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DIクイズ1(A)
DIクイズ1:(A) リウマトレックスの1回量が増えた際の注意点
日経DI2013年4月号

2013/04/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年4月号 No.186

出題と解答 : 笹川大介
(はらだ薬局[鹿児島県薩摩川内市])

A1

発症初期からメトトレキサート(商品名リウマトレックス)を服用することで、より確実に関節破壊を抑制するため。

A2

1回の服用量が増えると、嘔気などの副作用が出る可能性があるため、症状が出たら医師や薬剤師にすぐに相談するよう指導する。また、副作用を予防する効果がある葉酸を飲み忘れずに、正しいタイミングで服用するよう伝える。

 関節リウマチは、全身性の自己免疫疾患で、免疫反応により主に関節を包む滑膜が炎症を起こし、それが持続することで、関節が徐々に破壊されて変形する。原因は完全には分かっていないが、遺伝的素因に、ウイルス感染などによる刺激が加わり、発症すると考えられている。

 リウマチの治療は、以前は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイドなどによる対症療法しかなかったが、メトトレキサート(MTX、商品名リウマトレックス)と生物学的製剤が登場したことで、大きく変わった。これらの薬を早期から使用すれば、関節破壊の進行を抑制できることから、現在は、特に炎症の強い患者では、早期からMTXなどによる強力な治療を行うという考えになっている。

 欧米では、MTXは第一選択薬として使用されてきたが、わが国では、MTXの適応が「過去の治療において、NSAIDsや他の抗リウマチ薬により十分な効果が得られなかった場合に限る」とされていたことや、用量が8mg/週までしか認められていなかったことから、関節破壊が進むケースが散見された。

 しかし、11年2月に添付文書が改訂され、日本でも、MTXが第一選択薬として使用できるようになり、さらにリウマチに対し16mg/週まで使用可能となった。そのため現在は、Mさんのような早期のリウマチ患者にも、関節破壊を抑制する目的でMTXが投与されるようになっている。

 MTXは、これまでは、添付文書に従って1週間当たりの投与量を、1日目の朝食後と夕食後、2日目の朝食後に分割して服用させることが多く、患者が薬を飲み忘れることが問題となることがあった。

 しかし、11年2月に、用法に関しても添付文書が改訂され、通常、1週間分の投与量を分1で投与できるようになった。ただし、高用量の分1投与では、嘔気などの消化器系の副作用が増える可能性が指摘されている。そのため、日本リウマチ学会の『関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン2011年版』では、投与量が8mg/週を超えた場合は、分2~分4を勧めている。

 Mさんは、現在、MTXを1週間当たり8mg服用している。これは、同ガイドラインで分1での投与が認められている範囲内の量である。そのため、Mさんの主治医は、Mさんが服用しやすいように、これまで分割していた薬を1回服用に変更したと考えられる。

 1回の服用量が増えた際に注意すべき副作用として、肝酵素上昇、口内炎、消化管障害、血球減少症、感染症などがあるので、患者に伝えておきたい。

 また、同ガイドラインでは、副作用を予防するために、特に1週間当たりの投与量が8mg以上の場合や、副作用のリスクが高い患者では、葉酸を併用することを強く勧めている。

 葉酸は副作用を予防する作用がある一方で、MTXの効果を減弱させる作用があるため、MTXと同時にではなく、時間をずらして服用する必要がある。ガイドラインでは、葉酸5mg/週以内を、MTX最終投与後24~48時間後に投与するよう勧めている。この点も十分に患者に説明するようにしたい。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 1回に飲む薬の量が増えて不安になられたかと思います。ですが、これは、リウマチ治療のガイドラインで認められている飲み方です。先生は、複雑な飲み方を勧めて、Mさんがお薬を飲み忘れることで、リウマチが悪化する方が問題とお考えになったのだと思います。これからは毎週月曜日の朝食後に、4カプセルをまとめて飲んでくださいね。

 ただ、1回に服用する量が増えると、まれに、吐き気などの症状が出ることがあります。そのため、今日一緒に処方されているフォリアミンというお薬を忘れずに服用することが重要です。フォリアミンは、リウマトレックスを服用した翌日の朝に服用するようになっていますので、ご注意ください。

 フォリアミンをきちんと飲めば大丈夫だと思いますが、いつもと違う症状が出た場合は、先生か私どもにすぐに連絡してくださいね。

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