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日経ドラッグインフォメーション 2012年10月号 No.180

重篤な低Ca血症の報告で
ランマーク皮下注120mgに
安全性速報(ブルーレター)

 厚生労働省は9月11日、骨病変治療薬のデノスマブ(商品名ランマーク)について、同薬との関連が否定できない低カルシウム血症による死亡例が2例報告されたことなどを受けて、安全性速報(ブルーレター)を発出した。

 同薬は、2012年4月の発売以降、約7300例の患者に使用され、8月31日までに死亡例2例を含む重篤な低カルシウム血症の副作用が32例報告された。製造販売元の第一三共は、同薬の添付文書に「警告」欄を新設し、同薬の投与前、および投与後も頻回に血清カルシウムを測定することや、カルシウムやビタミンDを補充することなどを記載した。


テラプレビルによる
腎機能障害のリスク因子は
糖尿病、高血圧、高齢

 C型肝炎治療薬のテラプレビル(テラビック)について、製造販売元の田辺三菱製薬は、全例調査の2194例を対象に腎機能障害の発現に影響を及ぼすリスク因子を調べた結果を発表した。もともと腎機能障害がある患者に加え、糖尿病や高血圧、高齢の患者で腎機能障害を発症しやすかった。同社は、リスク因子がある患者に対しては、特に投薬開始時の投与量に注意し、腎機能検査を行いながら慎重に治療を行うよう求めた。

 同薬については、重篤な腎機能障害が報告されたとして、2012年6月に、投与時に定期的に腎機能検査を行うよう、添付文書が改訂されている。


厚労省が来年度の概算要求
薬局の災害時拠点確保に
新たに5億円を計上

 厚生労働省は9月5日、2013年度予算の概算要求を公表した。災害への備えとして、東日本大震災復興特別会計として9億8600万円を要求。うち、災害時に医薬品などの供給や支援薬剤師の受け入れの拠点となる薬局を整備し、災害発生初期の医療体制を確保するための予算として、新たに5億円を盛り込んだ。

 また、地域医療の強化のための緊急対策のうち、在宅医療の充実強化に23億円を要求。うち、薬局を活用した薬物療法提供体制の強化に新たに2億円を要求した。そのほか、後発医薬品の品質確保や薬物乱用対策についての予算の増額も求めた。


調剤ポイント制度で
厚労省が通知
年度内は処分しない方針

 調剤ポイント制度に関連して、厚生労働省は9月14日付の通知(保医発0914第1号)で、10月1日からポイントの付与を原則禁止とするが、今年度内は違反に対する処分などは行わない方針を示した。クレジットカードや、一定の汎用性のある電子マネーによる支払い時のポイントの付与については、年度内をめどに検討するとした。

 同制度については、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(薬担規則)に「経済上の利益の提供による誘因の禁止」を新設することが中央社会保険医療協議会で了承され、原則禁止の方針が示されていた。


日薬、薬局における
無菌製剤の調製について
指針を公表

 日本薬剤師会は8月23日、薬局で無菌製剤(注射剤)を調製する際にどのような取り組みを行うべきかをまとめた「薬局における無菌製剤(注射剤)の調製について」を公表した。同指針では、薬局における無菌製剤の調製の現状や、調製を行うための環境についての基本的な考え方などが示されている。

 さらに、この指針の中で「無菌室管理マニュアル(モデル)」の第1版を公表し、日常の管理や清掃、保守点検の記録管理、無菌室への入室から退室までの流れなどについてポイントや例を紹介した。指針の内容は、日薬のウェブサイトの会員向けページに公開されている。


日本くすりと糖尿病学会
第1回学術集会を
星薬科大で開催

 第1回日本くすりと糖尿病学会学術集会(会長:北里大学薬学部教授の厚田幸一郎氏)が9月22~23日、東京都品川区の星薬科大学で開催された。学会の設立目標は、(1)糖尿病の薬物治療において、薬剤師が療養指導などを通して薬の適正使用により積極的に取り組む、(2)薬剤師による療養指導の成果を明らかにし、糖尿病治療における薬剤師の存在感を高める、(3)研修会などを通して、糖尿病療養指導士の育成やスキルアップを担う─など。糖尿病療養指導士の資格を持つ薬剤師は全国で約2600人いるが、院内で活躍の場がないなどの問題が指摘されている。


オーキシス9μgタービュヘイラー28吸入
《8月28日薬価収載、9月3日発売》
即効性を兼ね備えた吸入長時間作用型β2刺激薬

 9月3日に、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬のホルモテロールフマル酸塩水和物吸入剤(商品名オーキシス9μgタービュヘイラー28吸入)が発売された。適応は「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩和」で、用法・用量は「1回1吸入(9μg)を1日2回吸入投与」となっている。

 COPDは、喫煙習慣が主な原因となる肺の生活習慣病である。進行性で、息切れなどにより日常生活に支障を来し、酸素吸入が必要になることも珍しくない。日本では500万人以上が罹患していると推定されている。

 COPDの治療ガイドラインは国内外で作成されており、日本でも2009年に『COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第3版』(日本呼吸器学会)が公表されている。薬物治療は、気管支拡張薬(特に吸入製剤)が中心となるが、中でもチオトロピウム(スピリーバ)などの長時間作用型抗コリン薬と、長時間作用型β2刺激薬が、軽症から重症を含めた安定期COPDの第一選択薬とされている。長時間作用型β2刺激薬であるホルモテロールは、1986年から経口薬(錠剤とドライシロップ製剤、商品名アトック)が使用されている(適応は喘息や気管支炎など)。

 今回発売された吸入製剤は、吸入から5分後に肺機能検査値(一秒量:FEV1)が改善するなど、短時間作用型β2刺激薬と同程度に作用発現が速やかな点が特徴である。さらに、その作用が12時間以上持続することが認められている。COPD治療薬としては、海外では02年に欧州連合(EU)で承認されて以降、世界約70カ国で承認されている。

 承認時までの国内臨床試験や国際共同臨床試験(日本人患者を含む)では、3.3%の副作用が認められている。重大な副作用として、重篤な血清カリウム値の低下も報告されているので、十分に注意する必要がある。

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