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日経DI2012年9月号

2012/09/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年9月号 No.179

ウブレチド誤調剤事件で薬局開設者を行政処分
管理薬剤師の有罪判決受け、30日間の業務停止を命令

 埼玉県薬務課は8月13日、患者1人が死亡する調剤過誤を起こした保険薬局の開設者に対し、薬事法違反により30日間の業務停止を命令した。有限会社小嶋薬局本店(埼玉県越谷市)が開設するサンセーヌ薬局(同)は、8月13日から9月11日まで業務を停止する。

 サンセーヌ薬局は、自動錠剤分包機の設定ミスにより、2010年2~4月に毒薬のウブレチド(一般名ジスチグミン臭化物)を患者23人に誤って交付。4月1日に設定ミスに気づいたものの、回収などの措置を行わず、4月7日に75歳の女性患者が死亡した。埼玉県警察による書類送検を経て管理薬剤師が起訴され、12年6月に業務上過失致死罪により禁錮1年、執行猶予3年の刑が確定している(表1)。

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 同薬局が主として応需していた200床規模の精神科病院の外来処方箋については、業務停止期間中は病院が院内調剤を行うほか、自立支援医療機関の指定を受けた越谷市内の薬局10数軒が応需している。


6年卒薬剤師の初任給は
平均21万7000円
人事院給与調査で判明

 2011年度に薬剤師資格を取得し、12年4月に就職した“準新卒”薬剤師の初任給が平均21万6556円であったことが、人事院の調査により明らかになった。従業員50人以上の事業所を対象に、今年5~6月に行われた「平成24年職種別民間給与実態調査」による。大半は初の6年制課程卒業者だが、昨年の準新卒薬剤師(4年卒)の平均初任給(21万6470円)とほとんど差がなかった。

 準新卒の医療職では、医師(09年度中に免許を取得、2年間の臨床研修を経て12年4月までに採用されたもの)の初任給が39万8816円、看護師が20万5712円、准看護師が17万6181円だった。


プライマリ・ケア学会の
薬剤師向け認定資格
初回の認定者が誕生へ

 日本プライマリ・ケア連合学会は8月26日、薬剤師向け資格である「プライマリ・ケア認定薬剤師」の第1回認定試験を実施した。同連合学会の認定制度は、薬剤師認定制度認証機構の特定(専門)領域の認証を得ており、非学会員でも認定を受けられる。試験は90分間の筆記試験で、所定の認定単位を取得し、臨床見学実習を行った薬剤師16人(薬局薬剤師13人、病院薬剤師3人)が受験した。

 合格者は認定制度委員会による採点、理事会での審議を経て、9月1日に認定される。認定薬剤師の氏名は、同連合学会のホームページ(http://www.primary-care.or.jp/)で公開される予定だ。


日本薬剤師会
来年度の税制改正で
実務実習費非課税などを要望

 日本薬剤師会は8月7日、民主党政策調査会に対し、来年度の予算や税制改正に関する要望を行った。

 この要望は、薬剤師や薬局が安全・安心な医療を安定して提供するための環境整備に向け、同会が毎年実施しているもの。2013年度予算に関しては、災害薬事コーディネーター(仮称)の養成や地域チーム医療体制の整備などに対する予算措置を講じるよう求めた。税制に関しては、東日本大震災で滅失した器具・備品の特別償却制度の導入や、薬価引き下げによる資産価値減少に対する税制優遇措置、薬学教育に係る長期実務実習費の収益事業からの除外などを要望した。


テネリア錠20mg《8月28日薬価収載、9月10日発売予定》
国内5番目の“純国産”DPP4阻害薬

 このほど発売されるテネリア(一般名テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物)は、インクレチンを分解する酵素であるジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)の選択的阻害薬である。インスリン分泌を促す作用のあるインクレチンの分解を抑えることで、血糖値をコントロールする。DPP4阻害薬は、これまでにシタグリプチンリン酸塩水和物(商品名グラクティブ、ジャヌビア)、ビルダグリプチン(エクア)、アログリプチン安息香酸塩(ネシーナ、リオベル〔配合剤〕)、リナグリプチン(トラゼンタ)が発売されており、テネリアは、わが国で5番目のDPP4阻害薬となる。

 テネリアは、日本で開発され、日本人でのデータが豊富で、生産も日本で行う“純国産”DPP4阻害薬である。適応は「2型糖尿病で、次のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。(1)食事療法、運動療法のみ、(2)食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア系薬剤(SU薬)を使用、(3)食事療法、運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用」であり、用法・用量は「1日1回20mg経口投与、効果不十分な場合には経過を十分観察しながら1日1回40mgまで」となっている。腎排泄率が低く、腎機能低下例にも使いやすいという特徴がある。

 DPP4阻害薬と他の糖尿病薬との併用については、DPP4阻害薬の各薬剤ごとに併用可能な薬剤が異なっており、しかもそれぞれが少しずつ適応拡大を続けている最中なので、その都度、添付文書などでの確認が必要である。テネリアは、承認時点では、SU薬およびチアゾリジン系薬との併用が認められている。

 国内の臨床試験では、10.0%で副作用(臨床検査値異常を含む)が報告されている。主な副作用は低血糖症(3.0%)、便秘(0.9%)などで、重大な副作用には腸閉塞や低血糖症状(他の糖尿病薬との併用時)がある。他のDPP4阻害薬ではSU薬との併用で重篤な低血糖症状が現れ、意識消失を来す症例も報告されているので、十分に注意したい。

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