DI Onlineのロゴ画像

患者指導ワンポイントレッスン
湿布の上手な貼り方
日経DI2013年4月号

2013/04/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年4月号 No.186

 経皮消炎鎮痛薬の貼付剤(いわゆる湿布)は、腰痛、関節痛、肩凝り、筋肉痛など、運動器の痛みを訴える患者に多用されている。

 貼付剤は一般に、テープ剤とパップ剤に分類される。テープ剤は、親油性高分子を主たる基剤構成成分とした製品で、粘着力が強いため、長く貼る必要があるときや、動きの激しい関節などの部位に適している。

 一方、パップ剤は、水溶性高分子を主たる基剤構成成分とし、水分の配合量が多い。膏体が厚く含水量が多いので、炎症に対する冷却効果に優れている。皮膚への刺激が少ないというメリットもある。

可動部位には切れ込みを入れる

 ただし、パップ剤は、テープ剤に比べて皮膚への粘着力が弱く、動きに伴って剥がれやすい。うまく切れ込みを入れて皮膚と密着するように貼付すれば、関節など可動部位にも用いることができる。

 例えば、首から肩にかけて貼る場合は、湿布の左右に切れ込みを入れて、首に貼る部分と肩に貼る部分が分かれるようにすると剥がれにくい。また、膝は、湿布の中央に2~3cmの切れ込みを入れ、膝頭を穴から出すように貼るとよい。手首に貼る場合には、親指が出るように切れ込みを入れるとずれにくい。切れ込みの入れ方は、PDFの2ページ目を参考にしてほしい。

貼りにくい場合は補助具を勧める

 湿布を貼るときに、よれてしまったり、くっついてしまったりして、うまく貼れないと訴える患者は少なくない。特に背中や腰は、自分の眼で確認できないため、難しいようだ。

 腰や背中に貼る際は、フィルムを全て取ってから貼るのではなく、3つ折りにして、センター部分のフィルムだけを剥がした状態で患部に貼り、その部分を押さえながら、片方ずつフィルムを取って貼ると比較的うまくいく。

 関節リウマチや頸椎捻挫などの患者で、患部に手が届きにくく湿布を貼ることが難しい場合には、補助具の使用を勧めてもよいだろう。市販されている補助具もあるようだが、製薬企業が指導箋と合わせて無料で配布しているものもある。

 湿布を貼る前には、患部を清潔にする。湿潤環境は接触皮膚炎を起こしやすいので、汗や水分を拭き取ってから貼るよう指導する。ただし、高齢で脱水傾向にあり、皮膚が乾燥している患者に対しては、保湿剤を塗布してから湿布を貼るよう指導することもある。

 なお、傷や湿疹がある部位や、関節内注射を穿刺した部位には、湿布を貼らないように伝えておく。

光線過敏症の注意喚起を

 これからの季節は、光線過敏症の発現にも注意が必要だ。原因薬剤は多種多様であるが、貼付剤の場合は貼付部位に一致して発症し、光アレルギー性接触皮膚炎と呼ばれる。

 貼付剤では、特にケトプロフェン(商品名モーラステープ、モーラスパップ、ミルタックスパップ他)で光線過敏症を起こす頻度が高い。ケトプロフェンは、湿布を除去しても、薬剤が数カ月近く皮膚にとどまっているため、使用後数日から数カ月を経過して発現することがある。この点も患者に伝えておきたい。実際、冬に貼付したことを忘れ、春になって薄着で外出して発症するケースも報告されている。貼付剤の使用中・使用後は、天候にかかわらず、できるだけ戸外の活動を避けるとともに、日常の外出時も、貼付部位は紫外線を透過させにくい衣服、サポーターなどで遮光するよう指導することが大切だ。

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