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後発品調剤率は数量ベースで約3割ほか
日経DI2013年4月号

2013/04/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年4月号 No.186

後発品調剤率は数量ベースで約3割
後発品調剤加算は6割以上が算定、支払側は薬局での説明不足を問題視

 2012年8月時点での後発品調剤率(数量ベース)は29.4%に上ることが2月27日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会で報告された。12年診療報酬改定の直前の3月時点では25.9%だった。

 また、後発品調剤率22%以上の薬局が算定できる「後発医薬品調剤体制加算」は、65.6%が算定していた。点数別の内訳は、5点(後発品調剤率22%以上)が20.9%、15点(同30%以上) が15.3%、19点(同35%以上)が29.4%だった。

 一方、後発品の薬剤情報提供文書を患者に交付する際の口頭での説明状況を尋ねたところ、「ほとんどの患者に説明していない」と答えた薬局が全体の16.4%に上ることが分かった。「基本的に全ての患者に説明している」「多くの患者に説明している」と答えた薬局は、それぞれ31.5%、26.5%だった。同調査は、12年8~10月に保険薬局2500軒を対象に行われた。

 この結果に対し、中医協の支払側委員からは、「患者向けに行った調査でも、2割弱が説明を受けていないとの結果が出ている。日本薬剤師会を中心に、薬局への指導を徹底してほしい」と不満の声が上がった。

 それを受けて日薬副会長の三浦洋嗣氏は、「患者の来局回数や後発品の使用履歴などによって、薬剤師の対応は異なる。実態を精査して報告したい」と述べた。ただ、支払側は薬局が十分な説明を行っていない実態を問題視する向きが強く、秋以降に本格化する議論で追及されることは否めないとみられる。

 また、同日の中医協では、後発品の使用促進に向けた新しい数値目標として、現在の計算方法である「数量ベース」に代わり、後発品が存在しない先発品を除外した上で計算する「後発品置き換え率」という指標を用いることについても議論された。後発品置き換え率は、「後発品の数量/(後発品のある先発品の数量+後発品の数量)」で計算される。支払側からは、「後発品の使用促進を加速度的に行うべき」「5年以内に後発品置き換え率60%(現在の数量ベースで34.3%に相当)に到達すべき」などといった意見が続いた。


後発品促進策で総務省が厚労省に勧告
「変更不可」処方箋の軽減や後発品の規格見直しを要請

 総務省は3月22日、「医薬品等の普及・安全に関する行政評価・監視」の調査結果を公表し、後発医薬品の更なる普及促進策を講じるよう厚生労働省に勧告した。

 同調査は、後発品の普及促進や医薬品の安全性確保などに関する施策の実施状況を調べる目的で、2011年12月~13年3月に都道府県や医療機関などを対象に実施された。

 19医療機関を対象に、「後発品への変更不可」処方箋を発行した割合を調べた結果、平均11.6%だった。変更不可処方箋が64.0%を占めていたある施設は、その理由として、「後発品と先発品が『同一』ではなく『同程度』であり、安全性の確立した先発品を使用したいという医師の意向が強いため」と報告した。

 一方、37薬局を対象に、変更不可処方箋を応需した割合を調べたところ、平均22.8%だった。そのうち、薬剤師から見て後発品への変更が可能と思われる品目が含まれていたのは、68.6%に上った。

 これらの結果を受けて総務省は、厚労省に対し、後発品への変更に差し支えがある場合を除いて、処方箋の「変更不可」欄にチェックしないよう医療機関に呼び掛けることを求めた。また、医療機関の在庫管理の負担を軽減するため、後発品の規格についても見直すよう求めた。


電子処方箋の実現に向け2~3年後めどに省令を改正、厚労省が新たな報告書を公表

 厚生労働省は3月8日に開催した「第28回医療情報ネットワーク基盤検討会」において、「電子処方箋の実現に向けて(案)」を公表し、処方箋の電子化に関する今後の見通しを示した。

 同検討会は、電子カルテなどの医療分野での情報化について2003年に議論を開始。12年4月には、「処方箋の電子化に向けて(案)」をまとめていた。今回の報告書では、国の実証実験で明らかになった課題や、省令改正の時期などを示した。同省は、実施環境が整った地域で実際に電子処方箋を運用できるよう、2~3年後をめどに関連省令を改正すべきとの考えを示している。


OTC薬ネット販売規制、4月からようやく具体的な議論へ
悪徳業者や偽造医薬品の拡大防止策も検討課題

 厚生労働省の「一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会」は、4月から、一般用医薬品(OTC薬)のネット販売の規制の在り方について具体的な議論を始める。

 2~3月に4回にわたって行われた会合では、OTC薬の販売体制の実態や問題点などについて、様々な立場から意見が交わされた。

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、「ネット販売は偽造医薬品の蔓延を助長しかねない」と、ネット販売の解禁に対して慎重な姿勢を堅持。一方、新経済連盟顧問の國重惇史氏やライフネット生命保険代表取締役副社長の岩瀬大輔氏は、「偽造医薬品の取り締まりは必要だが、ここでは正規のOTC薬のネット販売の在り方を論点とすべきだ」と主張した。

