DI Onlineのロゴ画像

薬局なんでも相談室1
相談室1:眼軟膏の塗り方を知りたい
日経DI2013年3月号

2013/03/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年3月号 No.185

 眼軟膏の塗布部位は、主に眼の中、眼の中と炎症のある皮膚、主に皮膚、睫毛の根元など様々です。

 結膜炎や角膜炎では、炎症は眼の中に限局していますので、軟膏を、チューブの口から1cmほど点入(下まぶたを下に軽く引いて結膜嚢にそっと乗せる)します。

 麦粒腫や急性霰粒腫で抗菌薬の眼軟膏を処方する場合は、眼の中に多めに点入して、あふれた分を皮膚から患部に塗り広げます。霰粒腫で炎症がなくても、患部を小さくするためにステロイドの軟膏を使う場合も同じです。

 上眼瞼に患部があって、「眼の中に軟膏を入れてください」と患者さんに指示すると、どうすればよいのか悩まれることが多いようです。その際は、下眼瞼の結膜嚢に入れれば上眼瞼の結膜側にも薬が回るので問題ありません。

 眼軟膏を主に皮膚に塗るのは、涙などで眼の縁がただれていたり、アトピー性皮膚炎の症状が眼瞼に強く出ている場合です。まずステロイドを処方し、アトピー性皮膚炎では症状が軽快するとワセリンに切り替えます。接触皮膚炎では、ネオメドロールEE(一般名フラジオマイシン硫酸塩・メチルプレドニゾロン)や眼・耳科用リンデロンA(ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム・フラジオマイシン硫酸塩)を処方することがあります。しかし、これらに配合されているフラジオマイシンにかぶれるケースもあるので、注意が必要です。

 睫毛の内側のマイボーム腺や睫毛周辺の皮膚の炎症には、綿棒で睫毛の根元に塗布します。まずベビーシャンプーを薄めたもので眼瞼縁を洗い、抗菌薬、ステロイドを点眼して、抗菌薬の軟膏を綿棒で薄く塗ります。

 このほか、就寝時開瞼や兎眼では、乾燥を防ぐために軟膏を点入することがあります。これは、基剤に含まれる油分で眼が乾かないようにするのが目的です。日本には薬効成分を含まない眼軟膏がないので、フラビタン(フラビンアデニンジヌクレオチド)や抗菌薬の眼軟膏を処方します。

 兎眼で日中も乾燥がひどい場合には1日に数回塗りますが、朝だけ眼が乾く就寝時開瞼には、就寝前に塗ります。

 点入で起床時に眼が開けにくい、あるいはよく見えないようなら、綿棒でマイボーム腺に沿って薄く塗るとよいでしょう。量はゴマ粒ぐらいで十分です。

塗布回数にも注意が必要

 眼軟膏の使用頻度は、1日1~2回で指示することが多いようです。ただし、ヘルペスウイルス角膜炎へのゾビラックス(アシクロビル)と、クラミジアによる結膜炎に抗菌薬の軟膏を使う場合は、1日5回点入します。ヘルペスウイルスは初期に5回点入しないと耐性菌ができやすいとされています。また、クラミジアに抗菌薬を効かせるためには、頻回の点眼あるいは点入が必要です。

 眼軟膏の塗布部位や塗り方は、患者さん自身もきちんと理解していないことがあります。不明な点は処方元に問い合わせて、薬局内でも共有しておくとよいでしょう。

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