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薬局なんでも相談室1
相談室1: ピロリ三次除菌のレジメンは
日経DI2012年9月号

2012/09/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年9月号 No.179

 ピロリ菌は、胃粘膜に定着すると、慢性的な胃の炎症(慢性胃炎)や胃十二指腸潰瘍を起こすことが知られています。炎症が持続すると、胃癌を発症するリスクが高まります。

 ピロリ菌の除菌レジメンは、日本ヘリコバクター学会による『Helicobacter pylori感染の診断と治療のガイドライン2009改訂版』に書かれています。

 まず、プロトンポンプ阻害薬とアモキシシリン水和物(商品名サワシリン、パセトシン他)、クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド他)の3剤を併用する一次除菌を行います。除菌できなかった場合は、一次除菌のレジメンのうち、クラリスロマイシンをメトロニダゾール(フラジール他)に代えて二次除菌を行います。

 クラリスロマイシンの耐性菌が増加していることから、一次除菌の成功率は60~70%にとどまりますが、一次除菌失敗例の90~98%で二次除菌が成功します。つまり、二次除菌まで行っても失敗するのは100人中2~3人程度と多くはありません。

 二次除菌失敗例には、保険適用外ですが、三次除菌が行われます。三次除菌のレジメンとして、代表的なものを3つ挙げました(表1)。各施設がこれらをアレンジしながら処方している状態で、標準治療はなく、症例を蓄積している段階です。今後の大規模な報告が待たれます。

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 除菌が成功するかは、抗菌薬がうまく“当たっているか”が重要なので、あらかじめ菌感受性試験を行うのも1つの考え方です。ただ、二次除菌までで97~98%が除菌可能で、費用の負担や結果が来るまでに3~4週間要することから、実際には菌感受性試験は行われていません。当院でも二次除菌を失敗した患者に限り、研究目的で菌感受性試験を行ってから、三次除菌を行っています。

 除菌治療に当たっては、飲酒や喫煙を控えることも成功のカギですので、服薬指導時には患者に伝えていただきたいと思います。

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