認知症でグループホームに入所している83歳の女性Nさんが、施設職員に手を引かれながら薬局を訪れました。見るからに元気がありません。職員に声をかけると、次のように話しました。 施設内で入所者への暴言などがひどくなったため、前回の受診時にアリセプトを中止していただきました。ところがその後、極端に元気がなくなり、何も話さなくなってしまったのです。先日お見えになったご家族から元気を取り戻せないかとの要望があり、先生に相談してアリセプトを再開してもらいました。
*薬歴によると、Nさんはメマリー(一般名メマンチン塩酸塩)20mg/日、抑肝散7.5g/日に加え、アリセプト(ドネペジル塩酸塩)5mg/日を服用していたが、入所者に対する暴言がだんだんひどくなってきたことから、前回の受診時(28日前)にアリセプトが中止された。しかし今回、アリセプト5mg/日が再度追加されていた。 アリセプト(一般名ドネペジル塩酸塩)の初期投与量は3mg/日である。Nさんのように5mg/日を維持量として服薬していた場合、服薬中断期間が何週間を超えれば、3mg/日から再開すべきと考えられるか。
服薬指導
アリセプト再開時の投与量〈処方箋〉
メマリー錠20mg 1錠
1日1回 朝食後 28日分
(医療用)7.5g
1日3回 毎食前 28日分
(1)約2週間
(2)約3週間
(3)約4週間
(4)約6週間
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