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トクホの説明書
低分子化アルギン酸ナトリウム
日経DI2012年12月号

2012/12/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年12月号 No.182

 “コピー食品”と言うと、読者の皆さんは何を思い浮かべるだろうか。精進料理のために雁の肉の代用品として開発されたがんもどきや、トクホにもなっている魚肉ソーセージなどは、もはやコピー食品の域を脱し、立派な一つの食品として成立している。カニカマボコや人工イクラを思い浮かべた人もいるだろう。特に、人工イクラの完成度の高さは、他のコピー食品に類を見ないものだと思う。

 人工イクラの皮の部分は、昆布に含まれる食物繊維の一種で、カルシウムと反応して固まる性質を持つアルギン酸でできている。アルギン酸溶液をカルシウム溶液に滴下すると、表面が固化し、イクラそっくりの球状になるのである。ちなみに赤い部分は、油にカロチンを溶かしたものらしい。実に見事である。

 このアルギン酸を酵素で分解してできる低分子化アルギン酸ナトリウムが、「おなかの調子を整える」と「コレステロールが高めの方に適する」の2つの保健の用途を持つトクホの関与成分として認められている。

 「おなかの調子を整える」根拠となった臨床試験の結果を図に示した。1週間に5回以上排便のある健常成人(男性5人、女性10人)を対象に、1週目はプラセボ飲料、2週目は低分子化アルギン酸ナトリウム入りの飲料を摂取させ、7日間の総排便重量(左)と7日目の便中水分含有率(右)を調べたところ、トクホ飲料期間ではプラセボ飲料期間に比べて、いずれも有意に増加した。

図 低分子化アルギン酸ナトリウム配合飲料摂取による排便の変化

1週間に5回以上排便のある健常成人15人(男性5人、女性10人)に、1週目はプラセボ飲料、2週目は低分子化アルギン酸ナトリウムを4g含む飲料を、7日間ずつ摂取させた。7日間の総排便重量、7日目の便中水分含有率のいずれも、低分子化アルギン酸ナトリウム飲料摂取期間の方が有意に高かった(*:P<0.05)。(新薬と臨床 1998;47:1477-82.)

 低分子化アルギン酸ナトリウムは水溶性の食物繊維であり、腸内でコレステロールを吸着して、便とともに排出される。また、便の水分量を増やし、消化管内を移動しやすくすることで、便通を改善させる。

 これらを踏まえて、購入希望者にはこう説明するとよいだろう。「昆布由来の水溶性食物繊維である、低分子化アルギン酸ナトリウムという成分が含まれているトクホです。お通じをよくする働きのほか、コレステロールを下げる働きも期待できます」。

(1)コレカットレモン(カイゲンTEL0120-101-329)1缶(150g)に低分子化アルギン酸ナトリウムが4g含まれる。1日1缶を摂取の目安に。30缶セットで6300円。(2)コレスケア(大正製薬TEL03-3985-1800)1缶(150g)に低分子化アルギン酸ナトリウムが4g含まれる。1日1缶を摂取の目安に。30缶セットで6300円。

講師
太田 篤胤
Atsutane Ohta
東京農工大学卒。テルモ、明治製菓を経て、2004年から城西国際大学薬学部教授。「オリゴ糖のミネラル吸収促進作用」の研究で、トクホを商品化した経歴を持つ。趣味はフルマラソン。

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