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トクホの説明書
L-アラビノース 
日経DI2013年4月号

2013/04/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年4月号 No.186

 冬の間にため込んでしまった体脂肪が気になるこの季節、低カロリー飲料に手が伸びる人も多いだろう。アスパルテームやアセスルファムK、スクラロースといった低カロリー甘味料を使えば、砂糖や果糖を含まない飲料の開発は比較的容易にできる。だが実際には、そう簡単には置き換えができない食品の方が多い。

 例えば、パンだ。パン作りには、かなりの量の砂糖を使う。ケーキのスポンジに至っては、小麦粉よりも砂糖を多く使うこともある。低カロリー甘味料では、パンやケーキは膨らまないのだ。

 このように、砂糖には甘さ以外にも特性があるため、食品から除くのは難しい。そこで利用されているのが、果物の食物繊維などに含まれる糖であるL-アラビノースだ。L-アラビノースは、砂糖の主成分であるショ糖を果糖とブドウ糖に分解する酵素(スクラーゼ)の働きを阻害する。この作用を利用して、トクホの関与成分になっている。

 図は、健常被験者8人を対象に、3週間の間隔を空けたクロスオーバー方式で、ショ糖を単独で50g摂取した場合と、2gのL-アラビノースを添加したショ糖50gを摂取した場合とで、血糖値およびインスリン値の上昇を比較した結果である。L-アラビノースを添加した場合、いずれも上昇が有意に抑制された。

図 L-アラビノースを添加したショ糖の摂取による血糖値および血中インスリン値の変化

健常被験者8人を対象に、3週間の間隔を空けてクロスオーバー試験を行った。ショ糖単独で50g摂取した場合(青の■)と、ショ糖50gにL-アラビノースを2g添加した場合(紫の■)とで、血糖値と血中インスリン値の上昇を比較したところ、L-アラビノース添加群で、血糖値、インスリン値ともに、上昇が有意に抑制された(*:P<0.05、**:P<0.01)。(日本栄養・食糧学会誌 2000;53:243-7.)

 トクホでは、L-アラビノースが砂糖に対して3%添加されているが、この程度の添加で同様の働きがあることが、別の試験で確認されている。L-アラビノースのスクラーゼ阻害作用は、L-アラビノースがスクラーゼの基質であるショ糖と拮抗することで発現するのではなく、スクラーゼ、ショ糖と複合体を形成することで発現する。そのため砂糖に対して少量の添加で済む。また、いったん複合体を形成すると、阻害作用が持続するため、同時に摂取した砂糖だけではなく、後で摂取した砂糖の消化、吸収も阻害する。

 これらを踏まえて、購入希望者にはこう説明するとよいだろう。「砂糖とほとんど同じように使えて、しかも血糖値が上がりにくい甘味料です。しかし、料理に使った場合、その料理の糖質が減るわけではありません。ダイエットには、料理に含まれる糖質を減らすことと併せて考えましょう」。

アラビノシュガー(日清オイリオTEL0120-016-024) 100g中にL-アラビノースが3g含まれる。1日6gを摂取の目安に。180g入り714円。

講師
太田 篤胤
Atsutane Ohta
東京農工大学卒。テルモ、明治製菓を経て、2004年から城西国際大学薬学部教授。「オリゴ糖のミネラル吸収促進作用」の研究で、トクホを商品化した経歴を持つ。趣味はフルマラソン。

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