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DIクイズ4(A)
DIクイズ4:(A)クラバモックスを粉で欲しいと言われたら
日経DI2013年2月号

2013/02/10
坂口裕一

日経ドラッグインフォメーション 2013年2月号 No.184

出題と解答 : 飯嶋 久志
(千葉県薬剤師会薬事情報センター)

A1

ボトル製剤、分包製剤

A2

(1)増える

 クラバモックス小児用配合ドライシロップは、βラクタマーゼ阻害薬のクラブラン酸カリウムとペニシリン系薬のアモキシシリン水和物を1:14で配合している。クラバモックス1.01g中、力価としてそれぞれ42.9mg、600mgを含有する。  同薬に含まれているアモキシシリン水和物は水に溶けにくいのに対し、クラブラン酸カリウムは吸湿性が高い。後者は30℃、相対湿度30%以上で吸湿し始め、30℃、相対湿度75%、開封下で保存すると、1カ月時点で褐色の粘稠な液状となることが示されている。

 そのため、クラバモックスのボトル製剤を調剤する時は、薬局でドライシロップに水を加えて調整した後、懸濁液として患者に渡す。具体的には、10.1g入りのボトル製剤に45mLの水を加えて十分に振り混ぜた後、1日投与量が0.75mL/kgとなるよう懸濁液を量り取って投薬瓶に小分けする。  このように、ボトル製剤の投与に当たっては、投与量の算出やドライシロップの計量、混和や賦形など、薬局における懸濁液の調整の煩雑さがしばしば問題となる。また、患者にとっても、懸濁液を冷蔵庫に保管しなければならないほか、使用時に十分振り混ぜた上で、1回投与量を量り取る手間を要する。

 そこで、調剤の簡便化と患者の利便性向上を図るため、2010年に発売されたのが分包製剤である。0.505gと1.01gの2つの規格があり、吸湿を防ぐためにアルミニウム袋にあらかじめ分包されているため、懸濁せずにそのまま患者に渡すことができる。

 クラバモックスの承認用量は、1日当たり96.4mg(力価)/kgであるが、分包製剤を使用する場合は、添付文書に記載されている体重換算による服用量の概算表(表)を目安とし、症状に応じて適宜投与量を決めることとされている。なお、この概算服用量は、承認用量からの誤差が最小となるよう体重幅が設定されているほか、特定使用成績調査での投与経験(48.2~153.0mg/kg/日)の範囲内であり、有効性・安全性に問題はないことが示されている。

 体重12kgのSちゃんに対する1日投与量は、ボトル製剤のドライシロップを量り取る場合は、96.4mg/kg×12kg÷642.9mg×1.01g=1.8gであるのに対し、分包製剤では2.02gとなる。ボトル製剤から分包製剤に変更する際には、用量変更について処方医に疑義照会を行う必要がある。

 なお、同薬は細かい粉末であるため飛散しやすく、粉末のまま服用すると誤嚥を招く恐れがある。分包製剤を投与する際は、(1)包装は勢いよく開封せず、はさみなどを使って静かに開封する、(2)水などに溶かして服用する、(3)開封した薬は飲み切る─ことを患者に必ず指導するようにしたい。

※ クラバモックス1.01g 中のクラブラン酸カリウムとアモキシシリン水和物の力価の和

表 クラバモックスの分包製剤の服用量目安

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こんな疑義照会を

イラスト:加賀 たえこ

 そちらにお掛かりのSちゃんのお母様から、クラバモックスのドライシロップを、ご家庭で水に溶かして飲む分包タイプに替えてほしいとのご希望がありました。クラバモックスは通常、薬局で水に溶かした上でお渡ししているのですが、お母様によると、以前、Sちゃんのご兄弟にクラバモックスの懸濁液を調剤した際、冷蔵庫で保管したり、振り混ぜたりと、手間が掛かって大変だったとのことです。

 ただ、あらかじめ分包された製剤には、0.505gと1.01gの2つの規格しかございません。添付文書に記載されている目安によると、体重12kgのSちゃんの場合、投与量は1日当たり2.02gとなります。用量が変わるため先生のご許可が必要なのですが、いかが致しましょうか。

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