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DIクイズ1(A)
DIクイズ1:(A)喘息児へのホクナリンテープの使い方
日経DI2012年11月号

2012/11/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年11月号 No.181

出題と解答 : 東風平 秀博
(田辺薬局株式会社[東京都中央区])

A1

(2) 治療ステップ2

A2

上気道感染の症状が出始めてすぐにツロブテロール貼付薬(商品名ホクナリンテープ他)を貼付すると、症状の急性増悪を抑制できるため。

 気管支喘息の治療に使われる薬剤は、発作治療薬と長期管理薬に大別される。日本小児アレルギー学会が2011年10月に改訂した『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012』では、長期管理に使用する薬剤について、治療ステップ(1~4)ごとに推奨薬を提示している(表)。今回、Oちゃんに処方されたツロブテロール貼付薬(商品名ホクナリンテープ他)は、長時間作用型のβ2刺激薬で、治療ステップ3の追加治療、あるいは治療ステップ4の基本治療に用いる長期管理薬と位置付けられている。

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 しかし、実臨床では、治療ステップが2の小児患者にも、ツロブテロール貼付薬がしばしば処方されている。Oちゃんは、ロイコトリエン受容体拮抗薬であるプランルカスト水和物(オノン他)とテオフィリンの徐放薬(テオドール他)を定期服用しているが、治療ステップ3で必須の吸入ステロイドは処方されていないため、治療ステップは2に相当すると考えられる。

 さて、今回、Oちゃんの主治医はツロブテロール貼付薬を、かぜなどで咳が出始めたらすぐに使うよう母親に指示している。この使い方は「早めの追加治療(Early Supporting Use)」と呼ばれ、呼吸器症状の急性増悪の抑制に有用であることが、2011年に発表された臨床試験「PETスタディー」で示されている。

 PETスタディーの対象は、ロイコトリエン受容体拮抗薬や吸入ステロイドなどによる長期管理を受けている気管支喘息の小児80人。保護者にツロブテロールまたはプラセボの貼付薬を28枚渡して、患児に咳や発熱など上気道感染の症状が見られたら貼付するよう指示し、呼吸器症状を1年間記録してもらった。その結果、ツロブテロール貼付群ではプラセボ群よりも1年間の呼吸器症状スコア合計点が有意に低く、上気道感染時の呼吸器症状改善に要した時間も有意に短かった。

 ツロブテロールの貼付薬を早めの追加治療として用いる場合は、かぜなどで呼吸器症状が現れてから症状がなくなるまでの間、継続して使う。ただし、ツロブテロールには即効性はないため、貼付から数時間たっても症状が改善しない、あるいは増悪する場合は、発作治療薬の短時間作用型β2刺激薬を用いるよう指導しておくことが大切である。

1)日本小児アレルギー学会「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012」
2)アレルギー・免疫 2011;18:1683-90.
3)Allergy Asthma Proc. 2012;33:e28-e34.

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 これまで喘息の発作が起こったときに使っていたホクナリンテープを、かぜで咳が出たらすぐに貼るように指示されたのですね。

 確かにこのお薬は、発作が出た時に追加で使う薬です。しかし、最近、この「追加の治療」を、かぜを引いてこれから発作が出るかもしれないという時から早めに行うことで、ひどい発作が防げることが分かってきました。それで先生は、Oちゃんにも早めの追加治療を行うことにしたのだと思います。

 ホクナリンテープの貼り方はこれまでと同じですが、咳などかぜの症状が出始めた日から、症状が収まるまで使います。もしテープを貼って数時間しても症状が良くならないようでしたら、メプチンを吸入させてくださいね。テープやメプチンをどれくらい使ったかメモしておいて、次回の受診で先生に伝えてください。

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