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プロピオン酸菌による乳清発酵物
トクホの説明書
日経DI2013年1月号

2013/01/10

日経ドラッグインフォメーション 2013年1月号 No.183

 人間の感覚には“慣れ”がある。五感の中で、慣れが特に起こりやすいのが臭覚である。例えば、焼き肉を食べた後のニンニク臭などはすぐに慣れてしまうので、他人から指摘されるまで気づかないことも多い。

 トイレの後の臭いもその一つ。トクホの保健の用途として最も多い「おなかの調子を整える」の意味には、便臭の低減も含まれている。

 便臭の原因は、大腸に到達した未消化物が腸内細菌で分解されて生じる、インドールやスカトールという腸内腐敗産物だ。ビフィズス菌や乳酸菌といったプロバイオティクス(本誌2011年7、8月号)は、こうした腐敗産物の産生が少ないので、腸内細菌の大部分をこれらの細菌が占めている乳児の便は、大人の便のように臭くはないのである。

 おなかの調子を整えるトクホの関与成分の大部分は、食物繊維やオリゴ糖などの難消化性の糖質である。今回紹介する関与成分は、これらとは異なり、チーズを作る際に用いるプロピオン酸菌で乳清を発酵させた際に産生する「1,4-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸(DHNA)」である。DHNAは、腸内のビフィズス菌を増やすことを通じて、おなかの調子を整えるとともに、便臭を低減させる。

 図は、女子大生7人を対象に、DHNAを300mg含有するタブレットまたはプラセボタブレットを、1日3錠、2週間摂取させ、それぞれの摂取期間中の糞便中のインドールとスカトールの量を比較した二重盲検クロスオーバー比較試験の結果である。インドール、スカトールともに、DHNA摂取期間中で有意に少なかった。

図 DHNA配合タブレット摂取によるインドール、スカトール量の変化

女子大生7人(平均年齢19.1歳、体重51.5kg)に、DHNA含有タブレットまたはプラセボタブレットを、1日3錠、2週間摂取させた後、2週間の間隔を空けて、もう片方のタブレットを、1日3錠、2週間摂取させた。糞便中のインドール、スカトールの量は、DHNA摂取期間で有意に少なかった。(Bioscience Microflora. 2002; 21:115-20.)

 これらを踏まえて、購入希望者にはこう説明するとよいだろう。「DHNAという成分が含まれているトクホです。食物繊維とは異なる働きで、おなかの調子を整えます。トイレの後の臭いが低減することも期待できます」。

(1)おなか活力タブレット(明治TEL0120-262-369)3粒中にプロピオン酸菌による乳清発酵物が(DHNAとして)6.6μg以上含まれる。1日3粒を摂取の目安に。3粒×14袋入り840円。(2)おなかピオ(ファンケルTEL0120-750-210)3粒中にプロピオン酸菌による乳清発酵物が(DHNAとして)6.6μg以上含まれる。1日3粒を摂取の目安に。3粒×30袋入り2940円。

講師
太田 篤胤
Atsutane Ohta
東京農工大学卒。テルモ、明治製菓を経て、2004年から城西国際大学薬学部教授。「オリゴ糖のミネラル吸収促進作用」の研究で、トクホを商品化した経歴を持つ。趣味はフルマラソン。

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