 一方、全国消費者団体連絡会事務局長の河野康子氏は、「販売者側が期待する購入者像と、一般消費者の実像に解離がある」と指摘した。

 これらの意見を踏まえて、座長である学習院大学経済学部教授の遠藤久夫氏は3月22日、厚労省事務局に論点整理を依頼し、4月から具体的な議論を始める方針を示した。また、悪徳業者の参入や偽造医薬品の蔓延への対策についても議論の対象とすることで合意した。

 なお、内閣府の規制改革会議は3月8日、ネット販売に関する見解を発表。具体的には、(1)全てのOTC薬についてネットなどでの販売を可能とすること、(2)その際、それぞれの販売形態の特性や、業界の自主的なガイドラインを踏まえ、 安全性を確保する仕組みを設けること、(3)これらの制度的な枠組みを半年以内に設けること─を政府に対して求めた。

 同会議は、第1・2類医薬品のネット販売を禁止する省令が今年1月の最高裁判所判決で否定されて以来、複数の事業者がネット販売を行っている現状を問題視し、ネット販売の規制緩和を緊急性・重要性の高い最優先案件として取り上げていた。


薬学教育と実務実習が一体化
日本薬学会が6年制薬学部の新コアカリ案を提示

 6年制薬学部における教育内容や到達目標をまとめた「薬学教育モデル・コアカリキュラム」(コアカリ)の改訂作業が進んでいる。日本薬学会の調査研究委員会はこのほど、薬学教育と実務実習を合体させて1つのコアカリにするとともに、内容をスリム化した改訂案をまとめ、3月11日に開催された文部科学省の「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」に提出した。

 現在のコアカリは、薬学部の6年制化が始まる前の2002年8月に作成されたもの。改訂案は、A基本事項、B薬学と社会、C薬学基礎教育、D衛生薬学教育、E医療薬学教育、F薬学臨床教育、G薬学研究─の7つの大項目から成り、現行のコアカリにおける事前学習や薬学実務実習はFに集約される。Fは薬学臨床教育基礎、処方箋に基づく調剤、薬物療法の実践、チーム医療への参画、地域の保健・医療・福祉への参画-の5つに分かれており、病院実習と薬局実習の区別をなくした。また、臨床実習中に薬物治療に継続して関わるべき疾患として、癌、高血圧、糖尿病、脂質異常症が挙げられている。

 文科省はこの改訂案を基に、近く中間まとめを作成する見込み。15年度から、新しいコアカリに沿った教育が始まる予定だ。


DPP4阻害薬2成分が全ての経口血糖降下薬やインスリンと併用可能に

 ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)阻害薬のビルダグリプチン(商品名エクア)とリナグリプチン(トラゼンタ)の効能・効果が「2型糖尿病」に変更された。いずれも3月末までに承認を取得。保険診療下で、全ての経口血糖降下薬およびインスリンと併用できるようになった。

 厚生労働省が2010年7月に公表した「経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン」にのっとって臨床試験を実施した。同ガイドラインでは、既承認の経口薬と治験薬の2剤併用療法の試験を行う際、現場で併用が想定される全ての組み合わせについて、1つの試験でまとめて評価することを推奨している。


ニュープロパッチ2.25mg、4.5mg、9mg、13.5mg《2013年2月26日発売》
日本初の経皮吸収型ドパミンアゴニスト製剤

 2月26日、パーキンソン病(PD)およびレストレスレッグス症候群(RLS)の治療薬のニュープロパッチ(一般名ロチゴチン)が発売された。日本初の経皮吸収型ドパミンアゴニスト製剤で、1日1回貼付することで、24時間安定した血中濃度を維持できる。

 ニュープロパッチ2.25mgと4.5mgの適応はPDおよび中等度から高度の特発性RLSであるのに対し、9mgと13.5mgの適応はPDのみである。

 PDに対しては通常、1日1回4.5mgから開始し、1週間ごとに4.5mg/日ずつ増量し、維持量(9~36mg/日)を定める。RLSに対しては通常、1日1回2.25mgから開始し、1週間以上の間隔を空けて2.25mg/日ずつ増量し、維持量(4.5~6.75mg)を定める。いずれの場合も、肩、上腕部、腹部、側腹部、臀部、大腿部の正常な皮膚に貼付し、24時間ごとに貼り替える。皮膚刺激を避けるため、貼付箇所は毎回変更する。また、貼付後、20~30秒間手のひらでしっかり押し付けて、皮膚面に完全に接着するよう指導する。

 ロチゴチンは、全てのドパミン受容体(D1~D5)への高い結合親和性とアゴニスト活性を持つ。PDの薬物治療においては、嚥下障害を伴いやすい、ドパミン受容体の間歇的刺激により不随意運動が発現するといった疾患の特性から、血中濃度を一定に保つ経皮吸収型製剤が望まれていた。

 ロチゴチンの添付文書の警告欄には、「前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤貼付中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること」と記載されている。

 また、妊婦または妊娠している可能性のある女性、同薬の成分に対し過敏症の既往歴のある患者に対しては、投与禁忌となっている。

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