者で、同薬服用後に痙攣を起こした例が報告されていることから、同薬の添付文書の「使用上の注意」を改訂し、「重大な副作用」として「痙攣」を追記するよう指示した。

 医療用のトラネキサム酸には経口薬と注射薬がある。いずれも、線溶亢進が関与すると考えられる出血のほか、湿疹や蕁麻疹などにおける紅斑、腫脹、掻痒、扁桃炎や咽喉頭炎に伴う咽頭痛、発赤、充血、腫脹、口内炎における口内痛および口内粘膜アフタに用いられる。

 トラネキサム酸は、直近3年間の国内での副作用として、痙攣関連症例が23例報告された(死亡例の報告はなし)。今回は、これらの症例が集積したことや公表文献における報告状況を受けて、専門委員の意見を踏まえて、改訂することが適切と判断された。

 また、肝斑に対して用いられる一般用医薬品(第1類医薬品)のトラネキサム酸(トランシーノ)に関しても、添付文書の「してはいけないこと」の項に、「次の人は服用しないこと:透析療法を受けている人(けいれんがあらわれることがある)」と追記するよう指示した。


糖尿病学会が血糖の目標値を改訂、HbA1c7.0%未満を軸に

 日本糖尿病学会は5月16日、治療目標の新基準を発表した。これまで5段階としていた血糖コントロール目標値をHbA1c(NGSP)値の6.0%、7.0%、8.0%の3段階に集約。治療目標は年齢や罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、ケアのサポート体制などを考慮して、患者ごとに設定するとした。

 新基準は、HbA1c値が7.0%未満を「糖尿病合併症抑制のために推奨される治療目標」とし、これを軸に、6.0%未満を「副作用なく達成可能な場合の理想的な治療目標」、8.0%未満を「全ての患者が達成すべき治療目標」と設定している。運用は6月1日から。


神奈川県薬がOTC薬販売で覆面調査
第1類販売時に書面での情報提供をしていなかった薬局も

 一般用医薬品(OTC薬)の薬局における販売状況に関して、神奈川県薬剤師会が2月に行った調査結果がまとまった。一部の薬局で、第1類OTC薬を販売する際に薬剤師による書面を用いた情報提供をしていなかったなど、販売時のルールが徹底されていない実態が明らかになった。

 調査対象は、神奈川県内の73軒(有効回答数72軒)。県内の消費者団体に協力を依頼し、「慢性的な肩凝りに伴う頭痛があり、ロキソニン錠(一般名ロキソプロフェンナトリウム水和物)を処方されたことがある。その日はかかりつけ医が休診のため、第1類OTC薬であるロキソニンSを購入しようと来局した」という設定で実際に薬局を訪問してもらい、患者の視点でOTC薬の販売状況や薬剤師の対応を調査した。

 患者がロキソニンSを購入する際、薬剤師が書面を用いた情報提供を行っていたのは20軒、なかったのは11軒だった(その他は、第1類OTC薬の取り扱いがなかった31軒、分からない8軒、未回答2軒)。

 また、少数ではあったが、第1類~第3類OTC薬を分けて陳列していなかった薬局や、第1類OTC薬を消費者から触れられない場所に陳列していなかった薬局も見られた。


対面販売強化の行動計画を日薬が公表、販売者責任カードの活用推奨

 日本薬剤師会は4月30日、会員向けに、「薬局等における対面販売強化のための行動計画について」を公表した。行動計画はOTC薬の販売制度を巡る規制緩和の動きを意識したもので、会長の児玉孝氏が都道府県薬剤師会に送った文書を日薬会員にも公表した。

 行動計画では、(1)OTC薬の使用について薬剤師から積極的に声掛けを行う、(2)販売日や薬局・店舗名、連絡先、薬剤師名などを記載した「販売者責任カード」などを活用して販売者の責任を明確にする、(3)薬局でポスター掲示を行う─などにより、対面販売の重要性を国民にアピールするとしている。


新薬DIピックアップ
アコファイド錠100mg《2013年5月24日薬価収載》
世界初の機能性ディスぺプシア治療薬

 5月24日、機能性ディスペプシア(FD)治療薬のアコファイド錠100mg(一般名アコチアミド塩酸塩水和物)が薬価収載された。適応は「機能性ディスペプシアにおける食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感」、用法・用量は「成人、1回100mgを1日3回食前投与」である。

 FDは、機能性消化管障害の国際的診断基準であるRome基準(RomeIII)で、「6カ月以上症状があり、最近3カ月間に、つらいと感じる食後のもたれ感、早期飽満感、心窩部痛、心窩部灼熱感のうち1つ以上の症状があり、かつその原因となる器質的疾患が確認されない場合」と定義されている。

 症状が改善しても再発することが多く罹病期間が長いことから、患者のQOLへの影響は大きい。病因は十分に解明されておらず、これまではH2受容体遮断薬やプロトンポンプ阻害薬、消化管運動改善薬などによる対症療法が中心だった。

 アコチアミドは、世界で初めてFDの適応を取得した消化管運動機能改善薬である。アセチルコリンエステラーゼ(AChE)を阻害することで、コリン作動性神経終末から遊離されるアセチルコリン(ACh)の分解を抑制し、胃前庭部および胃体部におけるAChによる収縮や運動を増強。その結果、FD患者における胃前庭部の運動亢進作用や、胃運動低下改善作用が期待できる。

 国内の第3相比較臨床試験(対象はRomeIII基準に適合したFD患者、投与期間は1回100mgを1日3回、28日間)では、プラセボとの比較で「患者の印象の改善率」と「食後の膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感の3症状全ての消失率」において優越性が確認された。有害事象や副作用の発現率は、プラセボとの間に有意差はなかった。

 承認までの国内臨床試験では、副作用(臨床検査値異常を含む)が16.3%に認められた。主な副作用は、血中プロラクチン増加(3.6%)、下痢(2.1%)、ALT増加(1.8%)、便秘(1.6%)などだった。

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