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日薬、「薬剤師の将来ビジョン」を発表 ほか
日経DI2013年5月号

2013/05/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年2月号 No.187

日薬、「薬剤師の将来ビジョン」を発表
薬局薬剤師の地域活動の一つに「健康支援拠点」を盛り込む

 日本薬剤師会は4月1日、「薬剤師の将来ビジョン」を発表した。薬剤師を取り巻く環境変化や将来予測などを踏まえて、薬局、病院・診療所、製薬などの各職域に従事する薬剤師の将来像を描き、薬剤師の意識改革および今後の日薬の事業の指標とするべく、策定を進めてきたもの。昨年6月に暫定版を作成し、日薬のウェブサイトで会員向けに公表していたが、今回は会員に配布したほか、一般向けにも公開した。

 将来ビジョンの構成は暫定版と同じで、「薬剤師を取り巻く環境の変化」「薬剤師の将来ビジョン~全ては国民のために~」と、薬局薬剤師、病院・診療所薬剤師、製薬勤務薬剤師、卸勤務薬剤師、学校薬剤師という各職域ごとの現状と将来ビジョンからなる。

 暫定版と今回の最終版との間で最も大きく異なっているのは、薬局薬剤師の将来ビジョンを示した「今後の薬局・薬剤師の向かうべき方向」に関する記述だ。ここでは、「セルフメディケーションの拠点としての薬局機能を確立する」「地域包括ケアシステムにおける薬局・薬剤師職能を確立する」「薬事衛生・公衆衛生における薬局薬剤師の地域における活動を強化する」といった3つの切り口から、今後なすべき取り組みを記載している。

 このうち、1つ目、2つ目の切り口には大きな変化はないが、3つ目の「薬事衛生・公衆衛生」における活動に関しては、暫定版にはなかった「『健康支援拠点』としての薬局の活用」と「献血協力推進活動」を新たに記載し、暫定版にあった「生活習慣病の予防のための相談・指導」という記述を削除。「『健康支援拠点』としての薬局の活用」と「薬物乱用防止活動」に関する詳細な解説を追加した。

 「『健康支援拠点』としての薬局の活用」は、厚生労働省が昨年7月に策定した「二十一世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21[第二次])」の中で、「地域住民の健康・栄養に関して専門的な支援・相談が受けられる活動拠点」の一つに「薬局」が挙げられたことを受けたものだ。日薬は昨年12月、「地域における『健康支援拠点』としての薬局のあり方と今後の方向性について」とする見解を取りまとめており、その内容を将来ビジョンにも反映させた。


スイッチOTC薬のエパデールが発売
9月ごろまで販売薬局を限定する見込み

 大正製薬と日水製薬は4月15日、脂質異常症治療薬イコサペント酸エチル(商品名エパデール)のスイッチOTC薬である「エパデールT」(大正製薬)、「エパアルテ」(日水製薬)を発売した。同薬を購入するには、患者が事前に医師の診断を受ける必要があるほか、販売できる薬局も当面は限定される。

 購入者は薬局で「セルフチェックシート」を用いて健康状態について記入しなければならない。チェックシートの内容は、(1)中性脂肪値が150mg/dL以上、(2)病院または診療所を受診した(受診した時期と医療機関名を記入)、(3)すぐに通院治療を始める必要はないと診断された、(4)その他添付文書で服用不可とされている項目に該当しない─の4点。これらが全て当てはまれば、薬剤師の指導を受け購入できる。

 このほか、セルフチェックシートに「このお薬の使用は、医療機関を受診された方に限られます」と明記されており、初回購入時には医師の診断が義務付けられていることになる。

 さらに、同薬はOTC薬として初の「適正使用調査」が実施される。これは承認条件として課され、市販後調査とは別に行うもの。第1類医薬品の販売に伴う薬剤師の責務が果たされているかを確認するのが主な目的で、薬剤師が服用対象を適切に見極め、服薬指導を行っているか調査する。両社合計で、300人程度の患者データを収集する必要がある。

 この調査実施に伴い、販売薬局も限定された。両社の研修を受けた「販売認定薬剤師」のいる薬局のみ、原則として販売できる。大正製薬は1500店舗、日水製薬は150店舗としており、限定が解かれるのは調査終了後。具体的な時期として大正製薬は9月ごろを想定している。

