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トクホの説明書
小麦アルブミン
日経DI2012年9月号

2012/09/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年9月号 No.179

 民主党が分裂し、「国民の生活が第一」なる新政党ができた。2009年に政権交代を果たしてから、わずか3年で分裂とは…。

 政治の話題に深入りするつもりはないが、実はこの政権交代、トクホにも大きな影響を与えた。トクホのマークには現在、「消費者庁許可」と記されているが、以前は「厚生労働省許可」だった。これは、トクホのみならず、全ての食品の表示を、消費者庁が一元管理することになったためである。

 消費者庁の所管となってから、トクホの情報公開は進んだように感じる。消費者庁のウェブサイトで、それぞれのトクホについて、保健の用途の表示許可を受ける過程や、許可に必要な臨床試験の要件などが公開されるようになった。筆者がトクホの開発を手掛けていた初期の頃は全くの暗中模索だったので、隔世の感がある。

 さて、本題に移ろう。この欄で以前に、食後血糖値の上昇を抑えるトクホとして難消化性デキストリンを紹介した。この作用が長期に続けば、他の臨床指標も改善されそうなものだ。

 実際、小麦アルブミンでは、そうした結果が報告されている。図は、2型糖尿病患者13人を、HbA1c値が6.0%以上7.0%未満の低値群(9人)と、7.0%以上の高値群(4人)に分けた上で、でんぷんを分解するαアミラーゼに対する阻害作用を持つ小麦アルブミンを含むスープを1日3回、3カ月間飲ませた際の、HbA1c値の変化を観察した結果である。どちらの群も摂取前に比べて有意な低下が認められた。

図 小麦アルブミン入りスープ摂取後のHbA1c値の変化

2型糖尿病患者13人を、HbA1c値が6.0%以上7.0%未満の低値群(9人、◆)と、7.0%以上の高値群(4人、■)に分け、小麦アルブミンを含有するスープを1日3回、3カ月間摂取させた。どちらもベースラインに比べてHbA1c値が有意に低下した。
(Eur J Clin Nutr. 2005;59:384-92.)

 ちなみに「血糖値が気になる方に適する」との表示が認められるために必要な臨床試験の要件は、「糖尿病の境界型の被験者を主要な対象とした12週以上の試験を行うこと」となっている。今回紹介する臨床試験は、この要件が公表される以前に行われたもので、実際の糖尿病患者を対象としており、貴重なデータである。

 これらを踏まえて、購入希望者にはこう説明するとよいだろう。「でんぷんの消化を抑え、血糖値を上がりにくくする働きのある小麦アルブミンが入ったトクホです。長く飲み続ければ、HbA1c値の低下も期待できます」。

(1)グルコデザイン チキンコンソメスープ(日清ファルマ TEL0120-86-2482)1袋(5.5g)中に「0.19小麦アルブミン」が125mg含まれる。1食につき1袋、1日3袋を摂取の目安に。1箱(30袋入り)3990円。(2)ミキグルコエイド[K](三基商事 TEL0120-066-400)1袋中に「0.19小麦アルブミン」が125mg含まれる。1食につき1袋、1日3袋を摂取の目安に。1箱(30袋入り)4725円。

講師
太田 篤胤
Atsutane Ohta
東京農工大学卒。テルモ、明治製菓を経て、2004年から城西国際大学薬学部教授。「オリゴ糖のミネラル吸収促進作用」の研究で、トクホを商品化した経歴を持つ。趣味はフルマラソン。

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