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DIクイズ2(A)
DIクイズ2:(A)アレルギーではない蕁麻疹に抗アレルギー薬?
日経DI2013年1月号

2013/01/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年1月号 No.183

出題と解答 :今泉 真知子
(秋葉病院[さいたま市南区]薬剤科)

A1

(4)接触蕁麻疹

A2

(1)H2受容体拮抗薬、(2)ロイコトリエン受容体拮抗薬

 蕁麻疹は、痒みを伴う紅斑や局所的浮腫(膨疹)が突然出現する皮膚疾患である。真皮組織のマスト細胞が何らかの機序によって活性化し、ヒスタミンをはじめとする生理活性物質が放出されることで、血管拡張(紅斑)や血漿成分の漏出(膨疹)、痒みが生じると考えられている。

 マスト細胞を活性化する機序は、蕁麻疹の病型によって異なる。よく知られているのはI型アレルギー反応である。これはまず、体内に侵入した物質(抗原)に対して抗原特異的IgE抗体が産生され、マスト細胞に結合する。その後、再び侵入した抗原がマスト細胞表面のIgEと結合して架橋を形成することで、マスト細胞を活性化する。ただし、表に示す蕁麻疹の病型分類のうち、I型アレルギー反応に起因するものは、(3)アレルギー性の蕁麻疹、(4)食物依存性運動誘発アナフィラキシー、(9)接触蕁麻疹─の3病型のみであり、全体の3~9%にすぎない。

表 蕁麻疹の病型分類

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 最も頻度が高いのは、明らかな誘因がないにもかかわらず毎日のように膨疹が出現する特発性の蕁麻疹であり、全体の約7割を占めるとされている。そのうち慢性蕁麻疹(発症から1カ月以上経過したもの)は成人女性によく見られ、夕方から夜間にかけて症状が出現・悪化する場合が多い。特発性の蕁麻疹の病態に関わる因子には、一過性の感染、食物、薬剤、疲労、IgEまたは高親和性IgE受容体に対する自己抗体などがあるが、慢性蕁麻疹の原因を特定することは困難である。

 一般に蕁麻疹の治療では、(1)原因や悪化因子の除去・回避、(2)薬物療法による症状の鎮静化─が基本となるが、特発性の蕁麻疹では後者に重点が置かれる。前述のように蕁麻疹の発症にはヒスタミンの放出が関わっているため、抗ヒスタミン薬(H1受容体拮抗薬)が治療の中心となる。中枢組織への移行性が少なく、鎮静性の低い第二世代抗ヒスタミン薬が第一選択薬として推奨されている。効果発現には個人差があり、1~2週間継続投与して十分な効果が得られない場合は、増量したり他の抗ヒスタミン薬に変更したりする。

 ただし、抗ヒスタミン薬のみでは改善しないケースも少なくない。そのような難治例に対しては、H2受容体拮抗薬やロイコトリエン受容体拮抗薬などの補助的治療薬を用いる(いずれも保険適用外)。これらを追加しても強い症状が続く場合は、必要性と副作用のリスクを十分に考慮した上で経口ステロイドが用いられる。

参考文献
1)日本皮膚科学会雑誌 2011;121:1339-88.
2)Credentials 2012;48;6-12.

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 お仕事でお疲れのところに蕁麻疹が出てしまって、おつらいでしょうね。蕁麻疹には幾つかのタイプがありますが、Jさんが先生からお聞きになった特発性の蕁麻疹は、明らかな原因がないのに出る蕁麻疹のことです。蕁麻疹の患者さんのうち、約7割は特発性で、ストレスが関わっている場合もあります。特定の食べ物などへのアレルギーが原因の方は、実は10~30人に1人ほどです。

 どのタイプの蕁麻疹も、主にヒスタミンという物質が発疹や痒みなどの症状を引き起こしているので、症状を和らげるためにヒスタミンの働きを抑えるお薬を使います。ヒスタミンはくしゃみや眼の痒みなどのアレルギー症状の原因でもあるので、先生は「アレルギーのお薬」と説明されたのでしょう。効果が出るまでに数日間かかる場合があるので、すぐに症状が治まらなくても、毎日きちんと服用してください。

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