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DIクイズ3(A)
DIクイズ3:(A)ビーソフテンローションが処方された理由
日経DI2013年6月号

2013/06/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年6月号 No.188

出題と解答 :後藤 洋仁
(横浜市立大学附属病院薬剤部)

A1

ヒルドイドローションが乳剤性であるのに対し、ビーソフテンローションは、水となじみがよい溶液性のローション剤であることから、使用時のべたつきが少なく、顔などには使いやすいため。

 アトピー性皮膚炎の患者は、皮膚組織の水分を保持したり、外部からの異物の侵入を防ぐ皮膚の「バリア機能」が弱い。そのため、ステロイドの外用薬などにより症状が改善した後も、日常的に保湿剤などでバリア機能を補い、症状の再燃を防ぐことが重要である。

 ヘパリン類似物質は、発売時は表在性の静脈炎や血栓症、ケロイド形成の改善などが適応となっていたが、1990年に皮脂欠乏症の適応が追加され、乾燥肌の改善目的で広く使用されている。

 ヘパリン類似物質製剤としては、先発品のヒルドイドとヒルドイドソフトに、クリーム、ゲル、ローション、軟膏、スプレーなどの剤形がある上、後発品も、様々な製品や剤形が発売されている。

 一般にローション剤には、溶液性、乳剤性、懸濁性があり、それぞれで使用感が異なる。Gさんがこれまで使用していたヒルドイドローションは、乳剤性である。一方、今回顔に使用するよう処方されたビーソフテンローションは、ヒルドイドの後発品のローション剤で、薬剤を溶かした溶媒を水と合わせて混合した溶液性のローション剤であることが特徴である。

 ビーソフテンローションは、半透明で無臭の、化粧水のような使用感なので広範囲に塗布しやすい。乳剤性の基剤と異なり、顔など目に付きやすい場所でも塗りむらを気にせず塗布できる。

 Gさんの主治医は、ビーソフテンローションのこうした使用感を考慮し、汗をかいたときなどには、溶液性のローション剤の方が使いやすいと考えて、顔の部分にはビーソフテンローションを処方したと考えられる。

 ビーソフテンローションを塗布する時間帯は、ヒルドイドローションと同様に、入浴後が特に効果的である。これは入浴により皮脂が流されることや、タオルなどによるこすり洗いで皮膚のバリア機能が低下し、皮膚の水分保持能力が低下するためである。入浴後はタオルなどで水滴を拭き取り、皮膚が乾燥しないうちにできるだけ早く保湿剤を塗布するのが望ましい。

 ステロイドなどの外用薬と異なり、保湿を目的とした塗布の場合は、指先ではなく、手のひらを使って広範囲に効率良く塗るとよい。

 ヘパリン類似物質製剤にはスプレー剤もある。こちらは広範囲に噴霧できるため使いやすい。背中に塗布しにくい場合や、介護者が塗布する場合などは、スプレー剤への変更を検討してもよいだろう。

 症状の再燃を防ぐために、保湿剤は、根気よく継続的に使用することが重要である。そのためにも、患者が好む製品、剤形を、患者や医師と相談して選択することが重要である。

 外用薬は、先発品と後発品で、基剤の性質や使用感、においなどが異なる場合があり、使ってみないと分からない部分が大きい。薬剤師は、後発品は添加物が先発品と異なる場合があること、さらに、外用薬については、同じ成分でも基剤によって使用感、特徴が大きく異なることを理解し、薬剤ごとの具体的な使用方法を把握しておくようにしたい。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 暑くなって、お薬を顔に塗ると、べたつくようになってきたのですね。

 今回、顔に塗るために新しく出たビーソフテンローションは、半透明の化粧水のようなお薬です。使ったときの感じがさらさらで、これまで使っていた乳白色のお薬に比べて、汗をかいたときにべたつくことが少ないと思います。

 お薬の有効成分はこれまで使用していたものと同じで、効果も同等ですので、ご安心ください。

 アトピー性皮膚炎は、症状が良くなった後も、再発を防ぐために、毎日根気よく保湿剤を塗って皮膚をケアすることがとても重要です。保湿剤は、入浴後に使用するのが効果的です。水滴を拭き取った後に、皮膚が乾燥しないうちにすぐに塗ってくださいね。

参考文献
1)Progress in Medicine 2012;32(6):1343-47.

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