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薬学管理料(1)
日経DI2013年6月号

2013/06/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年6月号 No.188

記事の最後に回答を掲載。

 患者が安全かつ効果的に薬剤を服用できるよう、薬剤師が必要な薬学管理を行うことを評価しているものが薬学管理料である。薬学管理は、患者などのプライバシーに十分に配慮した上で実施しなければならない。

 今回は「薬剤服用歴管理指導料」と、これに対する加算である「麻薬管理指導加算」「重複投薬・相互作用防止加算」「特定薬剤管理指導加算」「乳幼児服薬指導加算」(図1)について解説する。これら4つの加算は、薬剤服用歴管理指導料を算定していない場合は、算定できない。

図1 薬剤服用歴管理指導料とその加算

 なお、適切な服薬を支援する目的で服薬カレンダーを用いて患者の薬剤を整理した場合には、患者からカレンダーの実費を徴収しても差し支えない。

 薬剤服用歴管理指導料は、表1に挙げる確認や指導を行い、表2に示した事項を薬剤服用歴(薬歴)に記載したとき、処方箋受付1回につき算定できる。初回の処方箋受付時から算定は可能である。

表1 薬剤服用歴管理指導料の算定要件

表2 薬剤服用歴管理指導料の算定時に薬歴に記載する事項

 従来の「薬剤情報提供料」(お薬手帳による情報提供への評価)は2012年の調剤報酬改定で廃止され、この薬剤服用歴管理指導料の中で包括評価されることになった。

 本点数の算定時に薬歴に記載する表2のエ)~セ)に該当する内容は、処方箋を受け付けた後、薬をそろえる前に患者に確認するよう努めなければならない。服薬指導は、処方箋を受け付けるたびに、患者の服薬状況や服薬期間中の体調変化を確認し、新たに収集した患者の情報を踏まえた上で行う。

 副作用に関する自覚症状の有無を確認する際は、『重篤副作用疾患別対応マニュアル』(厚生労働省)などを参考にする。薬歴には、服薬指導で確認・指導した内容の要点を記載する。

 薬剤に関する情報提供は、原則として文書で行う必要がある。その際、効能、効果、副作用、相互作用に関する記載は患者が理解しやすい表現とし、正確でなくてはならない。

 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、当該患者の本来の疾病(薬学的管理指導計画の対象疾病)に対しては算定できないが、それとは別の疾病(または負傷)に関する、臨時の処方箋によって調剤を行った場合に限り算定できる。

 麻薬を調剤し、麻薬の服用状況や保管状況、副作用の有無などについて患者に確認して、必要な薬学的管理や指導を行った場合に算定できる。

 なお、投薬後も電話などによって定期的に麻薬の服用状況や残薬の状況、保管状況について患者または家族に確認し、必要な指導を行う。その際、効果や副作用も確認し、指導の要点を薬歴に記載しておく必要がある。

 重複投薬・相互作用防止加算は、重複投薬や相互作用を防止するために、薬歴に基づき、処方医に対して連絡・確認を行った場合に算定できる。処方医の同意を得て処方変更が行われた場合は20点を、処方変更がなければ10点を算定する。

 このとき、薬剤数の削減や薬剤の入れ替えがあれば処方変更と認められるが、薬剤の追加、投与期間の延長は処方変更とは見なされず10点となることに注意が必要である。

 1人の患者に複数の医療機関や複数の診療科から処方箋が交付されており、処方箋の受け付け時点が異なる場合も、重複投薬・相互作用防止加算は算定できる。また、院内投薬との重複投薬や相互作用を防止する目的で連絡・確認を実施した場合でも、要件を満たせば算定できる。

 ただし、異なる医療機関からの2枚の処方箋で重複投薬があり、処方変更があった場合、加算できるのは20点を1回のみである。また、残薬を確認した結果、処方の変更が行われた場合についても20点を算定できる。

 特に安全管理が必要な医薬品(ハイリスク薬、表3)について、服用状況や効果、副作用の自覚症状、相互作用などを確認するとともに、患者の状況を薬歴で把握し、注意事項を詳しく説明し、指導を行った場合に算定する。

表3 特に安全管理が必要な医薬品(ハイリスク薬)

 この加算は、処方箋受付1 回につき1 回算定できる。ハイリスク薬が複数処方されている場合は、その全てについて必要な薬学的管理や指導を行う。その具体的な内容は、日本薬剤師会が作成した『薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン』などが参考になる。

 6歳未満の乳幼児を対象とした調剤に際して、体重、適切な剤形、その他必要な事項などを、直接患者またはその家族などに確認した上で、患者またはその家族などに対し、服用に関して必要な指導を行い、かつ当該指導の内容などを手帳に記載した場合に算定できる。

 本加算を算定した処方箋中の薬剤の服用期間中に、患者および家族から電話などで処方薬剤について問い合わせがあった場合には、適切な対応や指導などを行う必要がある。

冒頭クイズの回答
答え 45点(薬剤服用歴管理指導料41点+特定薬剤管理指導加算4点)

講師 伊藤 典子
Ito Noriko
NIメディカルオフィス(東京都中央区)会長。医療秘書教育全国協議会医事CP検定委員などを経て、2000年に診療報酬、調剤報酬の解説書の出版事業などを行う会社を設立。

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