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DIクイズ1(A)
DIクイズ1:(A)アレグラがディレグラに変更された患者
日経DI2013年5月号

2013/05/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年5月号 No.187

出題と解答 : 今泉 真知子
(秋葉病院[さいたま市南区]薬剤科)

A1

(3)鼻閉

A2

(1)~(4)の全て

 花粉症は季節性アレルギー性鼻炎の一つで、くしゃみ、鼻閉、鼻汁を3大症状とする。中でも鼻閉は、7割以上が有しているとされている。実際、アレルギー性鼻炎の診療に携わる医師300人を対象とした調査において、何らかの鼻閉症状を有していたのは患者全体の78.0%に上ったことが報告されている(参考文献1)。

 今回、Uさんに処方されたディレグラ配合錠は、抗ヒスタミン薬のフェキソフェナジン塩酸塩(商品名アレグラ他)に、α交感神経刺激薬の塩酸プソイドエフェドリンを配合した薬剤である。同薬は、鼻閉症状が中等症以上のアレルギー性鼻炎に対して用いられる。

 フェキソフェナジンは選択的ヒスタミンH1受容体拮抗作用、ヒスタミンおよびロイコトリエン遊離抑制作用、好酸球遊走抑制作用、好酸球の血管内皮細胞への接着抑制作用などにより、アレルギー反応を抑制する。一方、プソイドエフェドリンは、α交感神経刺激作用により血管を収縮させ、鼻粘膜の充血や腫脹を軽減して鼻閉改善効果を示す。

 ただし、プソイドエフェドリンを含有するため、ディレグラの使用に際しては、アレグラに比べて厳格な注意が求められる。アレグラは「本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある者」に対してのみ禁忌である。一方でディレグラは、表に示す7項目にわたって禁忌となっている。さらにディレグラは、糖尿病や高血圧、虚血性心疾患、甲状腺機能亢進症、前立腺肥大の患者や、眼圧上昇のある患者に対しては、慎重投与となっている。また、プソイドエフェドリンが主に腎臓を経て尿中に排泄されることから、ディレグラは、腎機能障害のある患者では適宜減量する必要がある。

表 ディレグラ配合錠の禁忌(添付文書より抜粋、一部改変)

 一方、花粉症患者に対する投与期間に関しても相違点がある。アレグラは、好発季節の開始直前から終了時まで続けることが望ましいとされているのに対し、ディレグラの使用は、鼻閉症状が強い最小限の期間にとどめ、症状が緩解したら速やかに抗ヒスタミン薬の単独療法などへの切り替えを考慮することとされている。これは、2週間を超えてディレグラを投与したときの有効性や安全性が検討されていないためである。

 なお、ディレグラの臨床試験では、食事による血漿中フェキソフェナジンの最高血中濃度到達時間(Tmax)の延長および最高血中濃度(Cmax)の低下が認められている。従って、ディレグラは空腹時に服用するよう、指導する必要がある。また、同薬は徐放層を含むため、かんだり砕いたりせず、そのまま服用するよう指導する。

参考文献
1)新薬と臨床2012;61:2053-66.

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 今回処方されたディレグラというお薬は、これまでUさんが飲まれていたアレグラに、プソイドエフェドリンという成分が加わったものです。鼻詰まりの症状は、鼻の奥の血管が広がり粘膜が腫れるために起こりますが、このプソイドエフェドリンには、血管を縮める作用があります。Uさんが特に鼻詰まりでお困りのため、先生はこちらに変更されたのだと思います。

 ただ、高血圧や糖尿病などの患者さんがプソイドエフェドリンを服用すると、これらの病気が悪化してしまうことがあります。他の病気にかかっていないか、先生が細かく質問されたのは、そのためでしょう。ディレグラは、1日2回、空腹時に、かまずに水で服用してください。次回、鼻詰まりがどれくらい良くなったか、先生にお伝えくださいね。

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