 1回1包を1日3回食後すぐに服用する。効能は「健康診断等で指摘された境界領域の中性脂肪値の改善」で、中性脂肪が150mg/dL以上300mg/dL未満の患者のみ服用可。希望小売価格はいずれも42包(14日分)で5800円(税込み)、エパアルテには84包(28日分)で1万1600円(税込み)の包装もある。


2013年の薬剤師国家試験、合格率は79.10%で昨年比9ポイント超の低下

 厚生労働省は3月29日、薬剤師国家試験の合格発表を行った。受験者は1万1288人で合格者は8929人。合格率は79.10%で、昨年より9.21ポイントの低下。

 今回は薬学6年制課程修了者を対象とした2回目の国試だった。6年制の卒業者の合格率は83.60%で、昨年より11.73ポイントも低下した。昨年の6年制卒の受験者は8584人だったが、今年は1万557人に増えており、受験者の増加が合格率の低下に影響した。合格率を設置主体別に見ると、国立が81.20%、公立が84.06%、私立が78.89%。昨年はそれぞれ81.64%、89.22%、88.79%で、私立での合格率の落ち込みが目立つ。


横浜薬科大学に「不適合」の評価
大学基準協会、学力不足の学生多数受け入れなど指摘

 文部科学省の関連団体として大学の認証評価を行う大学基準協会は3月28日、2012年度に実施した評価結果を公表し、横浜薬科大学に対して「大学基準に適合していない」との評価を下したことが分かった。薬学部を設置している大学が不適合の評価を受けたのは初めて。

 同協会は評価結果報告書で、横浜薬科大学について「『教員・教員組織』『教育内容・方法・成果』『学生の受け入れ』および『内部質保証』に関して重大な問題が認められる」とした。学生の受け入れに関する部分は深刻で、初年度入学生は6年間で卒業できた学生の割合が30.5%で、留年せずに薬剤師国家試験に合格した割合は25.4%にとどまっており、報告書は「著しく低い」と指摘している。

 こうした実態を基に報告書は、「入学者の修学能力の判定を適切に行わずに、学生を多数受け入れてきた。その結果、極めて多数の留年者や退学者を生み出すなど、受験生や学生をはじめとする、貴大学を取り巻く社会からの期待に背いている」と厳しい意見を述べた。

 横浜薬科大学は今回の評価について、ウェブサイトで「指摘された事項については真摯に受け止め改善に全力をあげてまいります」とした上で、評価結果には事実誤認や誤解が多いなどとして「異議申立」を行ったことを明らかにしている。


OTC薬ネット販売の経過措置が延長へ
新たな販売ルール定まらず、パブコメを実施

 厚生労働省は4月15日、2009年6月に施行された「薬事法施行規則等の一部を改正する省令」を改正する省令案について、パブリックコメントの募集を始めた。一般用医薬品(OTC薬)の郵便等販売に関する経過措置を、今年12月31日まで延長する方向で検討するため。

 09年の改正薬事法の施行によって、第3類医薬品以外の医薬品を、薬局・薬店以外の場所にいる人に対して郵便などの方法で販売・授与することは禁止された。ただし、経過措置として、(1)薬局などが存在しない離島に居住する者、(2)改正省令の施行前に購入した第2類医薬品または薬局製造販売医薬品と同一の医薬品を改正省令の施行時に継続して使用していると認められる者─に対しては、第2類医薬品または薬局製造販売医薬品の郵便等販売が認められている。この経過措置は今年5月31日で終了する予定だった。

 厚労省は今年2月に「一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会」を設置し、インターネットを含む郵便等販売のあり方について検討を始めたが、今のところ議論が収束する見通しは立っていない。同省は、「新たなルールが決まるまでの当面の対応として、経過措置の延長を検討している」と説明している。


全国13店舗が第1類医薬品のネット販売を実施、厚労省の実態調査で判明

 全国で13店舗の薬局・薬店が、インターネットで第1類医薬品を販売していることが、厚生労働省の調査で分かった。

 省令の規定に従い郵便等販売の実施を届け出ている薬局・薬店を対象に、今年2月末時点での販売状況を調べた結果、第1類医薬品をネット販売していたのは全国で17店舗に上った。調査時点で実際に取り扱いが確認されたのは13店舗だった。また、経過措置で認められている物以外の第2類医薬品のネット販売を行っていた薬局・薬店は、全国で148店舗あった。また、省令で規定されている情報を規定通りに表示していた薬局・薬店は4店舗しかなかった。


