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OTCトレンドウォッチ
水虫治療薬
日経DI2013年6月号

2013/06/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年6月号 No.188

講師 林 芳行
Yoshiyuki Hayashi
株式会社インテージ ヘルスケア事業本部
SDIインデックスマネージャー
同社のSDI(全国一般用医薬品パネル調査)をはじめとした、OTC薬の市場動向について分析している。市場調査・マーケティングリサーチのパイオニアであるインテージで、OTC薬を含むヘルスケアを担当。

SDI(全国一般用医薬品パネル調査):全国3211店の薬局・店舗販売業、ドラッグストア、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンターを対象に、OTC薬をはじめとしたヘルスケア関連のPOSデータを収集し、情報提供するインテージのサービス。

講師 三上 彰貴子
Mikami Akiko
株式会社A.M.C 代表取締役社長
製薬会社勤務後、経営学修士(MBA)を取得。コンサルティング会社勤務を経て2005年より現職。医療分野のコンサルティングなどを行う傍ら、OTC薬に関する寄稿や講師としての活動も行う。薬剤師。

水虫治療薬

 一般用医薬品(OTC薬)の水虫治療薬の市場規模は、10年以上前から縮小傾向が続いている。図1は、2008年からの年間販売額の推移を示したものであるが、ここ5年ほどだけ見ても3割近く減少している。

図1 水虫治療薬の販売額推移

 こうした背景には、衛生面に対する意識が高まり、そもそも水虫になる人が減ったことがあるだろう。また、ここ数年でOTC薬にスイッチされる成分が増えたことも大きい。比較的効き目が強い成分が薬局やドラッグストアで手に入るようになり、患者数が減少しているとみられる。

 一方で、12年のシーズン(4月から9月)だけを見ると、販売額が前年を上回り、市場の縮小傾向に歯止めが掛かった(図2)。これは、複数のメーカーから新製品が発売され、市場が活性化したためとみられる。中でも女性をターゲットにした製品が目立ち、新たに女性の需要を掘り起こしたことが市場拡大につながったといえる。

図2 2012年における水虫治療薬の四半期トレンド

 冬場に長時間ブーツを履く機会が多い女性では、足が蒸れて水虫になりやすくなることが知られている。

 水虫治療薬の中で、ロート製薬のエクシブシリーズは、そんな女性の患者に薦めやすい商品である。中でも水虫が踵にできると、皮膚表面がかさかさしたり角質が厚くなって、サンダルを履いた際に目立つ(角質型水虫)。そんな踵水虫にはエクシブディープ10クリームを薦めるといい。

 この商品は、水分保持作用で角質を軟らかくする尿素を10%含む。また、真菌細胞膜の生合成を阻害して抗真菌作用を示すアリルアミン系のテルビナフィンや、局所麻酔成分のリドカイン、抗ヒスタミン作用で痒みを抑えるジフェンヒドラミン、抗炎症のグリチルレチン酸などがバランスよく配合されている。

 販売時には、傷があると尿素が染みるため、傷の有無を確認する。また、乾燥が激しい状態で尿素を使うと、かえって悪化することがあるので、使用せず皮膚科への受診を促す。

 一方、痒みが強い患者には、第3世代抗真菌成分のブテナフィン、殺菌消臭成分のイソプロピルメチルフェノール、鎮痒成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩を配合したブテナロックVαがお薦めである。

 抗炎症作用のグリチルレチン酸、局所麻酔作用のジブカイン塩酸塩、lメントール、クロタミトンも含む。剤形はクリーム、液、スプレー、エアゾール、パウダースプレーの5種類がある。

 スプレータイプは、手を汚さずに塗れるのが特徴。また、ノズルを回すと広範囲用と狭い範囲用の2タイプに切り替えられる。

 ブテナロックにも女性向けのブテナロックLスプレーがある。ブテナフィンの単味で、Vαの4分の3の容量(15mL入り)であり、価格も比較的安めに設定されている。痒みが少ない踵水虫や、初めて水虫になった患者向けである。

 エタノールが配合されているので、傷や炎症のある場合には使用を控えるよう伝える。

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