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薬局なんでも相談室2
相談室2:薬薬連携をやってみたい
日経DI2013年5月号

2013/05/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年5月号 No.187

 2000年ごろから外来化学療法が著しく普及し、薬局でも癌患者の処方箋を応需する機会が大幅に増えました。

 一口に外来化学療法といっても、内服抗癌剤による単剤療法から、注射薬と経口薬を組み合せた複雑なレジメンまで、様々です。

 院外処方箋には、診断名や検査値、あるいは併用している注射の情報などは基本的に記載されていないため、薬局では、苦労しながら業務を行っているのが現状かと思われます。だからこそ、薬物療法の質をさらに高めるために、運用しやすく、かつ緊密な薬薬連携の実践が望まれています。

 当院でも薬薬連携を行ってきました。当院の経験では、次のようなステップで進めるのがお勧めです。
(1)お薬手帳など、院外処方箋以外のツールを利用して、レジメンや患者の情報を共有する。
(2)勉強会や研修会を病院薬剤師と薬局薬剤師が共に企画し、意見交換の場とする。
(3)病院薬剤部のカンファレンスなど、院内の症例検討会に薬局薬剤師が参加し、日常診療の問題点を共有する。

 これらの活動は、薬薬連携に積極的な病院の医師や薬剤師が企画しているケースが多いようです。

 今回のご質問は、薬薬連携の「きっかけ」についてですので、薬局薬剤師が、「こんなことに困っています」などと持ちかけて、病院のキーパーソンを“その気にさせる”のが一番の近道でしょう。このキーパーソンは、病院の薬剤部長や緩和ケア担当チームの医師など様々です。大病院だと敷居が高いと感じるかもしれませんので、地域の薬剤師会にパイプ役になってもらう方法も有効かもしれません。

 連携の程度が(1)から(3)に進むにつれて、病院の負担は軽くなりますが、薬局の負担は重くなります。連携が軌道に乗ってくれば、薬局薬剤師が気づいた点を病院薬剤師にフィードバックする仕組みを考えてみましょう。これは、取り組みを継続させていくコツです。

 これからは、癌以外の疾患領域でも、一歩進んだ患者対応のできる薬局が、患者さんから選ばれる時代が来ると思います。薬局でじっと待っていても、情報は来ません。まずは顔の見える関係づくりから。あなたが汗をかいた分だけ、実のある薬薬連携が実現できるはずです。

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