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薬局なんでも相談室2
相談室2:「薬代がない」と言われたら
日経DI2012年11月号

2012/11/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年11月号 No.181

 はじめの65歳の患者のケースについては、悩む必要は全くありません。次回の来局時に、「前回の分、お支払いいただいておりませんので、今回合わせてお支払いいただきます」と言えば、おそらく問題ないでしょう。

 私は仕事柄、医療機関から患者とのトラブル事例の相談を受けていますが、“確信犯”を除いて、患者本人から「これだけしか持ち合わせがないので…」などと率直に申し出ている場合は、次回に未納分を持参することがほとんどで、後でもめるようなことはありません。

 問題なのは、以前に経験されたような、口約束をして患者が姿をくらましてしまうケースです。これは医療機関でも非常に問題になっています。

 医療における未収金は、1件当たりの額が比較的低いことが多く、弁護士に介入してもらって回収することは、そぐわないと思われます。

 こうした場合、自宅に手紙を送る、電話をかける、事例によっては自宅に訪問している医療機関が多いといえます。薬局でも同様に対応した方がよいと思います。

 患者の心理を考えると、時間がたつと、払いに来にくくなっていることもありますので、自宅に行ってみたら払ってくれたというケースも少なくありません。

 未収金への対策は、薬剤師間で差が生じないよう、一定のルールを作っておくべきです。「持ち合わせがない」と言われたら、そもそも薬は渡さないという姿勢を徹底してもよいと思いますし、あるいは、少額でもよいので一定額は預かるようにし、後で残額を払うという念書などを書いてもらいましょう。

 そういったことに難癖を付け、払う態度を見せないようなら、「薬局の方針で薬は渡せません。申し訳ありませんが、他の薬局でもらってください」と厳しく突っぱねてよいと思います。

 薬剤師法第21条には「調剤の求めがあった場合には、正当な理由がなければ、これを拒んではならない」とあります。この「正当な理由」の解釈として、司法の専門家の間では、モンスターペイシェントや悪質な未払い(頻回、額が大きい、態度が悪いなど)も含められるようになってきています。

 未収金を放置すると、その患者はあちこちで繰り返すようになり、「あの薬局は甘い」という評判も立ちかねません。毅然とした態度で対応することを心掛けてください。

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