抗うつ薬6種類が「使用上の注意」改訂
小児への投与で、学会は自己判断による中止に危惧示す

 厚生労働省は3月29日、エスシタロプラムシュウ酸塩(商品名レクサプロ)、塩酸セルトラリン(ジェイゾロフト)、デュロキセチン塩酸塩(サインバルタ)、フルボキサミンマレイン酸塩(ルボックス、デプロメール他)、ミルタザピン(レメロン、リフレックス)、ミルナシプラン塩酸塩(トレドミン他)の6種類の抗うつ薬について、小児などへの投与は慎重に検討する必要があることを「使用上の注意」に追記するよう、日本製薬団体連合会の安全性委員会委員長宛てに指示した。

 改訂の内容は、「使用上の注意の改訂」の項目で、「18歳未満(エスシタロプラムは12歳未満)の大うつ病患者」に投与する場合、「適応を慎重に検討すること」を追記するもの。当該薬もしくは類薬において、海外で実施されたプラセボ対照臨床試験で、小児における有効性が確認できなかったとの報告があったことなどが理由。

 これを受け、日本うつ病学会と日本児童青年精神医学会は連名で、「薬物療法の可能性が否定されるものではないと考えている」と表明。患者が自己判断によって服薬を中断することに危惧を示した上で、臨床医には「添付文書改訂の背景を踏まえた説明を行い、患者ならびに患者家族が安心して治療に臨めるよう心掛ける必要がある」と求めている。


『今日の治療薬』が誤記で書籍回収・交換、エンドキサンの用法で過量投与の可能性

 南江堂は4月3日、同社が発行する『今日の治療薬2013』に重大な誤記載があったと発表した。同社は書籍の回収・交換を受け付けており、訂正済み商品は5月中旬以降に送付すると発表している。

 誤記載の内容は、シクロホスファミド水和物(商品名エンドキサン)における治療抵抗性のリウマチ性疾患に対するパルス療法の用量について(同書177ページ)。1日1回500mg~1000mg/m2の同薬の投与方法が、正しくは「静注。投与間隔は4週間」であるところ、「静注を4週間」と記載されている。同社は関係学会に内容の誤記を周知し、日本病院薬剤師会は会員向けに注意喚起を行った。


トビエース錠4mg、8mg《2013年3月15日発売》
効果不十分例に増量可能な過活動膀胱治療薬

 2013年3月15日、過活動膀胱治療薬のフェソテロジンフマル酸塩(商品名トビエース錠4mg、8mg)が発売された。適応は「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁」。成人では通常4mgを1日1回経口投与し、症状に応じて1日1回8mgまで増量できる。

 過活動膀胱とは、急に尿意をもよおし我慢できなくなる感覚(尿意切迫感)を必須症状とする疾患で、頻尿や切迫性尿失禁などを伴うこともある。日本での有病率は、02年に行われた日本排尿機能学会の疫学調査によると、40歳以上の男女全体で12.4%と報告されており、患者数は810万人と推定されている。

 過活動膀胱の原因は神経因性と非神経因性に分かれ、非神経因性には下部尿路閉塞、加齢、骨盤底筋の脆弱化などが考えられている。膀胱平滑筋が必要以上に収縮して、尿が少量でも排出する動きが活発化し尿意切迫感が表れる。

 フェソテロジンは膀胱への選択性が高いムスカリン受容体拮抗薬である。経口投与後、活性代謝物である5-HMTに加水分解され、膀胱平滑筋のムスカリン受容体を阻害して膀胱の収縮作用を抑制する。5-HMTは、既承認薬である酒石酸トルテロジン(デトルシトール)の活性代謝物と同一である。トルテロジンとの違いは、8mgまで増量可能で効果不十分例に使用しやすい点、5-HMTのプロドラッグであるため代謝酵素の個人差による影響を受けにくく、効果のばらつきが少ないと期待される点が挙げられる。

 日本を含むアジアで行われたアジア共同第2相試験では、フェソテロジン4mgあるいは8mgを1日1回12週間投与した群で、24時間当たりの平均切迫性尿失禁回数の変化量、平均排尿回数の変化量、平均尿意切迫感回数の変化量に関して、プラセボ群に対して有意な減少が認められている。副作用は口内乾燥が多く、第2相試験および国内長期投与試験で40.9%に見られ、他に便秘(8.3%)などの副作用が見られた。

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