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特集:第1章
薬剤師の需給はどうなる?
日経DI2013年6月号

2013/06/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年6月号 No.188

 薬局の経営環境の厳しさに加えて、個々の薬剤師が置かれた状況も厳しい。最新の薬剤師需給予測によると、薬剤師の需要と供給は2021年に逆転し、その後は供給が需要を上回ることが示されている(図2)。

図2 薬剤師の需給予測

推計の仮定は以下の通り。
【供給】薬学部入学定員:1万1000人、国家試験合格率:75%
【需要】薬局の薬剤師1人当たり処方箋枚数:現状、病院の薬剤師1人当たり病床数:現状、無職・不詳者:10年度の供給予測から、10年医師・歯科医師・薬剤師調査の有職者数を差し引いた人数を、10年度簡易生命表の死亡率により補正

出典:厚生労働科学研究費補助金 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業「薬剤師需給動向の予測に関する研究」(研究代表者:薬学教育協議会代表理事 望月正隆氏)

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 この予測は、厚生労働科学研究費補助金事業「薬剤師需給動向の予測に関する研究」によるもの。研究代表者を務める薬学教育協議会代表理事で東京理科大学薬学部教授の望月正隆氏は、「現時点では地域偏在はあるものの、薬剤師の過不足が直ちに問題になるとは考えにくい。しかし10年単位では、薬剤師が過剰になるとの予測を否定できない」と語る。需給見通しは、その時々の社会情勢と密接に関連しており変化するものではあるが、現在の売り手市場は長くは続かないと見られる。

薬学教育協議会代表理事の望月正隆氏。

 分担研究者で名城大学薬学部教授の坂巻弘之氏は、「薬剤師の数が増えると、高度な業務をする薬剤師と、ピッキングやアシスタント業務をする薬剤師への二分化が進まざるを得ない。当然、給与水準も分かれていく。付加価値を生み出せない薬剤師は、存在意義がますます薄れていくだろう」と語る。

 こうした危機を打開するには、薬剤師は薬局で処方箋を“処理”するだけでなく、新たな活躍の場を自ら作っていくしかない。

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