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トクホの説明書
ポリデキストロース
日経DI2013年3月号

2013/03/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年3月号 No.185

 今どきの若者の栄養の偏りには、やや不安を覚える。若者は概して魚より肉を好み、野菜や穀類・豆類もあまり食べず、食物繊維の摂取が不十分だからだ。

 食物繊維は、摂取エネルギー100kcalに対して1gの摂取が推奨されている。だが実態は、20~49歳で0.68g、50~59歳で0.76g、60~69歳で0.86g、70歳以上では0.92gで、若いほど摂取量が少ない(厚生労働省2010年度「国民健康・栄養調査」)。

 食物繊維を手軽に補う方法の一つとして、「おなかの調子を整える」トクホの利用を考えてほしいものだ。「おなかの調子を整える」トクホには、排便回数の増加(2011年8月号)や便臭の改善(13年1月号)などが期待できることを紹介したが、今回は、便の硬さを硬度計で直接調べた研究に基づくトクホを紹介しよう。関与成分はポリデキストロースである。

 成人女性10人を対象に、早朝空腹時に、ポリデキストロースを7g含むトクホ飲料を7日間、続いて対照となるプラセボ飲料を7日間摂取させ、便の硬度を測定した。その結果、便の硬度は、トクホ飲料摂取期間の方がプラセボ飲料摂取期間に比べて有意に低かった(図1)。便の硬度と便中の水分含量には負の相関があり、水分の増加により便が軟らかくなったことが示された(図2)。便が軟らかくなれば、スムーズな排便が期待できる。

図1 ポリデキストロース入り飲料の摂取による糞便硬度の変化

図2 糞便硬度と糞便水分含量との関係

成人女性10人(平均年齢26歳)に、初めの7日間はポリデキストロース入り飲料、次の7日間はプラセボ飲料を早朝空腹時に1本(100mL)摂取させた。試験期間中の糞便を全量回収し、硬度を測定したところ、ポリデキストロース摂取期間中は有意(P<0.01)に硬度が低かった(図1)。糞便硬度と糞便水分含量の間には負の相関(P<0.0001)が認められた(図2)。(日本食物繊維研究会誌 1997;1:25-34.)

 ポリデキストロースは、いわゆる天然の食物繊維ではない。グルコース、ソルビトール、クエン酸を、高温・真空下で重合して製造する難消化性糖質だ。水溶性でありながら腸内細菌に利用されにくいという特徴があるので、糞便中の水分含量を増やす働きが強いと考えられる。

 ポリデキストロースを関与成分とする代表的なトクホがファイブミニ。トクホの制度が開始された初期からロングセラーを続ける商品である。

 これらを踏まえて、購入希望者にはこう説明すると良いだろう。「朝食前に飲むと、便の水分が増えて軟らかくなり、排便をスムーズにしてくれます」。

[1]ファイブミニ(大塚製薬TEL0120-550-708)1本(100mL)中にポリデキストロースが7g含まれる。1日1本を摂取の目安に。1本110円。
[2]アサヒ ファイバー7500(アサヒ飲料TEL0120-328-124)1本(500mL)中にポリデキストロース7.5gが含まれる。1日1本を摂取の目安に。1本158円。

講師
太田 篤胤
Atsutane Ohta
東京農工大学卒。テルモ、明治製菓を経て、2004年から城西国際大学薬学部教授。「オリゴ糖のミネラル吸収促進作用」の研究で、トクホを商品化した経歴を持つ。趣味はフルマラソン。

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