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患者指導ワンポイントレッスン
Lesson7 口内炎のケア
日経DI2012年10月号

2012/10/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年10月号 No.180

 口内炎は、口腔粘膜(歯肉、頬、舌、口腔底、口蓋など)に生じるびらん、潰瘍などの炎症を伴う疾患の総称である。口内炎で最も多く見られるのはアフタ性口内炎である。

 アフタとは、表面が白い偽膜に覆われた浅い潰瘍で、アフタ性口内炎は、その潰瘍の周囲に赤いリング状の病変(紅暈)が見られるのが特徴である。

 様々な年齢で発症するが、特に思春期以降の女性に多いとされる。通常は2週間程度で自然治癒するが、強い疼痛を伴い、特に食事の際に、痛い、染みるなど不快なものである。

歯磨きやうがいで清潔に

 口内炎の患者に対しては、まず口腔内を清潔にするよう指導することが重要だ。通常、口腔常在菌には強い病原性はないが、歯垢が蓄積すると菌叢が変化して病原性が強まり、患部から二次感染を起こす可能性があるからだ。

 まず、歯ブラシで丁寧にブラッシングして歯垢を除去する。その後、含嗽薬のポビドンヨード(商品名イソジンガーグル液他)、または市販の洗口液を使ってうがいをする。洗口液は、アルコールを含んでいると患部が染みることがあるので、アルコールを含まない低刺激性のものを薦めるとよいだろう。当院では、十分な消毒効果が得られるよう、「ブクブクうがいで20秒」を目安にうがいをするように指導している。

 含嗽薬や洗口液で希釈して使うものは、指示通りきちんと希釈するよう伝えてほしい。より高い効果を期待して濃度の高いまま使用する患者がいるが、アレルギー反応を引き起こす可能性もあるので注意する。逆に、濃度が低過ぎると期待する効果が得られない。

水分を取ってから薬剤を

 口内炎治療用のステロイド軟膏や貼付剤は、薬効成分に加えて、粘膜への付着性が大きい基剤を使用している。基剤は唾液など水分により膨潤し、膜を作って患部を被覆保護する。

 患部粘膜が唾液などで著しくぬれていると、患部に薬剤が付着しないことがある。薬剤を付ける前に、ティッシュペーパーやガーゼでそっと押さえるようにして、余分な水分を取るとよい。

 ケナログ口腔用軟膏(一般名トリアムシノロンアセトニド)の添付文書の用法・用量には「適量を1日1~数回患部に塗布する」と書かれている。私は「適量」を、「1カ所の口内炎に、マッチの先端部分ぐらいの量」と患者に説明している。清潔にした指で塗ってもよいが、綿棒を使うと塗りやすい。綿棒に軟膏を載せて塗った後、綿棒の反対側に水を付けて軟膏に水分を与えてもよいだろう。

 軟膏は、潰瘍部分だけでなく、紅暈の外側(1~2mm程度)にも塗り広げるよう指導する。食事をすると物理的刺激により取れやすいので、食後および就寝前に塗付させるとよい。

 同成分の貼付剤であるアフタッチ口腔用貼付剤は、白色層(薬剤層)と淡黄赤色の支持層からなる円形の薄い二層錠である。指先に少し唾液を付けて支持層を付着させ、薬剤層を患部に軽く当てて、2~3秒指先で押さえるようにする。

 同成分のワプロン口腔用貼付剤は、薬剤層が淡黄赤色、支持層が白色半透明である。このほかOTC薬もあるが、薬剤によって薬剤層と支持層の色が異なるので、間違えないように薬局で患者に説明してほしい。

 口内炎が2週間経過しても改善しない、あるいは悪化したとき、直径が1cmを超えるような大きな病変が見られたとき、口内炎が同時に多発しているときなどは、口腔癌などの可能性があるので、歯科口腔外科や耳鼻咽喉科などを速やかに受診するように指導する。

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