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もっとカッコいい薬剤師
秋の七草の「効能・効果」を知っていますか
日経DI2012年9月号

2012/09/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年9月号 No.179

 太陽の光も幾分弱まり、涼しい夜風が吹く季節になった。秋といえば、ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ─そう、「秋の七草」である。春の七草は食用であるが、秋の七草は観賞用とされる。カッコいい薬剤師としては、これらが薬草として有用である点にも注目したい。

 ハギ(ヤマハギ)の根は、婦人病のめまいやのぼせに効果的。クズは言わずと知れた「葛根」で、発汗や解熱、鎮痙効果に優れている。ナデシコやオミナエシには消炎・利尿作用があり、フジバカマはむくみや皮膚のかゆみに対して用いられる。キキョウ根は去痰・鎮咳薬として有名であり、ススキにも根茎に利尿作用があるという。

 秋の七草の起源は、万葉集に収められた山上憶良の歌だそうだ。「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花」「萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花、また藤袴、朝貌の花」─そんな小話を交えながら薬効をすらすらと説明すれば、患者は聞きほれること間違いない。さらに、いざという時に薬草を摘んで煎じることができれば、理論も実践も文句なしのカッコいい薬剤師である。

 そんな極みを目指す人にはぜひ、薬草の「花言葉」も知っておいてもらいたい。ピクニックの最中に、カレシ・カノジョが急に発熱したときには、落ち着いて野生のクズを探し出し、葛根の煎じ薬を作り、花言葉の「活力」を添えて手渡す。旅行先でおじいちゃんが咳込んだ際には、少々時間を要するがキキョウの根を乾燥させて煎じる。花言葉の「変わらぬ愛」の下、背中をさすりながら優しく飲ませてあげれば、効果はてきめんだ。

 ただし、野生のフジバカマを見つけたときは、勢い込んで引っこ抜いてはならない。フジバカマは絶滅危惧種であり、その花言葉は、「ためらい」であるから。 (ジャック)

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