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DIクイズ4(A)
DIクイズ4:(A)パーキンソン病治療薬の変更に戸惑う患者
日経DI2012年11月号

2012/11/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年11月号 No.181

出題と解答 : 今泉 真知子
(秋葉病院[さいたま市南区]薬剤科)

A1

プラミペキソール塩酸塩水和物の速放錠であるビ・シフロールは、0.125mg錠と0.5mg錠が発売されているのに対し、同成分の徐放錠であるミラペックスは0.375mg錠と1.5mg錠であるため、切り替え前の投与量によっては、同じ量を投与できない場合がある。

 パーキンソン病の治療では、主にLドーパとドパミンアゴニストの2種の薬剤が使われる。日本神経学会が発行する『パーキンソン病治療ガイドライン2011』では、未治療のパーキンソン病患者に対して、患者の年齢が比較的若く、認知機能障害や精神症状がない場合は、ドパミンアゴニストで治療を開始するとされている。ドパミンアゴニストには麦角系と非麦角系があるが、麦角系は心臓弁膜症や線維症の報告が多いため、非麦角系が優先して使用される。

 Fさんは早期のパーキンソン病であり、また60歳と比較的若いことから、診断後は非麦角系ドパミンアゴニストであるプラミペキソール塩酸塩水和物(商品名ビ・シフロール)が処方されていたと考えられる。

 ビ・シフロールは、パーキンソン病を適応症として2004年1月に発売された速放(IR)錠であるが、維持期には1日2~3回服用する必要があり、服薬不遵守によるコントロール不良や副作用が起こることが問題になった。そのため、有効成分が同じプラミペキソール塩酸塩水和物で、放出が緩やかで1日1回服用するよう設計された徐放(LA)錠のミラペックスが11年7月に発売された。Fさんの主治医も、利便性や服薬遵守を考えて、今回、ビ・シフロールをミラペックスに変更したと考えられる。

 ミラペックスは、臨床試験によって、早期(Lドーパ非併用)および進行期(Lドーパ併用)のパーキンソン病の各種症状に対する有効性が認められた。また、ビ・シフロールと同等の有効性も確認された。

 ビ・シフロールからミラペックスに変更する際には、例えば、夕食後に最後のビ・シフロールを服用し、その翌日からミラペックスの服用を開始するというように、翌日からの切り替えが可能である。

 ただし、投与量については、ビ・シフロールが0.125mg錠、0.5mg錠が発売されているのに対し、ミラペックスは0.375mg錠と1.5mg錠であるため、切り替え前の投与量によっては、以前と同じ量を投与できない場合があることに注意が必要だ。

 ミラペックスの臨床試験では、用量調節期において、表に示す1日用量で、IR錠からLA錠への切り替えが行われた。その結果、Lドーパ非併用・併用パーキンソン病患者を対象とした臨床試験において、80%以上の患者が切り替えに成功したことから、基本的には表を参考にして、切り替え後の1日用量を設定するのが適切であると考えられている。

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 Fさんはこれまでビ・シフロールを1日2.5mg服用していたことから、ミラペックスLAは3.0mg程度を服用するのが望ましいと考えられる。切り替え後は患者の状態を十分観察しながら、必要があれば用量調節を行うこととされている。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 今回、新しく処方されたミラペックスは、先生がお話しになった通り、これまで服用されていたお薬と同じ成分で、1日1回飲むだけでいいように作られています。先生はFさんが飲みやすいよう、お薬を変更されたのだと思います。

 ご心配されている通り、新しいお薬は、服用量が以前と少し異なりますが、これは間違って処方されたのではありません。これまで服用していた薬と新しい薬では、1錠に含まれている量が異なるので、以前と同じ量が処方できない場合があるのです。Fさんには、以前と変わらない効果を示す量が処方されていますので、安心して服用してください。

 今夜はこれまでのビ・シフロールを飲んで、明日の朝からミラペックスを飲んでください。自宅にビ・シフロールが残っていたら、ミラペックスと一緒に飲まないようにして、次回、薬局にお持ちくださいね。

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