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トクホの説明書
モノグルコシルヘスペリジン
日経DI2012年10月号

2012/10/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年10月号 No.180

 微量で代謝を調節する働きがあることから、発見当初はビタミンと考えられたものの、実はそうではなかったという成分が世の中に多数存在する。ビタミンと呼ばれなくなった理由としては、生体内で合成されること、そのため食物から摂取する必要がないこと、生体の組織の構成成分になっていることなど様々だ。

 よく知られたところでは、キャベジン(S-メチルメチオニン)がビタミンU、不飽和脂肪酸がビタミンFと呼ばれていたことがある。今回紹介するヘスペリジンも、かつてはビタミンPと呼ばれていた。

 ヘスペリジンはフラボノイドの一種であり、柑橘類、特にみかんの皮や筋、袋などに多く含まれている。薬剤師には、漢方薬として使われる陳皮の主成分と説明する方が分かりやすいかもしれない。

 このヘスペリジンが、中性脂肪が気になる方に適したトクホの関与成分として許可された。ヘスペリジンは溶解性が低く体内に吸収されにくい性質を持つため、トクホには、酵素反応でグルコースを結合させ溶解性を高めたモノグルコシルヘスペリジンが配合されている。

 モノグルコシルヘスペリジンは、食品添加物として既に認められている。その用途は主として栄養強化剤である。ビタミンではなかったものの、食品の栄養を強化する成分として利用されてきた。それが最近になって、肝臓での脂肪酸の合成を抑える作用や、脂肪酸の分解を促進する作用があり、中性脂肪を低下させることが新たに分かったのだ。

 図は、モノグルコシルヘスペリジンを340mg含有する茶飲料を1日1回、12週間にわたって摂取させた際の、血清トリグリセリド値の変化を示したものである。茶飲料の摂取を開始して4週間後には、摂取前(0週)、および対照飲料群に比べて、有意な低下が見られた。

図 モノグルコシルヘスペリジン配合茶飲料摂取後の血清トリグリセリドの変化

血清トリグリセリド値がやや高め(120~200mg/dL)の成人85人を対象に、モノグルコシルヘスペリジンを340mg含有する試験飲料(n=42)または同成分を含まない対照飲料(n=43)を、1日1回、12週間摂取させた。試験飲料群では対照飲料群、および摂取前に比べて、血清トリグリセリド値に有意な低下が認められ、摂取期間中維持された。#:0週に比べてP<0.05、##:同P<0.01、###:同P<0.001、*:対照飲料に比べてP<0.05(健康・栄養食品研究. 2008;11:15-28.)

 これらを踏まえて、購入希望者にはこう説明するとよいだろう。「みかんの皮や筋、袋などに多く含まれているヘスペリジンというフラボノイドを配合したトクホです。飲み続けると、気になる中性脂肪を下げてくれることが期待できます」。

(1)スタイリースパークリング(伊藤園TEL0800-100-1100)1本(500mL )中にモノグルコシルヘスペリジンが340mg含まれる。1日1回、1本を摂取の目安に。1本157円。(2)ミドルケア 粉末スティック(大正製薬TEL03-3985-1800)1包(4g)中にモノグルコシルヘスペリジンが340mg含まれる。1包を約130mLのお湯または水に溶かして飲む。1日1包を摂取の目安に。1箱(30包入り)2940円。

講師
太田 篤胤
Atsutane Ohta
東京農工大学卒。テルモ、明治製菓を経て、2004年から城西国際大学薬学部教授。「オリゴ糖のミネラル吸収促進作用」の研究で、トクホを商品化した経歴を持つ。趣味はフルマラソン。

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