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もっとカッコいい薬剤師
(最終回)もっとカッコいい薬剤師よ、永遠に
日経DI2013年5月号

2013/05/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年5月号 No.187

 15年前の今日、あなたは何をしていただろうか。薬剤師を志して一心に受験勉強に励んでいた人、新米薬剤師として「SOAP」という言葉にこっそり興奮していた人、自分の薬局で初めて調剤過誤を起こしてしまい打ちひしがれていた人など、様々であろう。

 わたくしめは15年前、医薬分業が急速に進む中で、薬剤師としての知識・技術を習得することに没頭していた。あれから15年。喘息の吸入薬の服薬指導も、抗癌剤の副作用ケアも、難なくできるようになった。玄関先での立ち話だった在宅業務は、ベッドで横になる患者に寄り添い、バイタルチェックも行うようになった。災害対策だって万全だ。

 もう大丈夫。自分は誰がどう見ても、カッコいい薬剤師になっているに違いない─。ふと、そんなことを夢想する瞬間がある。

 だが、それで本当にカッコいい薬剤師といえるだろうか。世の中には新薬が次々と登場し、未知の副作用や相互作用も出てくる。在宅医療では、多職種との連携の中で、薬剤師に求められる役割がますます多様化している。世界に目を向ければ、日々至る所で災害が起きている。日本の薬剤師が得た過去の教訓を生かせば、もっと多くの人を救えるのではないか。人がいて、そこに命がある限り、命を守る薬がある限り、「これでもう大丈夫」とはいえないのではないだろうか。

 本当にカッコいい薬剤師になるということは、「自分はまだカッコいい薬剤師ではない」と気づくことから始まる。カッコいい薬剤師への道のりに、ゴールはない。「もっとカッコいい薬剤師」を目指し、わたくしめはこれからも終わりなき旅を続けてまいりたいと思う。

 読者の皆さんと、今年、創刊15周年を迎えた日経DIの更なる発展を祈念して、筆をおく。ご愛読ありがとうございました。また会える日まで、お元気で。 (ジャック)

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